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ひとりって孤独? 狼子

ドラマチックな曲を作りたくなることがしばしばあり、これまで紹介した曲の中では革命前夜(CNo16)や七つの扉(CNo7)などがそれに当たります。

今日紹介する狼子(ろうし、CNo31)もそのひとつで、私の曲には珍しく時代劇調の仕上がりになっています。SaxLab2という音源の掠れたサックスの音色が気に入って、メロディに使っています。後半は大河ドラマ風に盛り上がっていきます。

この曲の誕生日は2018年11月26日なのですが、動画は2020年に作られたものです。コロナ禍にまさに突入しようとしていた2月の発表会に向けて作成しました。ストーリーまで考えていたわけではありませんが、イメージしたのは子連れ狼とか座頭市などで、心に傷を持った主人公の生きざまを描くような雰囲気にしています。

タイトルの狼子は、曲がかなり出来上がった頃、私の脳裏に浮かんだことばです。こんなことばあったっけ、と調べてみると、「狼子野心」という説明がありました。

〘名〙 (狼(おおかみ)の子は飼われていても野性の気質を失わず、いつまでも人になつかないという意から) すきを見ては人に危害を加えようとする心。害心を持つもののたとえ。また、身分不相応の望みもいう。〔春秋左伝‐宣公四年〕

精選版 日本国語大辞典

私自身は狼の子的ではありませんが、大人のいうことに素直に従う子供ではなかったようです。母親が私を叱ると、「そんなに怒るようなこと?」と真顔で聞いてくるのでドキッとした、と後に母親が振り返っていました。また幼稚園で鉄棒ができない子はおやつあげませんよ!と先生が言ったら、「鉄棒ってそんなに大事なの?」と私が食ってかかっていたと友達が証言していました(記憶にはありませんが😅)。だいぶ生意気で扱いにくい子だったかもしれません。

一匹狼、ということばがあるように、狼にはなんとなく1人でいるイメージがありますね。研修医時代、まだノートPCを個人で持つのが一般的ではなかった頃、患者さんの病歴サマリーなどを書くためのPCが並んだ部屋が病棟にあり、mac部屋と呼ばれていました。閉鎖された部屋で集中できるので、私は好んで入っていたのですが、ある時仲間の研修医から「先生は孤独に強いから」と言われました。(あれ、私って孤独に見えるのか💦)と言われて初めて気づきました。たしかに研修医時代の生活はハードで、自信喪失したり不安になりやすいので、人と一緒にいると少しほっとできるのですが、私はそれにもまして1人でじっくり考える時間が欲しかったのです。

1人でいると孤独なのでしょうか?私はそうは感じていません。身体の中には私ではない生き物(微生物など)がたくさん住んでいて、みんななるべく快適に長く生きることを目標として暮らしているわけです。ですから、私はこの建物(身体)の管理人のような気持ちでいます。皆さんがなるべく快適に暮らせるように、いろいろ取り計らいますよ(他人とやりとりする)、というわけです。ミクロの視点で考えたら、人の身体はまさにひとつの国、ひとつの宇宙のようなものですからね。身体からの声をよく聞いて治めていくのが生き物の使命、と私は捉えています。外交のためには国内がまず安定していなくてはならないのですから、1人でよく考えてみるということはとても貴重だと思います。

ところで、一匹狼といいますが、実際の狼はつがいとその子どもたちという家族で生活するそうで、「ふつう狼は群れで暮らすのに一匹でいる」という意味なんだそうです。


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