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ことのはいけばな ‘22 穀雨 第16侯『葭始生』

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

百穀を潤す雨の降る季節。美し葦牙のくに。

*そこここでつのぐむくにや春惜しむ

*葦牙のももいろに降る穀雨かな
*「穀雨」とふ中華そば屋に抗えず
*葦の牙遠き岸辺につのぐみて

*ユーラシア春はめぐるも憂く暗く
*ウクライナ卯の花腐し黒い雨
*卯の花をかざしてみどりの邦おもう

*角ぐみて穀雨となりぬうまし国
*つのぐみを撫でて穀雨の虹渡る
*つのぐみをつつみてすすぐ春の雨
*百穀のつのぐみ祝ふ虚空より

虚空穀雨よりふる身だ弥陀にしてほどかるる

*みんなみの波の果てより白イリス
*アフリカと言われてみれば白光る

大磯は夏の陽気 草藤や立浪草、羽衣ジャスミン

*草ふじのたつのおとしご冒険す

*立つ浪のうち重なりて行儀良く
*おのおのがステップ踏みて立浪草
*立浪草上目使いで線路沿い

*ジャスミンの石垣なだるる香りかな
*ジャスミンの裳裾に孕む海や空

*花のみる無窮の光背を流れ
*花のみる無窮の青に目は合わず

♪楝散る浜辺の宿の、、、

*はなの裂く虚空そらの彼方や三千世界みちあふち


*はやいはやいとっととはやいみどりかな
*はやいはやいとっとこはやいみどりかな


*濡羽玉の鴉うるおう緑雨やな

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