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ことのはいけばな 小寒 第67候『芹乃栄 (せりすなわちさかう)』

冬になってからというもの、日々の花のお手入れ時、水の清らかさにすっかり気持ちが洗われる。空気の清浄さということもあるけれど、どうやら人間以外の生き物は、太陽からのエネルギーに対してなんとも素直で、冬至前後は生命あるものの束の間の休息のときなのだろう。人の世は年末は師走というほど慌ただしい。
日は短くなって余計に焦り、無理をする。冬への適応がうまくいかないまま、麻痺した感覚で休むことを忘れ、ご多聞に洩れず無理が祟って腰を痛めた。軽いぎっくり腰だと思っていたら年を越しても動くのが難儀な状態。年明けすぐに来てくれたセラピストが手を当ててくれた。この手水舎に龍の象りはないけれど、龍神様がいらっしゃるそうた。花手水を見てくれているだろう。水はあらゆるところに繋がっている。



 *寒の入り 草競り合いて 水清し 
 *寒中の 雪ほどろして 芹青し

*南天の かがやくほどに 水は冴え
*金色の 鬼の目にこそ 恐ろしき 南天の実の 赤貫きて
*水仙の コロナは苦くも 甘いのに 

*この盃に 溢れるほどの 光溜め  花冠傾け 水仙伸びる
*ひび割れし 乾いた土より 臈纈の あおい葉は伸び 水仙笑う

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