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東京電力旧経営陣に13兆円賠償命令

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東京電力旧経営陣に13兆円賠償命令

2022年7月13日、東京地裁は、東京電力の旧経営陣(元会長ら4人)に対し、計13兆3210億円の賠償を命じる判決を下した。国内の訴訟の賠償額としては、過去最高とみられる。

同社の株主(約50人)が、福島第一原発事故をめぐり、旧経営陣に対し計22兆円の賠償を求めた株主代表訴訟で、政府機関による地震予測「長期評価」に基づいて巨大津波の予見が可能であったか、また浸水対策等で事故を防げたかが争点となった。

東京地裁は、長期評価を「相応の科学的信頼性を有する知見」と認めた上で、取締役の善管注意義務違反を認定し、廃炉・汚染水対策費用、被災者への損害賠償費用および除染等の対策費用の賠償を命じた。なお、旧経営陣は7月27日、判決を不服として控訴したため、今後は東京高裁の判断が注目される。


▼Keywords

株主代表訴訟

株主が、株式会社に代わって取締役等の会社に対する責任を追及する訴えのこと。

取締役等は、任務を怠った際に生じた損害を賠償する責任を負うが、取締役の情実によって責任追及がなされない危険性がある。そのため、提訴請求の日から60日以内に会社が訴えを提起しない場合、株主は会社を代表して責任追及の訴えを提起できる。

公開会社(※)の場合は、6ヶ月前(定款によりこれより短い期間を定めることは可能)から引き続き株式を有する株主に限定される。また、判決の効果は、勝訴・敗訴のいずれの結果であっても会社におよぶ。

※公開会社:全部または一部の株式について、譲渡制限がない株式を発行できると定款で定めている株式会社のこと


※コンテンツは弁護士が監修しています

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