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痒みについて考える

アトピー患者の悩みと言えばやはり「痒み」ではないでしょうか。
おそらく「この痒みを止めて欲しい」という嘆きが一番多いでしょう。
ですがこの対処を誤ると泥沼にハマってしまうので、まずは正しい現状認識が大切です。

この痒みが発生するメカニズムですが「蚊」に刺された時を想像するとわかり易いと思います。
蚊の場合、血を吸われた際に毛細血管に侵入した蚊の唾液が原因で痒みを引き起こします。
神経が異物を感知し、白血球が排除活動を始めた時に
「異物が侵入してますよ~!」と身体が警告として伝えてるのが痒みです。

怪我をした時の「痛み」と同じ理屈です。
だから痒みを感じるのは身体にとって悪い事では無いのがわかります。
むしろ身体が正常に機能していると言えるでしょう。

虫刺されの炎症は異物と戦っているから起きる。
その時に細胞からヒスタミンが放出されますがこれは異物を排除するために必要な物質で退治後はまとめてゴミとなる。
このゴミが漂ってる間も痒みは続き、血液の循環によって散らされてようやく痒みは止まります。
その後のゴミは身体を巡って腎臓でろ過され、尿管を通って膀胱からおしっことして体外に放出されます。
これでようやく解決です。

( もう少し虫刺されの例え話は続きます )

では改めてですが、蚊に刺された時はどう対処すれば良いのでしょう?
普通にこの一連の流れを見たら何もする必要が無い事がわかります。
せいぜい血液循環と排尿が行われ易いよう水分を良く取り、痒みをまぎらわすために皮膚を傷つけない程度に軽くさする。
これで十分でしょう。(注:もちろんマラリアなど特別な状況は除きます)
何もしなくたって自己治癒力が働いて解決してしまうのが人間なんです。

でも薬局や病院へ行ったら
炎症や痒みを抑える方向で」何かしら対処されるのが一般的です。
なぜなのか?
それは「この痒みをすぐ止めて欲しい」と願う人が多いからです。
つまり目的が「正常に戻す」ではなく「痒みを止める」になってるんです。
その結果、浸透した成分で排除しなければいけないゴミが余分に増えたり、治癒にかかる時間が伸びてしまうケースが出てくるわけです。
このような「本来の目的からズレてしまう行為」は日常でもよく見られます。

( さて話を戻してアトピー性皮膚炎の痒みについてです )

痒みは「身体が正常に機能している証」である事は上記で述べた通りです。
神経が感知しているものが皮膚を修復する過程で出たゴミなのだとしたら・・
アトピー性皮膚炎で悩んでる人がまず考えるべきは、この毛細血管の中のゴミをいかにして体外へ排出させるかです。
人の身体は血液が循環しています。
沢山水分を取っておしっこと一緒に体外へ捨てる
単純にこれだけで「痒みは消える」はずなんです。

  それなのに
「痒みがいつまで経っても止まらない」
「皮膚の修復がいつまで経っても終わらない」
これはどう考えてもおかしいのです。

アトピーの皮膚表面、その下の毛細血管に原因があるんじゃなかったのか?
なぜ傷ついた皮膚は改善していかないのか?

次ではその辺の疑問を踏まえつつ私のアトピーが治るキッカケとなった日の出来事について書きたいと思います。

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