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井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #18

習い事選びのもったいない④
(18) 「嫌い」にならなければまた出合えるかも

 習い事の「あるある悩み」といえば、子どもが「やめたい」と言い出したときにどうするか、でしょう。

 ここまで費やした時間や金額が親の頭をよぎり、「せっかくやったのに」という言葉が浮かびます。上達ぶりが目に見えていればなおさら、残念な気がしてしまうでしょう。また、自分で「やる」と決めたものを「やめるのはよくない」という考え方もあるかもしれません。

 でも、子どもが「やめたい」と心の底から言っている場合、「せっかくやったのに」「自分でやりたいって言ったのに」などと言われてやめさせてもらえないと、それを嫌いになってしまう可能性もあります。それこそ「もったいない」と言えます。

 「嫌いにならなければ、いつかまた出合って、それが人生を豊かにしてくれる可能性があります」と井上さんは言います。

 さて、何事もそうですが、人が何かをできるようになるためにはスモールステップでの練習が必要です。視点を変えれば、習い事選びを親子の「練習の機会」にすることは可能です。

 親が子どもを観察し、複数の選択肢を挙げる。それを子ども自身が体験してみて、子どもが選ぶ。複数の選択肢を提示するのは、時間的、物理的、経済的に正直なかなか大変ですが、親の負担にならない範囲で模索してみてもいいかもしれません。

 「選択肢は2つでもいいので、できる限り自分で選ぶ機会を子どもが持つことが大事だと思っています。大変なように聞こえるかもしれませんが、小さいころから自己選択を練習したほうが、将来的に親も楽になるでしょう」と井上さんは言います。

 やめるときも、自分で決めることが自己選択の練習になります。

 「やめたい理由は、その子の持っていたギフトとかみ合わなかった、はまるものじゃなかった、あるいはその先生では面白くなかった、などいろいろ想像できます。

 人間は発達するにつれて、少しずつ複雑性を増すので、一つの習い事をずっと続けることがその子の成長に必ずしもフィットするとは限らないと思います。

 例えば、音に合わせて踊るのが好きな子が、まずはリトミックに挑戦して、次は違うダンスをしてみてもいい。いろいろな選択をしていくことも大切です。習い事は、本人が上手になりたい、好きだからといった理由で、生きる喜びを求めて継続するものだと思います」

(#19に続く)




書き手:小林浩子(ライター・編集者/小学生の親)

新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーランスのライター・編集者に。 自分の子育てをきっかけに、「学び」について探究する日々を重ねる。現在、米国在住。


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◎主催者プロフィール
【小林浩子】(ライター・編集者/小学生の親) 新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーランスのライター・編集者に。 自分の子育てをきっかけに、「学び」について探究する日々を重ねる。現在、米国在住。

【井上 真祈子】一般社団法人ダイアローグ・ラーニング代表理事https://dialogue-learning.com/
二人の姉妹の母 (高2、大学2年生)。薬学部卒。
学校が苦手な子ども時代を過ごす。親になり、国内外を移住しながら子育てをする中、2011年 ルクセンブルク駐在当時、東日本大震災発生をきっかけに教育の世界へ。
2016年 オンラインをプラットフォームとした学びの場設立。
掲載記事: https://newspicks.com/news/8510566/body/


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