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Eugenの備忘録その58-12/21 デ・フリーント指揮読響第九

デ・フリーント指揮読響名曲シリーズ(12/21,19時より、於サントリーホール)

ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱付き》
森谷真理(S),山下裕賀(MS),アルヴァロ・ザンブラーノ(T),加藤宏隆(Bs)
三澤洋史合唱指揮新国立劇場合唱団

速いテンポ、Vib.抜きの透明感ある音色、小編成、やけに末尾で尻窄みしたり通常と異なる箇所に力点を置くアーティキュレーションの4点セット。最近良くあるタイプだが、ワンパターンであり開始数分で手の内が全部分かったようになってしまう。オケは良く演奏していた。何も「重厚でない第九」が悪いのではない。シャカシャカ何の味わいもなく流して特色がフレーズの小細工一辺倒では、音楽性よりも単なる作為性しか窺えないのだ。個性の主張が、不自然なアーティキュレーションにおいてしか為されない第九が近年散見されるのには閉口する。デ・フリーント指揮読響第九、もとい「新国立劇場合唱団/読響伴奏ベートーヴェンリサイタル」だった事にしよう。フィナーレのテナー独唱が(聴いた場所が悪いのか)周りの打楽器が気を遣うように音量を下げる程の弱さ。バスの加藤宏隆が強靭で素晴らしい(正にそれ以前はnicht diese Töneであった)。

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