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【読書メモ】「間違った問い」に答えて無駄な時間を使うな。問題解決の出発点は論点設定から。【論点思考】

ボストンコンサルティンググループ(BCG)出身の内田和成氏が、問題解決の出発点にあたる「論点」についてまとめた一冊。

問題解決が早い人は、本当に解決すべき問題、すなわち「本当の論点はなにか」を常に考えている。

論点の設定方法、頭の使い方などのノウハウをまとめたビジネスマン必読書。

【おススメの読者】

  • 問題解決スキルを高めたいと思っている方

  • 頑張って仕事しているが、相手から「何か違うんだよね…」とよく言われるビジネスマン

  • 部下にビジネススキルを教えたり、指導する立場になったリーダー層

【本書の概要】

2010年に出版された230ページ程度の書籍です。

2021年には17版が重版されている「問題解決の出発点である「論点」を学べる名著」です。

ボストンコンサルティンググループでは、毎日のように「このプロジェクトの論点は何か」「ここで答えておくべき論点はこれとこれだ」といった議論を繰り広げている。

論点とは「解くべき問題(課題)」であり、短期間で答えを出すためには最初の論点設定がきわめて重要である。

問題解決関連の書籍は多く出版されているが、本書は「そもそも、解いている問題そのものが間違っていないか?」という問題提起のもと、論点を定義するプロセス(=論点思考)を解説しています。

本書以外にも、内田氏は『仮説思考』を出版されています。『論点思考』は問題発見に力点を置いた本、『仮説思考』は問題解決に力点を置いた本になります。

【本書の「なるほど!」ポイント】

自分への備忘録として、本書を要約しています(原文ママではありません。興味がある方は購入をお勧めします)

<論点とは>

  • 論点とは「解くべき問題」、論点思考とは「解くべき問いを定義するプロセス」

  • 経営における最も重大なあやまちは、間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えることだ(ドラッカー)

  • 最上流の問題設定が間違えたら、一生懸命に問題を解き、解決策を実行しても解決しない・成果が上がらない

  • 私は問題を与えられたときに「本当に正しいか」を考える。与えられた問題を疑うことから始めるべきだ

  • 論点を設定する際は、問題解決を頼んだ人の思いを考慮する。発言の真意、意図、バックグランド、置かれている状況を考える

  • 論点の中でも最上位の概念(=自分の仕事で成し遂げるべき最終的なゴール)を「大論点」と呼ぶ。大論点を現場レベルにブレークダウンした、明らかにすべき点や解決すべき問題を「中論点」「小論点」と呼ぶ

<論点を設定するテクニック(論点思考)>

  • 論点思考のステップは、①論点候補を拾い出す、②論点を絞り込む、③論点を確定する(=大論点)、④全体像で確認する(=中論点、小論点として構造化)

  • 論点を見つけるには「本当にそれが論点か」と常に疑問を持つことが大事。ベテランは「本当の論点は何か」を考える。初心者は「聞いた内容を疑わず構造化」する

  • 相手が語る悩みや問題点を鵜呑みにして論点としない。現象を間違って解釈していたり、数ある論点の中から自分の思い込みで論点を選んでいることが多い

  • 業界共通の課題を考えるのではなく、企業固有の課題を考える。「他社が儲かっていて、自社が儲かっていないのはなぜか」と考える

  • 論点思考を高めるには、①視野(意識してない側面に目を向ける)、②視座(2つ上の立場から考える)、③視点(逆から/業界最下位/現場目線/両極端)の3要素が大事

  • 論点は進化する。作業を進めると、当初考えていなかった論点が浮かび上がり、そちらのほうが本質的な課題であることに気づく。論点は作業を進める中で進化する

  • 論点を絞り込む際は、①当たりをつける、②筋の善し悪しを見極める

  • 当たりをつける際は「白黒つけられそうなところからアプローチする」「仕事の依頼者の関心の低い分野を探る」を意識する

  • 筋のよい論点は、①解決できる、②実行可能(容易)である、③実行すると効果が短期間で表れる、が揃っている論点

  • 頭を2つに分けて話を聞く。相手の話を聞く一方で、もう一方で自分の頭の中にある、過去の経験、類似事例、似た感覚などを探す。その視点は、類似事例、他社事例、顧客視点で見る、鳥の目・虫の目で考える、過去の経験を参照にする

  • 一般的には、分析手法に当てはめると構造化できると思われているが、それは間違い。当たりをつけた後にフレームワークを使うと、うまく説明できたり、関係を整理できる

  • 課題を提示された段階で、質問や仮説をぶつけることで、相手の論点を明確にしていく作業が重要。質問の繰り返しから筋のよい「論点の仮説」が生まれる

  • 現場では、表向きは人の話を聞いているが、実際は現象を見ている。何をやっているか、生き生きとしているか、競争相手と比べてどうか、商品は飛ぶように売れているかなどである。世の中のほとんどが二次情報だからこそ、一次情報にこだわる

  • 論点を構造化するとは、大論点に答えるために、「掘るべき筋と単位」を中論点、小論点として因数分解し、ツリー構造に整理していく。言い換えると、仮説を立てて、検証・反証していく道筋になる

【終わりに 】

この本を読んだときに感じたのは「論点は大事だけど、頭の中に基礎知識がないと難しい」ということでした。

「相手が行ったことを鵜呑みにしない」「質問を繰り返して論点を明確化する」のは、その伝え方も含めて、確かなバックボーンが必要です。様々な事例やビジネスセオリーを理解しておくことの重要性を改めて実感しました。

加えて、「分析手法に当てはめると構造化できると思われているが、それは間違い」も共感しました。自分も、無意識に分析手法を使いながら論点を考えて、本当の論点が見えてきたら、フレームワークなどで整理することが多いです。

頭の引き出しを増やすことが大事ですね。

今後の仕事において、以下を意識して実践しようと思います。

・相手が話したことを鵜呑みにしない。「視野・視座・視点」を意識して質問や仮説をぶつける
・安易に「業界全体の構造的な問題である」と考えない。「自社固有の問題があるはず」と問い続ける
・他業界の事例を読む、ビジネスセオリーを蓄積することで、筋のよい論点が考えられる土台を作る

本記事では、内田和成氏の【論点思考】を取り上げました。

また、読書のための専用端末「Kindle Paperwhite」もご紹介。

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