パッケージがエコでも「やさしい化粧品」とは限らない
気にするのは容器だけですか？
化粧品の容器が環境にやさしい素材でできているか、を気にする人は多いと思います。
でも、化粧品の原料に何が入っているかは気になりませんか？
化粧水、乳液、クリーム、美容液、美容パック、ボディクリーム、ハンドクリーム。
私たちが健やかな肌を維持するために必要だと信じて使っているそれらに、「マイクロプラスチックが入っているかもしれない」と考えたことはありますか？
合成ポリマーの正体
ほとんどの化粧品に配合されている合成ポリマーは、マイクロプラスチックです。微細なため目では見えませんが、他のプラスチックと同じく自然分解されることはありません。
そのため、私たちの肌から洗い流されたマイクロプラスチックは、排水され、下水処理場のフィルターもくぐり抜け、海洋へと流れ出ていきます。
2020年の調査によると、私たちの地球の海底には1400万トンのマイクロプラスチックが存在しているそうです。
人間サイズに換算すると、体重約60kgの人が2億3800万人分（日本の総人口の約2倍！）。
とんでもない量のマイクロプラスチックですが、その一部は、私たちが使っている化粧品が原因かもしれないのです。
なぜマイクロプラスチック（合成ポリマー）が使われるのか
合成ポリマーは、安くて簡単に消費者が好むテクスチャを作り出すことができます。
化粧水にとろみをつけたり、クリームをリッチな使用感にすることもできます。水がベースのクリームをジェル状にすることも簡単なので、ほとんどの化粧品で配合されています。
美容効果・美肌効果はありません。
これは、ドラッグストアのリーズナブルな商品でも、デパートの高級コスメでも、SNSで見かける通販コスメでも同じです。
しかも、化粧品で使用される合成ポリマーはほとんどが水溶性。海底に蓄積せず、海水に紛れて浮遊し、海洋生物が誤って食べている可能性もあります。
肌に無害だったら大丈夫？
合成ポリマーを配合しているメーカーは、「合成ポリマーは刺激性が少なく、肌にはほとんど無害です」と言うかもしれません。でも、自然環境への影響はどうなのでしょうか？
それに、私たちのホルモンバランスや生殖機能、発がん性への影響は？
自然環境と自分たちを守るためにできる5つのこと
望まない成分を避けるために、まずは自分たちにできることをやってみませんか？
化粧品の全成分表を見るようにする
ポリマー、コポリマー、クロスポリマーが入ってないかをチェック
カルボマー、ジメチコン、PEGが入ってないかをチェック
その他の刺激成分（精油やパラベン、フェノキシエタノール）が入ってないかをチェック
（ECサイトや医薬部外品で）全成分表記がない時はメーカーに問い合わせる
食品の「有機」や「オーガニック」マークのように、化粧品には消費者にとってわかりやすい目印がありません。
カタカナの長い成分名をすべて覚えることは難しいですが、まずは意識的に成分を見るようにすること。そして、正しく知るよう意識をすることが大切です。
パッケージがエコだから。
「ナチュラル」や「サステナブル」だとアピールしているから。
そんなイメージだけに惑わされず、しっかりと見極めることからはじめてみませんか？
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