マイクロプラスチックが健康に与える影響が判明
世界はマイクロプラスチックに汚染されている
2017年の時点で、人間は83億トンのプラスチックが作り出したと言われています。そして2050年までにその量は倍以上になると予想されています。
その結果、私たちの地球はマイクロプラスチックにすっかり汚染されてしまいました。
破棄されたプラスチック製品が細かな粒子になったり、最初からマイクロサイズやナノサイズで作られたプラスチックが蓄積して、今では地球上においてマイクロプラスチックの影響を受けていない地域を探すことが困難になっているほどです。
世界中の海や土壌、空気中にまでマイクロプラスチックは侵入しているので、私たちが口にする水道水や魚介類、野菜や果物、そして呼吸する空気にもマイクロプラスチックが存在しています。
つまり、私たちは知らない間に無数のマイクロプラスチックを体内に摂取しているのです。そして今までに、人間の消化器官、血液、肺、胎盤、心臓、脳からもマイクロプラスチックが検出されています。
マイクロプラスチックによる健康への悪影響が明らかに
マイクロプラスチックは、かつてない範囲にまで急速に広がったため、その影響については調査や研究が追いついていませんでした。が、2023年4月に公表された論文により、健康への深刻な影響が初めて明らかにされました。
この論文では人間の腸に侵入したマイクロプラスチックがどのように作用するかが報告されています。それによると
腸や他の臓器細胞にマイクロプラスチックは蓄積する
マイクロプラスチックにより腸内炎症を起こす可能性がある
情報伝達の役割を担うサイトカインが放出される
そのサイトカインが炎症性大腸炎の原因になる
ことがわかりました。
「マイクロプラスチックは体内に取り込まれても排出されるから大丈夫」という情報も多く出回っています。しかし、その説には根拠がありません。
なぜなら、ようやく最近、世界中の研究調査の結果がわかり始めていて、今回のような深刻な影響が徐々に明るみになってきているからです。
みんなが脱プラすべきなのか
私たちは日常的に、多くのプラスチックに囲まれて生活をしています。そのプラスチックを全て代わりのものに今すぐ置き換えて、全員が完全な脱プラスチック生活を送ることは、現実的にはとても難しいと思います。
でも、できることを全員が少しずつでも取り組めば、その影響は大きいはず。取り組み方も人それぞれでいい。まずは自分が買うものや使うものが役割を終えた後どうなるか、何にどんな影響を与えるか、を考えることから始めてみませんか?
化粧品を選ぶときにできること
例えば、化粧品を選ぶとき。
パッケージがエコだったらいいでしょうか?
エコパッケージに入っていても、実は中身の化粧品にマイクロプラスチック成分がたくさん配合されていることがあります。
パッケージは使い終わった後にリサイクルが可能ですが、中身のマイクロプラスチック成分はどうでしょうか?
顔につけた後、洗い流したらどこへいくのでしょうか?
化粧品のマイクロプラスチック成分は、目で見てもわからないほど細かな粒子です。でも、パッケージに使われるプラスチックと同じように生分解性はありません。
洗い流した後は、下水場のフィルターに引っかかることもなく、そのまま海や川へと流れていきます。自然界に放出されたマイクロプラスチックは、魚や貝が食べるかもしれません。雨となって土壌に降り注ぐかもしれません。あるいは、私たちが口にする水となって返ってくるかもしれません。
化粧品を選ぶとき、パッケージだけではなく中身も地球に優しいかを少し気にしてみませんか?
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