ワイマール共和国の秘密警察

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マリー・ルイーゼ・カシュニッツ「その昔、N市では

※ネタばれあり ドイツの作家マリー・ルイーゼ・カシュニッツは1901年生まれ。1925年に考古学者であり美術史家でもある男性と結婚し、夫の任地を転々とする。 ナチ政権下もドイツに留まり、戦時中はギリシア神話の世界に没頭する……。 彼女の作品は、夢や空想、霊的な世界が現実を凌駕するという点が特徴的だ。それは彼女が戦時中に神話世界に没頭していたことと何か関係があるのだろうか。 あと、圧倒的な淋しさや孤独感のようなものも感じる。これは、この短編集に収録された作品が、夫が亡くなって

    • アルテュール・ブラント「ヒトラーの馬を奪還せよ 」

      ※ネタばれあり シンボル ──1806年。プロイセンをあっという間に倒したナポレオンは、ベルリンのブランデンブルク門をくぐって凱旋。門の上の勝利の女神像を略奪する。 この時のナポレオンとフランスのむごい仕打ちへの恨みは、プロイセン国民に「民族意識」を目覚めさせた。小国の寄せ集めであるという現在の状況を改め、ひとつの国家として統一せねば!という「ドイツ魂」が目覚めたのだ。 「たくましく、禁欲的な、調和のとれたギリシャ彫刻的男性像」こそがドイツ民族の理想的な普遍のシンボルとさ

    マリー・ルイーゼ・カシュニッツ「その昔、N市では