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キッチンに集い自分の場所になる

シェアキッチンを作りすぎてついに3店舗(ちょいみせ、おくのキッチン、非公開店舗)5室のキッチンが出来ました。

シェアキッチン人口比率日本一多い街 大垣

2018年に岐阜県大垣市にはじめて菓子製造業許可付きシェアキッチン ちょいみせキッチンを作って間もなく3年。今月新たにオープンした「おくのキッチン」は、ちょいみせキッチンから徒歩圏内にあります。

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おくのキッチンが入る食のシェアビル  オクノビル

岐阜県大垣市という狭いエリアに3店舗のシェアキッチン。おそらく人口比率でいえば、大垣市は日本一シェアキッチンの多い街でしょう。(筆者調べによる)

ちょいみせキッチンがオープンした当初は、シェアキッチンと言っても通じないことが多く、地方都市である岐阜では「シェア」という言葉も通じなかったくらいです。最近では様々なシェアビジネスが増えたこと、ちょいみせキッチン以外にも、シェアキッチンが増えたことにより認知度が上がってきたなと感じています。

シェアキッチンは新陳代謝を繰り返す

約3年間シェアキッチンを運営してわかったことは、チャレンジする場である菓子製造利用目的のシェアキッチンは、新陳代謝をするということ。
キッチンというのは料理やお菓子を作るための製造場所ではありますが、シェフ(利用者)同士が集う場所でもあると考えます。

いつも同じメンバーで営業している、飲食店やお菓子屋さんでは、その店でのルールやレシピ、器具の使い方、手入れの仕方、機器の配置があります。

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シェアキッチンでは、予約をした時間に使うため、シェフ達が共同で使用することはないのですが、キッチンを使った後に残る香りや、道具の片付け方に変化が生まれます。日々更新される、SNSでもシェフたちが作る料理やお菓子で彩られ、シェアキッチンに集まるシェフ達によってキッチンが構成されていると感じます。

このようにシェフ達との関係性も含めて長い時間をかけて作り上げてきた、シェアキッチンですが、オープン当初からずっと3年間使い続けている人はごくわずかです。

自分で工房やお店をオープンして卒業する人と残念ですが繋がりが薄くなる人のどちらか。


卒業生が出るたびに嬉しくもありなかなか会えなくなることで寂しくもあり、複雑ですがそれでも、困った時には連絡があったり、こちらも助けてもらったりと関係性がずっと続くのもシェアキッチンのよさかもしれません。

卒業生 IamIさんのキッチン

また、残念ながら繋がりが薄くなってしまう方は、新しい道に進む方もいます。これも初期投資が少なく済むことで軌道修正できることもシェアキッチンのよさでもあるのです。

そして、また新たにチャレンジしたい人が入ってきてというように、常に新陳代謝を繰り返しています。

もっと気軽にキッチンを使う

不安定で移ろいゆく時代、所有することからシェアする時代へと変化しています。食の業界でも、これまで自分でお店を持つという選択から、必要な時にだけ使うというクラウドシェフと言われる、キッチンを持たない働き方やUberEatsなどの食のシェアビジネスが次々に生まれ、今後のお店の持ち方が変わっていくとことは明らかです。

これまでのシェフ達の使い方を見ていると、製造目的のためだけに使う方がほとんどです。
しかし、自宅での試作と実際のキッチンでの仕上がりは異なります。また、定期的に作らなけば確実に腕は落ちます。
さらに、慣れないキッチンで作ることで、失敗や事故につながることもあります。

販売する目的以外に技術向上や試作のためにもっと気軽にキッチンを使って欲しいという思いから、弊社が運営するシェアキッチン全店をこれまでの時間制からサブスクリプション制に変更しました。

おくのキッチン料金1-1

毎月数時間でもキッチンを使うことで、新しい商品が生まれたり、より品質や効率が上がることで、さらにその先のお客様に喜んでもらえるのではないでしょうか。

また、マルシェなどのイベント出店が急に中止なったり、不安定な日々ですが、弊社が運営するシェフ達の商品を集めたネットショップで販売する仕組みもつくりました。

ひとりでネットショップを立ち上げて、販売するのは大変かもしれませんが、作った商品を預かり代わりに受注から発送まで行います。
シェフは作ることだけに専念することが可能です。

思い切った決断、新たな扉

この料金変更は、相当悩みました。構想から半年以上かかってギリギリまでプランを練り、シミュレーションを重ねました。いろんな計算方法や会社経営にとって最適な方法があるとは思います。赤字が続いてシェアキッチンの存続が危ぶまれ、続けられなくなることだけは避けなくてはいけません。

シェフ達が気軽にキッチンに訪れ、使う事でよりよい商品が生まれる。そしてその場所が自分の場所となりキッチンが好きになる。
これらは新しいビジネスや地域と繋がり、貨幣というだけではないカタチで必ず循環してきます。

おくのキッチンをオープンする際には地域や取引先様、関係者の皆様からたくさんのお祝いの品物が届きました。

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これは、シェアキッチンの可能性やこれから広がるシェアキッチンから生まれる繋がりに地域の方たちからの期待とシェフたちの新たな活躍の場作りへの出資だと思うと身が引き締まります。

いただいたお祝いの数々は、これからのシェフ達のために大切に活用させていただきます。

ちょいみせキッチン、おくのキッチン
新しい扉がいま開く

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おくのキッチン、ちょいみせキッチンご利用希望の方
シェアキッチン運営のご相談のお問い合わせは下記にお願いします。

info@coneru.net

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