好きな句を好きなように語るだけ(句友編②)


ダイエットのためにファミマでサラダチキンを買ったそのレジで、気がついたらファミチキ買ってるのなぁぜなぁぜ? どうも、コンフィです。

さて、超低頻度で更新するこちらの第二回です。
今回紹介するのは俳句ポストで天を獲得した事もある実力者、ギルさんの一句です。自己紹介にも書きましたが、私が俳句を始めるきっかけになった人物?鮫?です。ギルさんの句は"油絵の街の鍋焼饂飩かな"や"鍵盤のどこかが今日の月の音"など好きな句が多いですが、今回選んだのはこちらの句です。

雪解や豚骨を折る音重し

です。この句はプレバト句会で3段→4段に昇格した時の一句。それでは今回も語っていきましょう。

句の作りはシンプルですね。上五に季語"雪解"+やを置き、残り12音のフレーズと取り合わせています。

この取り合わせの感覚、絶妙ですよね。雪解の期待感とスープへの期待感も響き合います。特別難しい言葉は使われてないですが、俳句的に言うと距離感が非常に丁度いいです。

今回は2つのポイントに分けます。
①普通、、、なのに、、、
②動詞の選択

①普通、、、なのに、、、

はい、皆さん帰らないでください。これは批判記事じゃないですからね褒めまくるnoteですからね〜〜
まず、この普通という意味ですがこの句、使われている言葉に意外性はあまりありません。豚骨ならそりゃ折るだろうし音もする。イメージとして重さもあるでしょう。

そしてここからは私の尺度の話になります。
確かに一般的には俳句に豚骨を出す事自体が珍しいと思うかもしれませんが、私のラーメンばかり食べてる人生経験上豚骨はありがちとまでは言わないにしてもあ〜あるな〜くらいの感覚でした。

結果私は、この句を"あるある"句として解釈しました。
これは"あるある"句の宿命ですが、"あるある"と"普通"って紙一重なんですよね。この句の凄いところは、あるあるを12音のフレーズに100点の纏め方ができている所です。中七下五の映像喚起力が凄まじく映像のぶれが起こりにくい設計となっています。

ここからは俳句のフィールドです。この最高のフレーズに取り合わさった季語"雪解"がこの一句を200点にも300点にもしてくれます。

自分の中ではこの句は俳句の答えの一つだと思っています。

②動詞の選択

さっき答えとか言っといてまだ言う事あんのかよとお思いの皆様、もう少しだけお付き合いください😅

この句、実は一ヶ所だけ迷ったんですよね。
「折る」か「割る」かです。結論から言うとこれはどちらでも良いが、ニュアンスは変わってくると思います。「折る」は手を使ってその名の通りポキっと折る感じで「割る」はトンカチなどで第1の罅を入れる感じでしょうか。
これはもちろん私の推測ですが、割るより折るなのは髄を引き出す瞬間を意識したのかなと思います。皆様はどう思いますか?

まとめ

今回もここまで見てくださりありがとうございます。今回の句、ギルさんの句の中でも初めて見たと言う人も多い句かもしれません。今回のは良い意味でギルさんっぽくないとは思いまして、というのも私がギルさんの持ち味と考えているダイナミックな発想が抑えめだったように感じました。

ギルワールドを体感したい方は是非ギルさんのXも訪れて見てください。
ギルさん、改めて今回は本当にありがとうございました。

こちらのシリーズは私が心を動かされた句について好き勝手書くものです。次はどなたの句を書く事になるのか、、、、、、

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