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3Dモデリング始めたいけど…という方へ

前回は3Dプリンターで作りたいものがあるけど、何をどう勉強したらいいかわからないという部分、つまり知識的なところでどの辺りを触ればいいのかということについて書きました。今回はプリントするモデルを作るという段階について、3Dモデリングツールの使い方を効率よく学んでいく方法についてです。

もちろん3Dプリント用だけでなく、アバター用、イラスト用などの3Dモデルを作るために…ということには共通ですので、3Dモデリングを始めたいという全ての方に参考になれば幸いです。


どのツールを選べば?

ざっくりと言って、3Dモデリングを行うアプリケーションは図面から組み立てるのに適したCAD系(Fusion360など)、粘土細工のようにモデルを作っていくスカルプト系(ZBrushなど)、ポリゴンモデリング系(Blenderなど)の種類があり、それぞれ向き不向きがあります。

いままで3Dモデリングそのものをしたことがない、という場合はとくに最初に高額のアプリケーションを買うということには二の足を踏みますし、なにより挫折した時に深傷を負ってしまいます。

Blenderは無料である上に、ポリゴンモデリング、スカルプトモデリング、アニメーション、レンダリングと一通り揃っているので、とっかかりとしては最適なのではないかと思います。

最初は何をすれば?

とりあえず基本的な操作を学ぶ必要があるので、YouTubeなどを検索して簡単なモデルを作るチュートリアルを1つやってみるのがいいです…が!

このまま他のチュートリアルをやる前にやるべきことは、

『作りたいものを決める』

です。あなたには今、好きなもの、作りたいものがありますよね! そしてそれを作り始めてしまいましょう。当然まだうまくできないどころか一向に進められないということになるでしょうが、そこが重要です。大事なことは、

『現時点でなにができないかを具体的にして、それを検索する』

ということです。ただ見つけたチュートリアルを続けていくよりも「〇〇する方法が知りたいんだ!」と思って探したチュートリアルをやっていく方が圧倒的に効率が上がります。もう一つ、

『失敗したり、うまくいかなかったものを消さない』

失敗を残しておきましょう。実際には「失敗」ではなく「うまくなる過程」だからです。こんな失敗作、誰かに見られたら恥ずかしいと思ってしまうかもしれませんが、自らネットにアップでもしない限り誰にも見られることはありませんので捨てずに取っておきましょう。実はそれがあなたの財産です。

ユーザーインターフェースは英語

以前の記事でも書きましたが、有益な情報が英語であることはままあることで、英語で検索することをためらっているともったいないです。そのためにアプリケーションのインターフェース言語が日本語に変更できても、英語のままにしておく方がいいことが多いです。

わからないことが何なのか、英語で検索するための単語を覚えることも重要です。「法線」が「Normal」だとか必要に応じて覚えていけばよいと思いますし、実際のところ必要な単語はそれほど多くはないと思います。メニューなどの英単語がわからない場合はそれを検索していけばいいですし、Blenderは英語マニュアルも日本語のマニュアルもオンラインで見られるので、双方を比較しながら意味を覚えることもできると思います。

それによって必要な情報を検索できるようになれるとすれば覚える手間に十分に価値はあります。

同じものを何度も作る

アプリケーションの使い方を覚えるという点でも、自分のスキルを向上させるという点でもいい方法があります。それが

『同じものを何度も作る』
『同じものを違う方法で作る』です。

何度も同じものを作ってみると分かることは、だんだん早くできるようになる、ということでしょう。これは手が作業を覚えていくことで無駄な手間がだんだん省かれていくことによります。知識が定着する、といってもいいでしょう。

「〇〇する方法」などで検索すると、人によっては違う方法が出てくることがあります。

3Dモデリングの過程は正解が1つでなく、同じ結果を得るために複数の方法がある場合が多いです。常に「他の方法でできないかな?」とか「もうちょっと効率よくできないかな?」という思考方法は有益です。知っているアプリケーションの機能の幅を広げることができる上に、それぞれ方法の利点、欠点がわかれば、将来なにか作ろうと思った時の引き出しを増やすことに繋がります。

途中でやめない

「繰り返す」と書きましたが、つまりそれは「最初から最後まで」を繰り返すことです。VRチャット用のアバターをつくるというような場合はデータのアップロードまで、3Dプリント用のモデルを作ろうとするのであればプリントまで、まだ3Dプリンターを買ってないよということであれば、出力用のデータを作るところまで、一通りの流れを最初から最後までやりましょう。

ゴールまでの全ての過程を繰り返すことによって、全体の理解が深まります。一度最後までやってからもう一度同じことをすると、今度は次に何をするかということが見えているので、工程の進め方がだんだんスムーズになっていくと思います。

ほとんどの場合、複数のアプリケーションの間でデータを受け渡しすることになりますので、データの管理方法についても考える必要が出てきます。正解があるわけではないとおもいますが、自分に都合がよく、かつ必要なものが探しやすい方法を工夫していくのが良いと思います。

データの整理といえば

あと、もう一つ意外と重要なのがオブジェクトの名前つけです。アプリケーションでオブジェクトを作ると最初は勝手に「Cube1」だの「Sphere3」だのといった名前がつきますが、このまま進めるとのちのちカオスになります。オブジェクトが数個の場合はまだそれでも問題ないですが、数十個という単位になって名前を変えようとするとかなり面倒な作業になってしまいます。

作業途中でこまめにオブジェクトの名前を意味のあるものに変えていくことをお勧めします。忘れがちで、かつ、かなり重要です。これも正解はないですが、名前の付け方のルールも自分なりに決めていくと良いでしょう。

おわりに

最後にもう一つ。「有料であること」を敵視しないことは重要だと思います。Blenderは本体は無料ですが、アドオンは有料であることが多く、他のアプリケーションも一定期間は無料でつかえるがその後は有料というものや、無料の場合は機能制限があるものなど、いろいろなケースがあります。

Blenderにはとても有益なアドオンがたくさんありますが、はなから「なんだ有料なのか」といって毛嫌いしてしまうのは勿体無いです。モノによっては何時間もの作業や、複雑な作業があっという間にできるというようなアドオンもあり、それが自分の時間を節約できる、目的のものをうまく作れるということであれば、もちろんお財布と相談ではありますが、あなたの最終的な目標達成のために出費を考える価値はあります。

長文になりましたが、モデリング始めたいという方の参考になれば幸いです。

ではまた。

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