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㈱ブランキーイミテーションマーケッツ会社概要  時間旅行者レポート外伝【note de ショート】

うちの社長が愛してやまない90年代ROCK。

1990年代最高の音楽。
インディーズパンクバンドの名前を
いろいろくっつけてそれを社名にした。

ブランキー・ジェット・シティ

ブラッディ・イミテーション・ソサイエティ

そして

マッド・カプセル・マーケッツ

だ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


聞いて驚かないでね。
実はわが社は
ドイツミュンヘンにある
Dimentionzの関連会社なのさ。

そう、あのタイムマシンの。

数年前に買収されちゃった。

日本のちっぽけなベンチャーだった
俺らをね。

買われた時はたった200万円でチャリーン。
でもそれがいまや世界のトップ5に。

俺らの会社㈱B・I・Mはいまや時価総額
5000億ドルの会社になりやんしたぁ。

21世紀にGAFAが世界を席巻したあの時代
さながらの企業規模さ。


でもね22世紀現在。
GAFAはすでにないの。
なんせ競争の激しい現代でしょ!?

淘汰されたり、買収されたり、倒産も・・

そしてこの国、日本もすでに危うい。

中国主導の
「FarEast改造論」

つまり極東アジアを経済的に侵略する
ってことね。

それに日本は完全にノマれた。

頼みのアメリカにしても
20年前のIse-Shimaサミットで
大失態やらかして、もう落日ってわけ。

中国とDimentionz社が
天下を取り走り出した
この22世紀。

でもね、ここ日本にも
ひとり天才がいてさ。

Takumu Yaida
矢井田 拓夢(26)

これがうちの社長の名前。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

社長はなんと

あのミヒャエル・オリバーと
話をしたことがあるらしい。

社長の自慢の一つだ。

Ise-Shimaサミットでの
質疑応答
。社長はあの時子供代表で
参加してたんだって。

ところで
ミヒャエル・オリバーって
もちろん知ってるよね?

そう、医学生でタイムマシン乗った
第一号さん。

有名だもんね。

じゃぁさ、これ知ってる?
最新ニュース。

実はミヒャエル・オリバーは
帰ってこれないかも。

なんでも亜空間乱流が
起こったらしくって
音信が途絶えたらしい。

って。
これはオフレコね。
だってDimentionz社はこれを
隠してるんだ。

それがかれこれ
20年前。

でもさ面白いよね。

その20年間にしても
ついこの間のことに
できちゃうんだもん。

出発した日の19年と364日前
に時間を合わせて戻れればたったの
一日旅行だったことになるからさ。

なんかこの話を社長にすると
いつも機嫌が悪いんだ。

なんでだろうね。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


まぁいいや。

うちの会社が
なんでDimentionz社の
関連会社になったか知ってる?

知らない?あれぇ。
意外と知られてないんだよなぁ。


実はね。

出来たんだよ。

何をって?

ホントに知らないの?


仕方ない。
教えてあげよう。




仮想空間ではない
もう一つのリアルの世界


これだけ、って?
そう、これだけ。

すごくない!?

これでGAFAが
一掃されたんだもん。

仮想がリアルになる。

まずはAmazonを傘下に。

だってリアルだと倉庫代
高くない?

んで「物流コスト」
「家賃コスト」って餌あげたらさ
なついちゃったもんで。

うちら無限に土地あるから
ほら、仮想だけどリアルだし。

Appleを追いやってやった

何度も言うけど
App Store っていらないの。
家賃不要ですんで、うちのサービス。
リアルに店出せるしね。

登録さえすれば
好きな場所でどんな店を
構えてもらってOKっす。

Google買収に難航してるっす・・・

この会社とは業務提携が難航中。

そもそもGoogleは検索サービス会社って
思っている人いるけど

そもそもは広告業だね。
俺たちと組めば魅力的なんだけどなぁ。

俺たち㈱BIMのビジネスは
なんといっても不動産業。

無限に広がる土地を
安く貸したり売ったり
して巨万の富を得ている。

リアルの不動産屋は廃業。
駐車場で生計立ててた大家さんも
家賃収入が入ってこなくなって
コレまた廃業。

俺たちの時代さ。

でもGoogleさん買収話は難航中。

あとは、なんだっけ?
まぁいいや。

何にせよ仮想はリアルには
勝てない。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

むかし。

うちの社長が
亜空間を自力で切り拓いたんだ。

そこから俺たちの会社が生まれたんでやんす。

大学の研究中に起こった出来事が全てだった。

Dimentionz社ハーバー博士の
論文を毎日24時間、読み漁っていた
当時大学院生だった社長は

夢見心地にいきなり
天啓を聞いたらしいんだ。

そして
「あぁ、これで開くぞぉ!!」って
大声で叫んだんだと。

何のことかさっぱり分からない
他の研究員は驚いたけど
次の瞬間さらに度肝を
ぬかされたんだ。


だって
空間に小さい穴が開いてるんだもの。

そりゃビビるわな。

特殊ガラスで立方体に密閉した
空間に電流を流し込む。
そうしたら浮かび上がってきたのが

小さな小さな穴だったんだ。


最初その穴は小さすぎた。
それに小さすぎたし真っ暗だったから
なにも見えなかったんだ。

でも世にいうそれが
「亜空間」への入り口だとわかるまで
そんなに時間がかからなかった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

何とか空間を広げたい。

どうすればいいか、
そこまでは分からなかった。


その時ちょうど
研究室にやってきた
同僚研究員がイヤホンから
大音量で聞いていた
音楽を漏らしてしまった。

その研究員。
社長の当時のバンド仲間であり
うちの現副社長だ。

その時だった。

その穴が揺れ始めたんだ。

グニャングニャンと
揺れ始めて、その振動が
大きくなった。

そこにまた運よく居合わせた
女子研究員が弁当の箸を
その穴にぶっ刺した。

それを綿菓子のようにして
徐々に広げていったんだ。

簡単だろ?
奇跡は時としてハシ一本で
開くことが出来るもん
なんだよ。

やっとヒトが一人入れるだけの
大きさになったとき、うちの社長は
その穴に我先に入って行った
らしい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

To Be Continued!!

こちらが本流
時間旅行者レポートです。





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