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鼻先を高くする為に使われる材料の種類とメリットデメリット

韓国人を始めとしたアジア人の鼻整形の80%以上は鼻を高くする手術が占めています。
低い鼻を高める為には所謂プロテーゼが必要となります。
鼻筋を高めるにはシリコンのようなプロテーゼを使用しますが、鼻先を高める時は自然な効果とプロテーゼが鼻先を突き破り飛び出てくる副作用を防ぐ為に自家軟骨を使用する事になります。

今回は鼻先を高める軟骨には何があり、またどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきたいと思います。

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私達の鼻を触ってみると、とてもプニプニしています。
これは鼻先が軟骨で成り立っているためです。
軟骨を簡単に言えば‘ブヨブヨした骨’です。ですので柔らかく、曲げてもまた伸びる性質を持っています。
鼻先が軟骨(ブヨブヨした骨)で成り立っていると、鼻先を高める材料もやはり軟骨(ブヨブヨした骨)を使用する事が理想的です。

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私達の身体には軟骨で成り立っている部分が非常に多く、ほぼ全ての関節に軟骨があります。

一方整形手術で利用する事が出来るくらいの量を採取するには、一部が無くても生きていく上で大きな支障が無い軟骨が必要です。

よって医者達が選択した軟骨は鼻中隔軟骨、耳軟骨、肋軟骨です。
しかしこのような軟骨もそれぞれの位置で必須的な役割を果たす為、必ず適当量の軟骨のみ採取しなければなりません。

手術に必要な軟骨は全て適当量のみ採取しなければなりません。
過度に多く採取した場合、供与部(軟骨を採った部位)の歪み、形の変化など副作用が生じる事があります。

手術をする先生ごとに好む軟骨が異なり、また手術方法に少しずつ違いがあります。
それぞれのメリット・デメリットをかなり簡略してまとめてみると次の通りになります。

【耳軟骨】
メリット>採取が簡便だ。
デメリット>元々の形が丸く支持力が弱いため、鼻中隔延長術には不適切だ。
【鼻中隔軟骨】
メリット>元々の形が真っ直ぐで曲がらない。
デメリット>鼻中隔湾曲症がある場合、使うことが難しい。
【自家肋軟骨】
メリット>最も強力な鼻中隔延長術が可能。
デメリット>Warpingが生じる事があり、胸に切開した傷跡が残る。
【寄贈肋軟骨】
メリット>自家肋軟骨と似ていながら使用が簡便で、胸に切開の傷跡が無い。
デメリット>寄贈者の状態により石灰化など軟骨の状態が異なる事がある。

それぞれの材料のメリットデメリットにより、使用される部位と状況が少しずつ異なります。
患者の状態、手術後希望した鼻の高さと形や患者の好み、また最後には手術する医者の好みにより使う材料が異なって使用されます。

耳軟骨 Ear cartilage

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耳は非常に柔らかくプニプニしています。
手で曲げても弾力によりすぐに元々の形に戻ります。
ですので耳軟骨の様に弾力がある軟骨は組織学的に’弾性軟骨 Ear cartilage’として分類します。
耳を形取る耳軟骨は音を集める役割をします。
耳の形を作る外側の軟骨の代わりに、耳の穴の入り口に位置した窪んだ部位は採取しても聴力機能に問題を及ぼす事はありません。

窪んだ部位から採取した耳軟骨はその形をそのまま維持するのでI字型に伸びません。
ですので鼻先を上げる鼻中隔延長術の様な支持台として使う場合、時間が経つにつれて丸まって低くなる事があります。
これを防ぐ為、軟骨膜を一緒に含め耳軟骨を使用したり両側に重ねて使ったりすると、手術時もう少し強力な力を得る事が出来ます。
しかし、それにも関わらず鼻中隔に比べて鼻先を支える力が弱くなっています。

上記の様な理由で鼻中隔軟骨が足りない場合、耳軟骨を補助的に追加で使用する場合が多いです。

鼻中隔軟骨 Septal Cartilage

私達の鼻の穴は2つありますよね?

鼻の穴両方に指を入れ真ん中を触ってみると、丈夫でありながらも左右に曲がる軟骨が触れると思います。
これがすなわち鼻中隔軟骨です。

一方耳鼻咽喉科的に鼻中隔湾曲症という病気があります。
これは鼻の穴の内側を左右に分ける鼻中隔軟骨が一方に歪む場合、一方の鼻の穴の空気の通り道が狭くなり呼吸がしにくくなる病気の事を言います。

ですので鼻中隔湾曲症の矯正術は歪んだ鼻中隔軟骨を矯正、改善させる手術となります。

一方このように除去した鼻中隔軟骨が鼻先を高める美容鼻整形にとても良い材料として使用されています。

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鼻中隔軟骨は耳軟骨に比べ、強度も高く元々の形がI字型で真っ直ぐな為、鼻中隔自体を延長するのに非常に適しています。
人によって採取出来る鼻中隔の量は少しずつ違います。しかし原則として耳軟骨より十分な量を得る事が出来る方になっています。
このように採取した鼻中隔軟骨は鼻先を高める’鼻中隔延長術’に主に使用されます。

しかし鼻中隔湾曲症が酷い場合には採取した鼻中隔軟骨自体が歪んでいる場合が多いです。
このような時は歪んでいない所に重ねたり、またはC字型、S字型に歪んだ場合には彫刻を合わせるみたいに屈曲の反対になるよう重ねたりもしますが使用が難しい場合がたまにあります。

また鼻中隔の厚さと強度も人によって千差万別なので、もし採取した鼻中隔がかなり弱い場合は支える力も弱くなる事がございます。
このような場合には追加で寄贈肋軟骨を使用し、より丈夫でありながらも歪まないように鼻先の整形をする事が出来ます。

自家肋軟骨 Costal Cartilage

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最後に最も代表的に使われる軟骨は’肋軟骨’です。

肋軟骨はあばら骨と胸骨の間を繋ぐ軟骨を意味します。

人は総12本のあばら骨を持っています。
図のように1番~8番は胸骨に軟骨を通してくっついていますが9番~12番は離れている特徴があります。
鼻中隔延長術や鼻筋に使用する場合には5番、7番、8番の軟骨を採取します。
自家肋軟骨は鼻先を上げるのに使用出来る最も強力な軟骨です。
初手術から使用する事もありますが大概3回目、4回目の再手術や炎症による拘縮鼻の矯正術に患者と話し合い選択的に使用されます。
鼻の初手術でもより確実な支持力、そして派手な鼻の形を作る為に肋軟骨を使用する事もあります。

しかし個人的には最初から肋軟骨を使用する際は慎重にならなければならないと思っています。

メリットが明らかな肋軟骨ですが胸に傷跡が残るだけでなく、時間が経つにつれ軟骨が一方に巻かれて歪む ワーピング (warping)現象が生じる事がある為です。

他の自家軟骨である耳軟骨や鼻中隔軟骨に対比して最後の選択しとして残しておく事が安全だと思います。
もちろん鼻整形を一回で終わらせる事が良いですが、炎症や拘縮のような副作用が生じる可能性があるため、これに備える為の選択肢を念頭に置きながら手術する事が執刀医の責任だと思います。

寄贈肋軟骨 IHCC ; Irradiated homologous costal cartilage

一方肋軟骨の様に強力な鼻を高める効果を希望するが、胸に傷跡を残したくない方の為に選択出来る材料が寄贈肋軟骨です。

名前から分かるように’寄贈を受けた肋軟骨’です。
寄贈死体から採取した胸の軟骨を、浸透圧を利用し細胞膜の破壊、タンパク質の変性、放射線の調査など製造過程を経て全ての細胞及び細菌、ウイルスなどを破壊し抗原性を除去した製品です。

鼻手術の領域で寄贈肋軟骨の使用は既に1961年から多くの研究報告がされて来た程、歴史が60年は超える安全な材料となっています。

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