老醜 → 老害

結局、プーチンさんの軍事侵攻が始まってしまった。
周囲の提言・箴言に一切耳を傾けない、というのは老害の典型かも知れない。しかも絶対権力だからなぁ。

最近のニュース報道を見たら、クリミア半島以前にも似たようなことをやっていたらしい。さすが元KGB。私自身、プーチンさんの「表の顔」にすっかり騙されていた気がする。顔の使い分けが上手いんだろうなぁ。ってか、私に人を見る目がないだけか。

誰がどう見ても「軍事力による国境の変更」で、経済制裁は不可避、ということになるんだろうか。「ドネツク人民共和国」とか「ルガンスク人民共和国」とかが実質的に「ロシアの一部」として、「ロシア軍の駐留によって治安が維持」されていたりするなら、それらウクライナの一部も、経済制裁の対象になるんだろう。イランに対する経済制裁並みに、長引くような気がする。というよりも、イランの場合には、「経済制裁」するべき根拠がないような気がするが、根拠がなくてもあの「長期間」なのだから、根拠のあるロシアの場合には、21世紀初頭の明確な「ロシア侵攻前」の原状回復がなされない限り、対ロシア、対ドネツクなどの経済制裁は解除されない気がする。
ウクライナは「鉱物資源が豊かな地域(ソ連の一部)」だと、大昔、何かで読んだ気がしたので、ググった。その辺が目的なんだろうか。もし、ロシアが「国際社会は、鉱物資源欲しさに、強硬な経済制裁はできない」と思っているとしたら大間違いで、おそらく、それでも世界からの切り離しは起きると思う。何故ならば、「武力・軍事力」による国境変更を抑止しようとした際に、ほぼ唯一と言っていい「手段」は「経済封鎖」だから、と私は考える。
「新冷戦」の口火が切られた感じかも知れない。プーチンさんの「偉大」な足跡、ってことになるんだろうなぁ。

そもそも、ご本人が考える「偉大」さを、周囲が受け入れないケースは少なくない気がする。
ラジオ番組で、確か、三遊亭鬼丸師匠の番組だったか、どこかの会社の会長さんが、まだご本人が生きているのに自分の等身大の銅像を建てさせた、なんていう話が流れていて、その話題をラジオに投稿した方も、「偉大なる老人」をど〜ゆ〜目で見ていたか、想像に難くない。落語家の三遊亭鬼丸師匠が、その「偉大なるご老人」をどういう切り口で捌いたか、思い出せないのだけれども。(残念!)そういうことを平気でやってしまうのが、やっぱり老醜の一言だという気がする。プーチンさん、「クリミア半島併合」だとか「南東部ドネツク併合」なんていうのを、ご自身の「銅像」として残したかったんだろうなぁ。それで失われる人命があるとしたら、悲劇以外の何者でもない。老醜を超えて老害だと思う。

なんて書いているけれども、年齢で言ったらバイデンさんの方が10歳は歳上。だけれど、バイデンさんには、こうした「老醜」感が感じられない。そもそもが、好好爺と老醜の分岐点はどこにあるんだろうか、なんて話題を、本気で考えてしまう年齢になってしまっている自分。やっぱり、「視野狭窄」が原因なのかなぁ。
もしかしたら、やっぱりプーチンさんはプーチンさんで、元KGBの切れ者ですら老いるとこうした視野狭窄を起こす、ということなんだろうか。2013年にリュドミラさんと離婚したとあるけれども、クリミア半島併合は2014年。遡って、「プーチンさんが変わった」ことを一番身近にいた人が最もよく理解していたのかも知れない。

それにしても・・・と思う。
日本語訳のニュース記事、だけれども、「ドネツク人民共和国」とか「ルガンスク人民共和国」という名称を見て、思わず吹き出しそうになった。
およそ、「人民」による統治とか、「共和制」に程遠い国ほど、国名に「人民共和国」をつけている気がして。せめて国名だけでも、ということなんだろうか。どこかの国、なんて、誰がどう見ても「専制的な独裁統治」なのに、国名を見ると「民主主義」「人民」「共和国」と三つも列挙している。統治の実態は国名に反比例する、ってか?

せっかくだから、ロシアも「ロシア民主主義人民共和国」に国名を変えたらいいのに。

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