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入道雲、積乱雲の夏終わる

異常な夏、連日の猛暑日が生んだ雲模様

 2023年も8月31日となり暦の上の夏は終わった。日本各地で最高気温が連日35度を超える異常な猛暑の夏、猛暑とともに空も異常な空だった。ほぼ毎日のように入道雲が現れ、積乱雲に発達する。積乱雲の上部が空全体に広がり夕方は日没後も赤い雲に覆われることもあった。
 

入道雲から積乱雲に変化

 夏といえば入道雲。いつも夏の空に出現しているというイメージは強いが、実際はいつでも見ることができるわけではない。気象条件が合わないとみることはできない。
 雲は大きく10の形に分類され、「10種雲形」と呼ばれる。入道雲はこの中では積雲にジャンル分けされる。小さな綿雲も積雲だし入道雲も積雲。積雲の中で上部が大きく発達した雄大積雲が入道雲だ。
 上向きの風、上昇気流が起こりこの流れに乗って発達していくのが雄大積雲。高さは数千メートルにもなる。そしてこの雄大積雲がさらに発達して高くなり上部が横に広がっていくのが積乱雲だ。積乱雲は10種雲形の一つだ。
 夏の猛暑は雄大積雲や積乱雲が生まれるための上昇気流を生み出す。熱い空気と直射日光で地表が暖められ空気が上がっていく。山があると斜面に沿ってさらに上昇し入道雲となる。
 北陸地方は太平洋側の台風などでフェーン現象が発生することも多く気温が高くなった。全国で一番の高温を記録する日も何度かあった。


8月はより雄大に

 家のベランダからは午後になると決まって入道雲が見えた。ほぼ同じような場所から現れる。その方向には福井県と石川県の境界付近の山々がある。午後はムクムクと沸き立つような雲だが夕方が近づくと上部は大きく毛羽だって広がり積乱雲になる。稲光が見えたり雷鳴が聞こえたりすることも多かったが不思議に夕立はなかった。7月も美しい入道雲は多かったが、毎日猛暑日となった8月は立秋を過ぎ、暑さが止まるという二十四節気の処暑を過ぎても空のエネルギーを感じるより雄大な雲が多く、夕方には赤い乳房雲も現れた。
 毎日空の写真を撮っていると今日はどんな入道雲に出会えるのか楽しみだったが、8月の終わりになると急に入道雲が減ってきた。巻雲や巻積雲が出てきて積雲も小さな流れ雲となった。午後は雲のない日も出てきた。
 最高気温は35度を超える夏日になっても入道雲や積乱雲にはならない。朝晩は少し気温が下がり、太陽の角度も低くなり直射日光の強さが減ってきて地表が暖かくならないのだろう。空は確実に秋に向かっていることを感じる8月の終わりだった。




写真・7月の雲

写真・8月の雲


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