見出し画像

『なつぞら』考 子をもつ覚悟ってそんなにもか ~8/16記ス

えぐる! えぐるわ~、今週の『なつぞら』。

マイペースな性格を描かれてきた女性社員・茜(渡辺麻友)が、妊娠すると職場に非常に気兼ねするようになる。
薬が飲めないので長引く風邪の容態をなつが心配すると、「あまり騒がないで、働きづらくなるから」と言う。

同僚たちは心配よりも先に「休まれると間に合わない」と仕事の状況が気になってしまう。
会社側は、出産後は社員ではなく作画一枚いくらの「契約」(←あくまで請負契約であって、契約社員ですらない)になるよう迫る。
最初は憤慨する茜だが、実際に子どもが生まれると「やめてよかったわ。この子を置いて会社に行くなんて考えられないもの」と変節。

同僚男性は、最初から結婚したら辞めるつもりだった自分の妻について「良妻賢母タイプだから」と語る。

やがて自分も妊娠したことを知るなつ。

「わかったときは、自分でも信じられないくらいうれしかった。でもどうするの? 私は仕事を辞めるわけにはいかない。辞めたくない」

赤ちゃんができても手放しで喜べないということ😞
そこで夫・坂場イッキュウの返答、よかったわ~。

「産むと覚悟を決めて一緒に考えよう」

きれいごとのようだけど、まっすぐにそう言ってくれる夫。しかも坂場は言行一致のキャラクターだから、頼もしい。

子どもを産んで生活を立てていくことにそれほどの覚悟が必要な世の中ってどうなんだろう? と思うのだけれど、2019年ですら同じハードルが立ちはだかることは少なくないのよね。
(ドラマは今、1960年代後半です。50年前か…)

中川大志くんは21歳で、実生活では結婚とか子どもが生まれるとかまだ遠い話だろうに、こういうセリフが浮かないのがすばらしい。

 
ところで。
こういうときにTwitterの朝ドラタグには本当に残念な感想が躍るもので、今日もやはり
「じゃあ避妊しとけよ」
「無計画すぎる」
などの意見が出るわ出るわ。発言主の多くは女性だったりするんだよね、これが。

私がジェンダーに深く関心を持つようになったのは、半分は自主企画「ママじゃない私ポートレート」でママたちにインタビューをして、個人の声の背後に社会構造を感じるようになったから。

もう半分はこのように、朝ドラが好きすぎるあまりに(笑)SNSの朝ドラタグまで食い入っているうちに、そこに見える人々の根強い旧来的な規範意識がイヤんなっちゃったからなのです。

昨日までの、亜矢美(山口智子)と咲太郎(岡田将生)の生々しい顛末もよかった!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?