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「光る君へ」メモ 第12回「思いの果て」恋は人をエゴイストにするね

作劇うまい!史実を知っていようがいまいが、実資がまひろのお婿候補になるなんて、誰が想像したでしょう。まさかの、「柄本佑か・ロバート秋山か」という選択(笑)。あのセクシー画像は佐々木蔵之介からの貢ぎ物ということでよろしいか?

「日記に書きなさいよ」を連発してたさばけた妻さん好きだったけど、亡くなったのかー

道長からの申し出に、嬉々として政略結婚を進める父・兼家。仕事が早い!
摂政になり、左大臣と地位が逆転している。兼家の家と縁戚になるなんて気が進まない左大臣だが、そこで機を逸さず精魂込めた泣き落としに出る倫子さま!
まさかの、「道長か・一生、猫だけか」の選択(笑)。

腹違いの兄、上地雄輔から、妾の立場のつらさを聞かされる道長。前回、「妾になってくれ」というプロポーズを、なぜまひろが「耐えられない」と激しく拒んだのか、やっと少し理解した‥‥

‥‥のはいいんだけど、手紙を書いて女を呼びつけといて、「左大臣の一の姫に婿入りすることにした」と言いながら、
(妾でもいいと言ってくれ‥‥!)
って心の声、いいねいいね、恋は人をエゴイストにするね。

ショックを受けながらも「倫子さまはおおらかですばらしいお姫様です」と言うまひろ。
少し前に、まひろをサポートして床の板目を見立てるシーンがあったのが効いてる。こういうとこ、ほんとうまい脚本。

まひろと倫子はお互いをリスペクトしてるんだよね。
倫子は「身分の壁」というラインははっきり引くんだけど、それは彼女の(というかほとんどの人間の)限界であり、かつ、それをごまかさない誠実さともいえる。

まひろに振られた気分になって、その足で倫子を訪ねる道長。そうですよ、ただ一度の手紙すら寄越さずいきなり夜這いだなんて、非常識にもほどがありますよ。
しかし、御簾をそっと開いて隙間から入ってくる道長のエロスとんでもなかったですね!
平安時代大河の醍醐味。

「おそばに寄ってもいいですか」=御簾の内側に入るに無言のOKを出したことで、双方の合意が成立するのが平安貴族。とはいえ、アイスブレイクのひとつもなくにじり寄って手を握る道長‥‥

 息子13歳「ちょ待てや」
 私 「いきなりかい!」
‥‥と思ったら、恥ずかしくてたまらないというようにうつむいていた倫子さまのほうから抱きついたー!
 私 「倫子さま、その気になってた!」
 息子13歳「なら、良いたい」

はぁぁぁー、それでも道長の頭の中は多分にまひろが占めていたはずで、罪な男よのう‥‥恋は人をエゴイストにさせるね(再)。

庚申待の徹夜が大河ドラマで描かれるのは初めてかな? 
まひろの家は、お父さんもまひろも弟も、みんな優しい人間で良いよね。まひろの弟に手紙を託したものの、たいそう心配げに何度も振り返る道長の従者、相変わらず良い味出してる(笑)
そして、その期待を裏切らず、先に手紙を開封してしまう惟規(高杉真宙)。

 息子13歳「ちょ待てや」「それ一番やったらいかんことやろが」

でも、傷ついて帰ってきたまひろを見て、何も聞かずに「飲みなよ」って、優しかった。最期まで高倉の女の世話をしたお父さん(岸谷五朗)も。

この回の冒頭は、死期が近づいてきたので得度を受けていた(簡易的な出家みたいな)んですね。こうすると極楽浄土に行けるとされていました。

詮子お姉さんのあけすけな話し方が好き。2回くらい前のシーンすごく良かった。

「寝ずに心配する子どもらさえ偽って、気を失ったふりをし続けるって恐ろしすぎない?」
「父上のやり方を疑わない道隆の兄上も、父上の手先になってうれしそうな道兼の兄上も最悪ね」
と、的確な人物批評で視聴者を代弁しつつ、
「やすひとを託せるのはおまえだけよ。いずれわかるであろう、己の宿命が。‥‥なんて、父上のような言い方をしてしまったわ。いけないいけない。ふふふ(笑)」
っておもしろい(笑)。

そんな彼女も息子を抑圧している。
前回、即位を前にした息子に覚悟を促すシーン胸が痛かった。まだ元服もしていない少年が、お母さんの言葉にきちんと返事をしながらも、一言ごとにしおれていくところ。

道長の覚醒に焦る町田啓太演じる公任。
その父の太政大臣、「3兄弟の中なら道兼を頼れ」って人を見る目までない。
次回、定子さま登場だー!!!

2024.3.30 wrote


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