料理レシピ本大賞0

今年の料理レシピ本大賞

今年で6回目
先日、「料理レシピ本大賞」の受賞発表会にお招きいただき出席してきました。出版業界は不況で本が売れないのは周知の事実です。業界でもいろんな試みをしてなんとか本を売ろうとしています。書店が主導の「本屋大賞」は世間的にかなり知られているかと思います。「料理レシピ本大賞」も今年で6回目と歴史は浅いですが、レシピ本を出している出版社、書店ではかなり広がっているようです。
受賞発表会の会場(東京ドームホテル)には受賞者、出版社、書店など出版関係者などが多数集まっていました。何人くらいいただろう。200人はいたかな。女性が多い印象です。
18時から始まった式では、主催者の挨拶に続いて、各賞の発表がありました。プレゼンターは、賞のアンバサダーをつとめるキャイ~ン天野ひろゆきです。「料理部門大賞」「お菓子部門大賞」「料理部門絵本賞」「料理部門エッセイ賞」「料理部門エッセイ賞」「料理部門コミック賞」「料理部門入賞」「審査員特別賞」の各賞が発表されました。

大賞ははらぺこグリズリー
すでにご存じかと思いますが、「料理部門大賞」ははらぺこグリズリーの『世界一美味しい手抜きごはん』です。はらぺこグリズリーは2017年に『『世界一美味しい煮卵の作り方』で大賞を受賞しているので、2回目の大賞受賞です(これ、快挙かな)。ちなみにはらぺこグリズリーさんはプロフィールなどパーソナルなことを公開されていないようで、受賞式でも顔は隠されていました(会場内ではバレバレでしたが)。
お菓子部門の大賞は『世界一親切な 大好き!家おやつ』。著者は藤原美樹。この方、料理レシピ本関係者では「みきママ」として有名みたいです。知りませんでした。受賞式ではほぼタレントのような感じでした。注目したのは審査員特別賞の宮下奈都の『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』直木賞候補にもなっている作家ですが、本作はエッセイです。『太陽のパスタ、豆のスープ』では料理にまつわる話題で物語を書いていました。きっと料理好きなんですね。福井にお住まいですが、「料理家さんに会いたくて」と受賞式に登壇されていました。
「料理レシピ本大賞 受賞作品」

料理レシピ本大賞1

料理レシピ本大賞2

世界一がブーム
料理部門、お菓子部門ともタイトルには世界一が入っています。『世界一美味しい手抜きごはん』、『世界一親切な 大好き!家おやつ』です。世界一の認定基準はレシピ本の中にはないようです。先に「世界一」を使ったもの勝ち、という感じでしょうか。インパクトのある表現ですが、ちょっと安易かな、とも思います。
上記のリンクで受賞作品をみていただくとわかりますが、全体的には「手抜き」「時短」「健康」が傾向でしょうか。受賞作の中では土井善晴の『土井善晴の素材のレシピ』が正統なレシピ本という感じ(これもテレビテキストの編集ものですが)。
料理レシピ本の今がわかる「料理レシピ本大賞」ではあります。

ご支援いただきましたら、店で販売する本の仕入れに使わせていただきます。よろしくお願いいたします。