きょうの料理

週3回放送では「きょうの料理」ではない

こっそり週3回に
先日、NHK「きょうの料理」のテキストをみていて気付きました。
「放送が週3回になっている」
この番組は仕事の参考にするため、番組は録画しテキストも購入しています。5月の半ば過ぎに発見するなんで、ちょっと間抜け。テキストの目次に、
「2019年4月より本放送が月~水曜になりました」
 と小さく書いてありました。
10日ほど前に同じNHK朝ドラが、週6日から5日に短縮することが検討されているとメディアで報じられました。朝ドラの放送回数の短縮は報じられても、「きょうの料理」の週3回への移行は報じられた気配はありません。
「きょうの料理」は1957年11月に放送開始され、今年は62年目。1961年に始まった朝ドラより長い歴史を持つ長寿番組です。放送開始時には週6日、1回10分の生放送でした(2018年開催のシンポジウム「『きょうの料理』60年の歴史とこれから」による)。

なぜ、回数が減ったのか 
それがいつの頃からか週5日になり、週4日になり、そして週3日になってしまいました。週3日の放送で「きょうの料理」と言えるのか。言えないでしょう。番組名に偽りありです。「きょうの料理」は夜9時からEテレで本放送があり、翌日Eテレと総合で午前中に再放送されます。25分の放送枠です。それに続き「きょうの料理ビギナーズ」が5分枠で放送されます。4月からの改編で「きょうの料理」とあわせ「きょうの料理ビギナーズ」も週3回になっています(正確に言うと金曜の午前中に再放送枠が組まれています)。
なぜ、週3回に減ったのか。推測でしかありませんが、視聴率の低下から判断されたのではないかと。今の時代、25分枠の料理番組を見る視聴者は減っているのでは、と思います。一方で放送枠が10分(CMが入るため正味は10分以下)の日テレ系の「3分クッキング」は週6回のまま継続されています。

ここも「働き方改革」か?
もう一つ推測されるのは、番組制作の負担。朝ドラの回数削減の際、「働き方改革」の影響であると報じたメディアがありました。「きょうの料理」も同様の理由からか。うちのレンタルキッチンでテレビ番組の収録に使っていただくことがあります。主にバラエティー系番組の料理シーンの撮影です。この収録の際、10時間ほどかけて撮影され、実際オンエアされるのは正味10分、20分ほど、ということはよくあります。テレビ番組での料理シーン収録は(素人にとって)想像外に時間がかかるもののようです。
週3回の放送になり、番組編成も変わりました。3月までの週4回の時にレギュラー枠を持っていた栗原はるみ、土井善晴、大原千鶴は毎月番組に登場しなくなりました。一方で前沢リカ、高谷亜由、近藤幸子、どいちなつなどの(比較的若手の)料理家を登用しています。また、6月第1週の3日間は人気料理家のワタナベマキが登場します。NHKも模索しているようです。
これからの「きょうの料理」がどのように内容を変化させていくのか。ちょっと注目しています。

2019年5月31日 クック・バイ・ブック 上村武男

ご支援いただきましたら、店で販売する本の仕入れに使わせていただきます。よろしくお願いいたします。