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第3回THE NEW COOL NOTER賞エッセイ部門~8/24講評

第3回THE NEW COOL NOTER賞エッセイ部門へご参加いただいている皆様。

8月エッセイ部門の授賞まで、残り一週間となりました。
第3回THE NEW COOL NOTER賞では、毎月部門を変えてコンテストを行い、12月に各部門の最優秀作の発表と最終授賞を行います。

本日は、3つ講評を掲載させていただきます。

また9月の「食育・子育て・おいしいもの」部門では、こんな記事を応募いただきたいという、審査委員3名とみこちゃんからの寄稿をいただいた後、2日間で応募記事数が倍増しています。

7月、8月にご参加いただいた方でも、別の記事で参加が可能ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

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<講評(ゼロの紙さん)>

8月15日が訪れるたびに、私たちが
目にする戦争体験の映像や話は、
私たちの眼や耳や心にざらっと
した手触りのものを残してゆきます。

なおみさんは、ご自身のお祖母様の
ご体験をためらいながらも短い言葉で
端的に表現されています。

行間を空けながら、語られるその思いの
言葉には飾ることのない切実な思いが
綴られています。

あの頃もう少し話を聞くべきだった
かもしれない、と。
でも、話を聞くということはふたたび
大切なお祖母様の傷に直に触れてしまう
ことだったのではないかと逡巡されます。

なおみさんのやさしい心が、このエッセイに
こめられていることで、寄り添う時間が
読む人にも訪れているのではないでしょうか。

このエッセイに寄り添う時間は、ひとり
ひとりが戦争を思う時間につながって
ゆくようです。

一瞬一瞬を大切に生きることが、
なおみさんのお祖母様や戦争で傷ついた
方々への恩送りになるのではないかと。

戴いた命のつながりをかけがえのない血縁を
通して感じる瞬間。

いのちの輝きに満ちた草花の画像をとおして
一層の生命の響きが聞こえてきそうです。

なおみさん、大切な日から眼をそらさずに
誠実なこころで描かれたエッセイをお寄せ
いただきましてありがとうございました。

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<講評(洋介さん)>

妙齢の叔母と姪の淡い思い出
思い出は薄紫の藤の花に彩られる。

二人の散歩の景色は
イチゴのアイスと公園の藤棚
手を繋いで歩く優しい記憶。

藤棚の緑陰の涼しさと、
甘酸っぱい花とイチゴの香り
妙齢の女性特有の心地よい
香りがゆーさんを包み込む。

明日も散歩をしたい
ゆーさんへの優しい気持ち
二人で見上げる藤の花。

とても良い香りの中
ずっとこのままでいたい
そう思う瞬間が二人を包む。

帰り道の公園を
ゆっくりと一周する。

幸せなひとときと笑顔の時間
季節が来て蘇る優しい記憶。

葡萄みたいねと笑う叔母
藤の花のように良い香りがした。

叔母との優しい時間と記憶
ゆーさんは今も忘れられない
優しい記憶を季節と共に辿り歩く。

大切な幸せの記憶を胸に
藤の花と香りに逢いに行く。

年年歳歳花相似たり、
年々歳々人同じからず
散歩をする青い空に
優しい記憶と笑顔が蘇る。

ゆーさん、
美しいエッセイを
ありがとうございます。

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<講評(ヒロさん)>

こんなエッセイを読みたかった 書いてみたかった 、なんて思う方が自分の他にも多いのではないだろうか。

数十年ぶりに受けた 友からの突然の連絡に、用件を想像し 邪推すらしてしまう。
よくないことを先に浮かべるのは 相手を悪く思わないようにする 自己に対しての防衛、意識操作なのでしょう。


導入は 誰にでも思い当たりそうな静かな語り。

プロローグを下地に仕舞ったまま、青春時代の1ページが綴られていきます。

文章がとても美しく、小説を読んでいるように 物語を楽しんでいるように、錯覚して引き込まれていきます。

読まれた方それぞれの幼少時分 、学生時代の思い出を刺激することでしょう。

子供のころのイジメの風景 、すねの傷として苦い記憶が残っているものです。
なんの感想も振り返りもない という方はごくごく少数ではないでしょうか。
「貴方は楽しむことを知らない人ね」 こんなオシャレな言い回しをする同級生であれば いま何をしているのか気にかかるのも当然だろうと思いました。

noteで知った方を あるときから見かけなくなる 寂しさのようなものを核とした複雑な心情が文字化されていたことも とても嬉しかったです。

ブラジルのクリスマスは夏 、このワードを今年もこれから目にすることでしょう。

そのたびに、或る少女の風景と このnoteが思い出されます。

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*講評は分担制としているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。

全体の募集要項はこちら

食育・子育て・おいしいもの部門募集要項はこちら

応募作品はこちらのマガジンに収録されます。
 他の参加者様の作品もお読みいただき、ぜひ、当コンテストを通して新しく知り合い、また仲良くなった、との声をお聞かせください! 皆様の縁がつながるコンテストでありたく思います。

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