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第3回THE NEW COOL NOTER賞文芸部門~7/19講評

第3回THE NEW COOL NOTER賞文芸部門へご参加いただいている皆様。

7月のコンテストは、月末の授賞発表に向けて審査を活発化させています。
また、8月コンテストの先行募集もすでに始まっているため、ふるってご応募いただければと思います。

本日は、洋介委員長とヒロさん、赤星先生より計4作品講評を受け取っています。

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<講評(洋介さん)>

挫折だらけの人生
生きることは心を削ること
削って心を丸くすること
繰り返し繰り返し練習する日々

毎日ただ走っても何も見えない
望みをもって決めた場所へ
淡々と己を磨いて進んでゆく
叶うと信じると叶うものなんだ

夜空に月はいつもある
月の光はいつもある
此処では無い何処かなんか無い世界
静かに眠りにつくと浅き夢みる。

色覚多様性で
航空宇宙工学科を断念しました。
一休さんも何かあったのでしょう。
意識の高みに登れば
宇宙から地球が見える。
生きて心を丸くしていくと
地球みたいなのが見えます。
素敵な詩と心を有難うございます。

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<講評(洋介さん)>

7。
水羊羹を比喩で描く詩の心
さっぱりとなめらかな夏
ひんやりと小豆色の甘味
美味しいって幸せですね。

8。
黒いパレットに色彩が広がる
いくつもの花の彩り
黄色に紅に緑に椰子の実
九つの色は夜空に咲いた花火。

言葉を選んで
言葉の力を効かせてます。
言葉が
想像力を膨らませ映像をつくる。
カヲルさんは
詩の本質を掴んでいます。
愛らしい
素敵な詩を有難うございます。

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<講評(ヒロさん)

騙される快感。

二度だまされることで読み物の楽しさが一層増し、嬉しさも加わりました。


静かに読み進めた前半に、潜ませてあるはずの伏線を探すよう再読を促されます。

限定する語句を自然に逃がすように 、読者が勝手に想像するような「仕向け」の技術が練りこんであるのです。


" 目尻のしわ、加齢による劣化 ~~ " しばらく頭に残りそうな物語を支配する印象的な導入。


強い煽情の語句はスパイス程度の一つしか見えないのに 物語の下地に色艶がしっかりと流れている。


まったく想像していなかった おれ の文字を目にしたとき、そのまま読み進めるべきか、いま文頭からの再読へ戻るべきか の葛藤が楽しかったです。


少ない登場人物三様の相関図を理解した上で幾度読んでも新たな発見があります。


自分は終盤の 、

" 原因は想像できてしまった。" この一文が魅力的でした。 痺れます。


怪訝になりがちな題材を こんなにすっきりと読ませて頂きありがとうございました。


一字もたがわぬ ぴったり3000の文字数に 三度目の驚きと、読み手としての笑みがこぼれました。

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<講評(赤星先生)

それでは内容に移ります。
この小説も、段落の字下げがないですね。
今回の応募作品の中にも、段落の字下げのない小説が散見されました。
あまりこだわる必要のないところですから、今までの小説の作法を踏襲して欲しいです。

次に細かいことですが。

> 父は相好を崩さず、笑顔で応えた。

せっかくのいい話なのに、ここで読むのがいったん止まります。
「相好を崩した」を間違って使っています。
この場合、「父は相好を崩した」でもいいですし、「父は笑顔で応えた」でもいいです。
誤字とか脱字なら、変換ミスかな、とか、間違って削ったな、とかで済むのですが、言葉の誤用は読者(審査員)を萎えさせるので注意してください。

> 父はこの頃から右足が悪く、ひょこひょこと歩いてきた。

この表現はいいですね。
元気だった父が、足を引きずって歩いてくる。
さらりとこういう表現で、父が弱っていることを描写したのは、素晴らしいと思います。
こういうのがたくさん欲しかったです。

他にも少し気になるところはありましたが、この作品に関していえば、やはり圧倒的に気になるのが、字数の少なさです。
いや、字数の少なさではなく、なぜもっと父親とのエピソード(泣かせ要素)を書かなかったのか、ということです。

たとえば、太平洋戦争から帰ってきた父は、戦争のことを絶対に語ろうとしなかった、とか。
あとは、夫が父に挨拶に行ったときの父の様子とか、父と夫との会話とか。
どれだけ父が主人公のことを思っていたのか、炭焼きに誇りを持っていたのか、そういったところを、父に語らせてもいいと思います。
または祐一さんに父のことをもっと語らせるとか。
父に感情移入してもらう話はいくらでも作れますよね。

泣かせたいなら、泣かせる要素をてんこ盛りにして、徹底的に読者を泣かせようとしてください。

※一部抜粋して掲載(全部はぜひ赤星先生の講評記事をお読みください)

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事務局アカウントでは、過去の記事とKindleで、これまで小説を書いたことが無い、という方でも、始められるようなコツなどをまとめさせていただいています。

どうぞ、ふるってご参加ください。
皆さんとともに、このコンテストを盛り上げ一緒に楽しんでいくことができることを臨んでいます。

*講評は分担制としているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。

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応募作品はこちらのマガジンに収録されます。
 他の参加者様の作品もお読みいただき、ぜひ、当コンテストを通して新しく知り合い、また仲良くなった、との声をお聞かせください! 皆様の縁がつながるコンテストでありたく思います。

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