フランス大学院留学 その後

フランスの大学院で修士課程ー博士課程を修了し、一応博士になった。大きな山を越えたが、生活も自分自身も全く変わらない。


じゃあその後どうするのか…普通ならポスドクを探す。もしくは大学でのポストを探す。

私は言語学、言語習得、の分野での博士論文を書いたが、肩書きを言語博士だ。専門は日本語学習だ。となると教えられる分野は言語学習なのだが、大学で日本語講師と言うのも一つのパターンかもしれない。

しかしながら、大学の日本語学科では日本語講師は博士課程が必須でない事も多い。修士があればネイテイヴ言語講師と言うポストがあるケースが多い。

博士課程の専門分野に関しては、日本語学習よりは、恐らく第二言語学習などの分野でのポストを探す必要がありそうだ。

折角日本語学習を専門にした研究をしたのに、ちょっと残念でもあるが、私の目標は日本語講師の質の向上、地位の向上でもあるので、今はその第一歩と言う気もする。

日本は…よくよく調べていくと博士課程で博士論文終修了していなくとも教授になれていたりもするので、そこはちょっと驚く。大学で教えながら色々文献などを書いて研究発表をしたり、専門書を出版したりして研究の業績が認められれば、准教授、教授になれると言う印象もある。

少し前の時代だと、博士課程で論文提出をして博士号を取得していない先生が実はいると言う気がするのだ。

又日本語講師は一般的に多くが非常勤講師だったり、時間ごとのアルバイト的な講師も多く、常勤としての仕事も少ない。

もちろん、質も色々だ。(私だって良い教師ではないかもしれない…)

とりあえず、目標としての日本語講師としてに博士号取得までの道のりは終了した。

ではこれからどうするのか。

通常は博士課程まで行って、実際はここが「スタート」と言われるが、日本語学習に関する研究は私はここでストップ中だ。
と言うか、フランスの大学ではのでは日本語の外国語学習として研究できる機関は少ないし、大学で日本語講師になる道もかなり狭い。
又講師に「なりたい人」よりも、結構「たまたまなる」人もいるだろう。大学院に通いながら、講師をしている人も少なくない。日本語を教える能力よりも、まずは日本語ネイティブであることと、修士課程修了者でないと大学生には教えられないからだ。

そして、博士論文修了と共に、暫くは勉強がしたくないとも思ってしまった。

今けれど逆にその研究をもっと趣味と仕事に役立てられそうな、大学などにアカデミックな部分から外れた分野で調査や研究などの能力を使っていると言う気もする。

フランスでは大学で博士論文を書きながら語学講師として、自分の研究の為にも数コマ日本語を教えてはいたが、ちゃんと講師になるには、日本学学科で「日本学」を勉強する方が大学の日本語学科でのポストを見つける事ができる。要は、できれば日本学科卒業、日本学科で日本に関する研究をした者が、日本語学科で仕事を得る可能性が高い。

それはフランスの大学は日本語を勉強する場所ではなく、日本学を勉強する所だからだ。だから逆に語学の先生なら博士号を持っていなくても、なれる事が多い。それはネイティブの講師不足が問題となる特にアジアでも同じ事が言え、アジアでは日本語講師の資格と大学卒業で、日本語講師のポストにつく事ができる。

なんだかもう、そうなって来ると博士号なんて要らなかったのだろうかと言う気持ちにすらなる。でも逆に言えば、それだけちゃんと資格があれば将来的にはできる事も多いかもしれない。

私みたいな日本語専門の外国語教授法を勉強するにはやっぱり日本が1番だとも思う。フランスで研究するのはかなりしんどかった。仲間がいないのだ。最近は少しずつ増えてきたが、それでもずっと1人で黙々と勉強していた気がする。

私がフランスを選んだのはたまたまというか、1番は学費の安さなので、「フランスで留学」と言う事は実はあまり役に立たない情報しかない。


読む文献は主に日本語と英語で、論文はフランス語だったので大変だった。英語での論文okな担当教官もいるが、私はフランス語だった。

だから、この先は国を移動する予定だ。ちゃんと日本語が教えられる国に移動するしかないかなと思っている。やっぱり今はアジアの方が日本語講師のポストはあるだろう。




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