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生活の楽しみとは?

生活のたのしみ展に参加してきた。他人の生活の楽しみを見るとともに、自分の生活の楽しみを見つけるためだった。

展覧の情報が入ってから実際に行くまでの一週間は、ずっと同じことを考えていた。「いつ頃から自分の生活の楽しみを知らなくなったっけ?」と。

一年前に見捨てられたときからなのか、四年前にアイデンティティが崩壊したときからなのか、六年前に落とされたときからなのか、八年前に日本に来たときからなのか、こんなふうに自分の留学歴をさかのぼってみると、自分は「生活の楽しみ」をずっと知らなかったことに気づいた。自分はまさに「生活の楽しみ」を見つけるために留学してきたのだ。

大学受験までは勉強一筋で、学年レベルで順位が上がることが根本的な楽しみだった。それが達成できないと世界は色を失ったように見えていた。すべてをかけた大学受験は思う通りにならなかった時のショックはいまでも忘れられない。不本意ながら大学に入ったが、楽しくなかった。それと同時に、親や周りの人たちが「お金があれば幸せ」と思っていることに疑問を覚え始めた。現実に不満を抱いた私は、経済成長が落ち着いてきた日本まで、真のライフスタイルの答えを求めてきて、そして今に至る。

留学してきて八年経ったところ、いろんなことにあったが、それらのおかげで、自分の理想的ライフスタイルを見つけた気がする。それは、物質生活はできるだけシンプルで、精神生活はできるだけ豊かということだ。そして精神的な豊かさの一つは、気の合う友達と中身のある会話をすることだと気づいたら、あることで音信不通になっていた友達に自分から連絡し、一緒に展覧会に行くことができた。

生活のたのしみ展に参加して、物を作る側の楽しみも、物を買う側の楽しみも見聞きすることができたと同時に、自分の生活の楽しみの形も見えてきた。それは自分を磨くことと、お互いに信頼し合い、支え合う知己に出会うことだ。

周りに流されないように、自分の生活の楽しみを極めて味わいたい。

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