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「わかるから楽しい」を感じられる個別最適な学び

長野県教育委員会が2024年一般会計当初予算案に「個別最適な学び」の本格導入を目指す新規事業を盛り込みました。

高校に入学してあっという間に一斉授業についていけなくなった身としては個別最適な学びは大大大歓迎な立場です。

一斉授業は中学の頃から苦手意識を持っていました。
3教科は塾で予習する、理社に関してはテスト前に教科書を書き写して内容を叩き込んでテストに臨み短期記憶なのですぐに忘れていくというスタイル。受験前に大変な思いをしました。

そして高校生。
部活に専念していた私は家で勉強しているとものすごい睡魔に襲われるため予習復習もままならず、あっという間に先生の話が理解できなくなり、授業は瞑想する時間と化しました。
もちろんテスト前は地獄です。
テニス部の先輩から心構えのアドバイスもあり早々に赤点を受け入れる免疫を獲得できたのが高校を楽しく過ごせた理由かもしれません。

記憶に残っているのは高校1年生の数学のテスト。
放課後にクラスメイトが数人残って勉強をしていたので、わからない問題を教えてもらいました。
その教え方がとてつもなくわかりやすく、その時のテストは平均点よりもかなり上の点数を取ることができました。教えてくれた子よりも高得点だったのでその子も「嘘でしょ?」とびっくりしていました。3年間で一番いい点数だった気がします。
化学も図書館で勉強していた先輩に聞いたらこれまた寄り添って教えてくれたので「そういうことなんだ!」と理解することができました。わかると勉強は楽しいです。

そんな経験もあり、私のような生徒は一斉授業は全くもって時間の無駄なんじゃ…自分のレベルに合わせてじっくりゆっくり勉強していく方がいんじゃなかろうかという思いを昔から持っています。
浪人して予備校を選ぶときも55段階個別指導の四谷学院に行きたかったのですが、寮に入ることを親に反対されたので泣く泣く代ゼミに行きました。

社会人になってアクティブラーニングについて調べていた時に「学び合い」を知りました。これも高校生だった当時の私は救われる授業です。意外と生徒同士の方がわかりやすく解説してくれたりします。わからないところがわかるから。
2月10日の信濃毎日新聞の記事で取り上げている個別最適な学びを実践している小学校の実践では子ども同士が向かい合って島を作って教えあったり、個別に勉強したりという様子が見受けられます。
ついにこの時代が!!という嬉しい気分です。

今大人になって学ぶ一斉授業に苦はありません。
興味のある分野の学びだからかもしれませんし、内容、レベルが自分にあっているからかもしれません。
わからない〜早い〜ついていけない〜ということが起こらないと、先生の話はめちゃくちゃ面白く、自分の生活や人生との繋がりを考えながら話を聞くことができます。
一斉授業で聞いて、生徒同士で意見交換や気づきを交換する時間も至福の時。

個別最適な学びと協働的な学びはセットで語られることが多いです。
ICTも使いながら、個別でつけた知識をもとに仲間と協働的に学ぶ楽しさをじわりじわりと味わえる学びが広がることを願っています。


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