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秘書室で働いたことの意味をもう一度振り返って、大いに反省する

「秘書室勤務=エリート」ではありませんでしたが、「本質を見極める目が大切」ということを学びました。

7年前に「秘書室勤務は本当にエリートなのか?」というタイトルで、あるSNSで記事を書いたところ、なぜかいまだに私が書いた記事の中では一番読まれています。

「ウチの息子は銀行の『秘書室』に勤めていて・・・」

母から聞いた話ですが、私が秘書室にいた頃、父は人に会うとそのことを自慢していたそうです(汗)。

父は普通のサラリーマンでしたが、父の年代にとっては、どうやら「秘書室=エリート」というイメージがあったようです。

また、銀行の中においても、秘書室にいる間は、どことなく私を見る目が変わってきました。

「岩井ちゃんは、いいよなぁ~」

という同期のやっかみは、言葉半分くらい割り引く必要があったにせよ、それまで1度も年賀状の返事がなかった元上司から急に年賀状が届くようになりました。部署が変わっただけなのに、一目置かれるようになったのです。

役員と近い所で仕事をしているし、会社の組織図を書くと、秘書室は役員のすぐに下にあるので、なんとなく「秘書室=エリート」と思われているのかもしれません。

たしかに、私が転勤した当時でも、秘書室の中には優秀な先輩社員の方々がたくさんおられました。けれども、私個人に関して言えば、支店にいる時は副課長として、ある程度自分の思い通りに仕事ができたのに、秘書室では末席の一社員。新入社員のように、また仕事を一から覚える状況になりました。

仕事は朝早くから夜遅くまで。しかも、役員がスムーズに動くためのサポートという仕事柄、急に予定が変更になったり、今日やろうと思っていたことが全然できなかったり、ということもしょっちゅうです。

そして、秘書室に在籍中、ちょうど昇格の時期と重なったのですが、その時には昇格できませんでした。

つまり、他人から見れば、秘書室に勤めるエリート社員と見えていたかもしれませんが、訳の分からない仕事は増える上に給料は減り、おまけに昇格も1年遅れるというように、個人的にはトホホな時代だったのです(笑)。

一方、個人的な事情はさておき、秘書室ではスケジュール管理のやり方や、会社としての意思決定の流れなどを垣間見ることができたのは、貴重な経験となりました。

また、支店にいる時には雲の上のような存在だった役員さんと身近に接していると、「この人、こんなにワガママなんだ!」とか、「支店に対しては偉そうにしているけど、トップの前では借りてきた猫みたい」といった実態もよく分かってきます。

そして、自分のキャリアを振り返ってみると、秘書室で学んだことは「本質を見極める目が大切」ということです。

会社によって、部署によって、人はどうしても色眼鏡で見てしまいます。そして、その会社なり、組織なりに一定の力があると、そこに擦り寄ろうとしたり、その力を上手く利用しようとしたりする行動が出てきます。

相手がどう思うかは自分ではコントロールできません。しかしながら、人はどうしても人から影響を受けるので、相手が擦り寄ってきたら、自分の実態は変わらなくても、なんだか自分が偉くなったように勘違いする恐れもあります。

結局「秘書室=エリート」というのは、一定の相関関係はあっても、因果関係はありません。ただ、確実に一つ言えるのは、秘書室で働いたことは今の私の仕事に役立っているという因果関係はあるということ。

ただ、惜しむらくは、当時の私は起業のきの字も考えていなかったこと。もし、将来起業することが念頭にあったら、もっといろんなことを深く吸収できたのにと今更ながら感じます。

なお、自分自身の本質を見極めたい方は「こちら」がお役に立ちます。


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