この記事、すごく良記事だと思いました。皮肉です。

https://www.technologyreview.com/2023/02/09/1067821/design-thinking-retrospective-what-went-wrong/

なぜかというと、「デザイン思考(design thinking)」が、いかにIDEOとd.schoolが色々な事情を加味して手法論化した「創造的問題解決手法としてのデザイン思考(design thinking as creative problem solving)」としてしか認知されてこなかったか？を、えっ？MITですらそこしか見てなかったの？MITでも？ということを改めて浮き彫りにしてくれた、という、非常に矮小化されたデザイン思考の捉えられ方を批判的に捉え直すという意味で良記事だと。

批判的なこと言ってます。ごめんなさい。
けれども、デザイン思考を云々言うのであれば、この論点はすごく大切なことだと思うんです。

本来のデザイン思考研究は学術的にはもっと古くから、もっと広範な学際領域の横断でなされていて、いまもなされています。

例えば、

Johansson-Sköldberg, U., Woodilla, J., & Çetinkaya, M. (2013). Design thinking: Past, present and possible futures. Creativity and Innovation Management, 22(2), 121–146.
https://doi.org/10.1111/caim.12023

や

Dell’era, C., Magistretti, S., Cautela, C., Verganti, | Roberto, & Zurlo, F. (2020). Four kinds of design thinking: From ideating to making, engaging, and criticizing.
https://doi.org/10.1111/caim.12353

あたりを読むだけでも、世間一般で言われがちな「デザイン思考」が、Design Thinkingのほんの一側面、一流儀？にしか過ぎないことがわかるでしょう。

デザイン思考、なめんなよ。

なめてはないか。知らんけど。