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漫画系スタートアップが実践する人事チームの作り方

採用って、大変だ。

ナンバーナインは、現在目下採用強化中でして、今年は現時点で13名が新しくジョインしてくれました。ここから来年3月まで、新卒採用と中途採用合わせて20名近く募集をしており、粛々と採用活動を続けています。

採用って、大変ですね。

良し悪しは置いとくとして、スタートアップのおもしろいところに突然変異的に大きく方針転換するところがあります。ナンバーナインも、採用計画は半年に一度くらいの頻度で見直していて、その都度新しいポジションの採用を検討したり、採用人数が増えたりしているので、てんやわんやです。

7月から始めた新卒採用も、開始1ヶ月半で450名以上の方からエントリーがあり、おかげさまで総合職、クリエイティブ職ともに順調に内定を承諾いただくまでに至りました。

採用って大変ですけど、これまでの人生で巡り合わなかった人たちが一つの会社を拠り所に集まるのは、人事の仕事の醍醐味ですね。

全員広報の気持ちで挑むナンバーナインのゲリラ採用戦略

今年、採用を強化することを経営会議で決めてからまずやったことは、毎月役員陣が丸1日使ってnoteを2本書くということでした。

ナンバーナインの経営陣のTwitterフォロワー数は、代表が5000ほど、4000前後のフォロワーが2名ほど、3000前後のフォロワーが2名ほど(僕は2850前後)と、全員インフルエンサーと呼ぶには程遠い数値です。

代表の起業家がインフルエンサーとして発信しているけど他の社員や役員がほぼ発信していないケースがスタートアップには多いですが、ナンバーナインはSNS発信を主戦場に置く漫画家さんとご一緒する以上は自分たちもSNS発信を実践する必要性を感じています。

働く社員一人ひとりが発信に積極的になるだけで、会社の「中の人」の考えや存在に輪郭がもたらされ、一緒に働くイメージが多少なりとも垣間見えることはとても大事です。

事実、社員のTwitterフォロワーさんや、noteの読者さんからの応募は非常に沢山来ていて、それがきっかけで入社いただいた方も少なくありません。

こうした草の根活動を続けていると、漫画家さんたちからもじわじわ認知され始め、そのオープンスタンスに信頼が積み重なっていきます。結果的に、採用だけでなく自社事業にも好影響を与えることになりました。発信に時間を惜しまずコミットするというスタンスを持つことができているので、発信力はどの出版社よりも強いと思います。

最近でこそ採用強化を推進しているので予算も増やしていますが、そもそもスタートアップは予算が少ないのでゲリラにならざるを得ない側面が否めません。しかし、ゲリラは徹底することでその効果は必ず現れます。瓦も磨けば玉となるということわざがありますが、まさにそんな気持ちで継続していますね。

スタートアップの一人目人事を採用するタイミング

スタートアップにおいて人事の採用はタイミングが難しいです。10〜20人規模であれば人事専任の人がいないスタートアップも多く、ナンバーナインもつい5ヶ月くらいまで僕が人事周りの責任者兼現場担当者として動いていたくらいです。

しかし、人を採用すると事業も加速度的に成長しますが、それと同時にトラブルも増えます。そのトラブルを未然に防ぐために組織の体制強化を行わなければいけません。

例えば社内の福利厚生を見直したり、就業規則をアップデートしたり、人事評価制度を作ったり、チームから組織へと大人の階段を登るためにリソースを割く必要が出てきます。そうすると、さすがに取締役一人でカバーするにはスピード感が物足りなくなってくる。

そこでようやく一人目人事の採用を検討するフェーズがやってきます。

スタートアップが陥りがちな「人事万能神話」の罠

「一人目人事を採用するぞ」と一口に言っても、その前に考えるべきことがあります。

それは、「採用人事」「組織人事」「労務管理」の3つの領域に大別される「人事」という仕事に対して、どのポジションをメインでお願いしたいか、ということです。

採用人事

新卒採用、中途採用、インターン(やアルバイト)採用などに分けられ、企業規模によっては新卒と中途で別の担当者がいたり、各チームに複数人いたりします。ただ、スタートアップにおいてはだいたい一人でやりがち。

組織人事

入社者の研修制度や教育制度を設計したり、人事評価制度を設計したり、組織編成(組織図の設計とか)について考えたりします。もっと上流では、事業計画に紐づく採用計画についても考えます。スタートアップにおいてはだいたい一人でやりがち。何なら採用人事やってる人がここもカバーしてたりする。

労務管理

社員情報を管理したり勤怠管理を行ったり、福利厚生や制度設計を行ったり、給与計算を行ったり、社員の働く環境を保つ仕事です。スタートアップにおいてはだいたい人事と総務で分担しながらやりがち。そしてこれが地味に大変。

ご覧の通り、それぞれの領域の業務内容が違いすぎるので、採用強化したいのに組織人事に強い人を採用しても意味がありません。

人によって得意不得意があるし、人事は万能ではないのです。僕も入社してくれた現人事担当者にめっちゃ言われました。

ナンバーナインが一人目人事に求めたこと

さて、いよいよ人事の採用です。

僕が人事を採用する際に優先したのは、兎にも角にも採用を推進してくれることでした。採用人事と組織人事と労務管理において、組織人事については僕のメインワークで、労務に関しては優先順位はそこまで高くないからです。

僕が一人目人事に求めたのは、僕より優れた採用に関する高い知見や経験を持ち、技術を持った上でスタートアップよろしくゴリッと自走できる推進力のある人でした。

と、ここまでであれば「採用のプロ」を採用すればいいだけなんですけど、スタートアップはそう甘くありません。採用はあくまで優先順位の第一位であり、「組織人事」「労務管理」にも取り組めるマインドが実はとても重要だったりします。

「自分、採用だけしっかりやりますんで」という方では、おそらくどのスタートアップの一人目人事としてももの足りないと感じられるのではないでしょうか。あらゆるものが足りていないスタートアップにとっては、「採用もやった上で組織人事についてもコミットできる人」という無理難題を無理難題と思わず挑戦する気持ちが大切なのです。

そんな人いるかよ、と思うかもしれませんが(僕も難しいと思っていました)、4月に人事として入社してくれた塚本さんはまさにそんなタイプの人でした。

僕がこれまでやってきた野良採用管理シートをゴリゴリ改善してわかりやすいシートに仕立ててくれるし、中途採用の選考フローをより洗練させてくれるし、今年初挑戦した新卒採用についても準備期間1ヶ月ほどでしっかり設計してしっかり結果にコミットしてくれています。

一人目人事が入社してからは、

BEFORE(一人目人事の入社前の採用活動):
経営陣で決めた事業戦略に紐付いた採用ポジションに対して僕が組み立てた大味の採用戦略を自ら実行し、アシスタントが作業周りを超スピードで支える。媒体は選択と集中でWantedlyのみ。

この「何とかうまくコストを抑えて採用を頑張る」スタイルから、

AFTER(一人目人事の入社後の採用活動):
経営陣で決めた事業戦略に紐付いた採用ポジションに対して人事が正しい媒体選定を行い各ポジションごとの母集団KPIを立てて採用コンバージョンを設計して計画を実行する。作業周りは引き続きアシスタントが超スピードで支える。媒体は適材適所としてWantedly、他媒体、人材紹介など複数対応。

「必要に応じて資金的コストを透過して欲しい人材を計画通り採用する」というスタイルへと昇華することができました。BEFOREを見ると、当たり前が当たり前じゃないスタートアップ感が満載で恥ずかしいですね…。

【おまけ】 一人目人事採用の前に起きた、『悪の華』が生んだ嘘みたいな偶然

一人目人事の採用を進める前段階で、じつは人事アシスタントとして僕をサポートしてくれるメンバーを迎え入れていました。

求人広告を作っていた僕の新卒時代の3年くらい後輩の西村さんは、仕事では関わりがなかったけど「漫画が好き」という共通点で当時仲が良かった人です。僕にとっても当時ハマっていた押見修造さんの『悪の華』について語り合える数少ない人材だったので、もはや年下の友だちのような感覚でいました。

そんな彼女が、「漫画の話がしたいけど周りにいない」という理由だけで僕の同期からLINEアカウントを聞いて10年ぶりくらいに連絡してきたのが僕たちの再会です。

しかも話していると、「結婚して仕事を辞めて子育てしてるがまた働きたい」と言うのでナンバーナインに誘ってみたら、トントン拍子に話がまとまって一緒に働くことになりました。あらゆるタスクを倒していく推進力と、お願いしたその瞬間に仕事が終わっているスピード感は非常に頼もしい限りです。

このように嘘みたいな偶然が重なって、一人目人事を採用する前に強力なサポートメンバーに恵まれたことが僕にとっても幸運でした。

人事チームが目指す次のステージ

すでに新卒採用は今年の目標人数が充足しそうな勢いで収束に向かっています。一方で、中途採用は先日の経営合宿を経てまた新しいポジションが追加されそうなので、引き続き強化していく予定です。

「採って終わり」の人事チームから卒業

採用が順調に進むということは、当たり前のことですが新しい社員が沢山入ってくるということに繋がります。

そのためには「採用」から「組織」の問題にもコミットしていく必要が出てきます。「採用」と「組織」は領域的には分かれていて役割もまったく違いますが、この2つの領域は地続きであり密接な関わりがあるのです。

これは持論ですが、採用の本質は「人を迎え入れること」ではなく、「会社で活躍してくれる人を迎え入れること」であり、迎え入れた人が活躍することにコミットできるのが最強の人事です。

なので、「入社してくれた人たちが活躍できる環境づくり」にもコミットできる人事チームを目指したいと思っています。

前述の通り、普通に考えると二つの領域は分けて考えることが多いので非常に難易度の高いことをやろうとしていますが、人事チームとしてはそれを実現させたいのです。

とはいえ、労務周りは別問題

そこで新たに生まれる問題が、労務管理です。採用や組織人事が「攻めの人事」だとしたら、労務管理は「守りの人事」。ここを混ぜると人事的には精神的なストレスが大きい可能性が高いです。

僕も半年前までは攻めと守りの往復を繰り返していたので分かりますが、ここは明確に役割を分けられるのであれば、分けたほうがいい。ということで、二人目人事の採用に動き始めるタイミングがやってきました。

この一年で社員数が倍増に近い規模で成長するスタートアップの二人目人事として、「守りの人事」を中心に置きながらシームレスな人事担当者へとレベルアップしていきたい方がいたら、ぜひお声がけください。カジュアルにお話をしましょう。

ナンバーナインで一緒に働くメンバー大募集!

ナンバーナインでは、現在中途採用強化中です。少しでも興味をお持ちいただけたなら、ぜひ以下URLを覗いてみてください。

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