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ブランド物をあげたがる旦那と、いらない嫁。大人のプレゼント事情は複雑。

大人になってからの「プレゼント」には、お金と、愛と、時に人のエゴが複雑に絡み合っているから、私はどこか手放しで喜ぶことができない。

予算一万円と決めて、お互いが欲しいものを買ってあげよう!と約束したクリスマス当日。
元彼が欲しがったスピーカーは3万円で、私が1万円だけを渡して、結果モヤモヤしたりだとか。

サプライズで用意したものが、相手の好みじゃなかったら?
確実に欲しいものを買ってあげた方がいいんじゃないの?
2人で買いに行くことで、こういったリスクは回避できたのだ。

けれども、元彼の喜ぶ顔を見て、損した気持ちになったのはなぜだろう。

どうしたら渡す方も貰う方も幸せなのか?


ブランド物をあげたがる旦那と、いらない嫁。


妹が12月に誕生日を迎えました。

彼女は若くして結婚し、地元で子育てに奮闘する私と真逆な生活を送ってて、そのなかなかな鬼嫁っぷりに姉はいつも関心したり、しなかったり...

お小遣い制を取る中、
ある日、3万円を前借りさせてと旦那さんに言われた彼女は

「これは私の誕プレを買うんだよな....お金もカツカツだし、欲しいものもないし、何を買われるか検討もつかないぞ...」

と不安なまま3万円を渡した。

結論からいうと
当日もらった箱の中身はcoachの真っ赤なお財布だったのだけれど
妹は今、緑のデザインに交換したくてしたくてたまらなくなっている。

3万円の出所は同じ家庭のお財布からで
もらうなら本当に欲しい色がいい。
でも赤を選んでくれた旦那に悪い。

ただ、話を聞いていると
特別、本人が欲しいと思っていないブランド物を“渡してあげる”ことが楽しくなっている旦那さんにも、自分のエゴを押し付けている部分があるのではないかと思えてならない。
そして本当に欲しいものは、日頃の感謝だったり、些細な言葉だけで満たされるのが女ってもので、私もそれにはすごく共感してしまう。

私には子どもはいないけれど
自分の子が、私のためを思って選んでくれた物ならば何だって嬉しいと思う。
その反面、夫婦や恋人には、お金やエゴが混ざって、無償の愛みたいなものが優先されないのかと思うと少し寂しい。

ただ、この話を聞いていてもしも私が妹の立場だったなら、
渡した3万円は「彼が自分のことを考えて、わくわく物を選んでくれる時間への投資だったのだ」と考えて諦めると思う。


優しい嘘のつき方


なぜそう思うのか。私の昔話をします。

当時5歳くらいの私が、祖母と母にとあるお菓子売り場に連れて行ってもらった日。
そこはフロア全体がお菓子売り場で子どもからしたら夢のような場所。

「好きなものを選びな」

普段は「1個まで」のような言葉が当たり前についていため、
そう言われた私は、わあ〜〜〜!と嬉しくなり
ポンポンポンポン制限なくかごにお菓子を入れまくったそう。

もちろんそれは私の勘違いで
祖母も母も、そんな私を見て「やっちまった…」と思っただろうし、たくさんのお菓子はきっと5000円は超えていたはず。
けれども、祖母も母も何も言わずに黙って買ってくれたのです。

「やられたあ…って思ったけれど、あの時のお前のキラキラした目が忘れられない。」

私が大人になって二人から聞いた言葉。
成長と共に自分自身でも、あの時はひどく我儘で、恥ずかしいと自覚するエピソードです。

この経験で、お金に対して申し訳なく思い、アイスひとつもねだれない気を遣いすぎる子どもになり、そのまま大人になってしまったのだけど、あの時、祖母と母が、私を否定したりするのではなく「やられた〜ハハハ」と笑ってくれて本当によかったと今でも思う。

あの時、「なんて欲張りなんだお前は!」とお菓子売り場で怒られていたら「あ、私は間違えたんだ、我儘で悪い子だ」と一生傷になっていたと思う。

私のワクワクを黙って買ってくれてありがとう。

自分が損だと感じることがあったとしても
好きな人がワクワクしてくれたなら、黙っている優しい嘘をつける人になりたいと私は思う。
あの時、祖母と母がしてくれたように。
そして、やっちまったな自分ハハハと笑っていたい。

・・・・・


不安なまま3万円を渡してしまったのは自分。
結局、赤い財布は好みではなかった。お金の出所も自分。誕生日なのに。
そんな自分が損だと感じる。

けれども赤い財布には、妹のことを考えた彼のワクワクが詰まっている。
黙って彼のワクワクを3万円で買ってあげられないものだろうか?というのが姉の意見なのです。

彼のワクワクした顔を想像する力があれば赤い財布は3万円以上の価値があるものだと思えるかもしれない。
相手にも自分にも優しい嘘をつくことも、時に大切だと思う。

また、お互いが優しい嘘をつけあえる関係でいるためには、
お金や物に頼って1日で済ますのではなくて、
やっぱり日頃のコミュニケーションが大切なのではなかろうか、、、と我が妹の話を聞いて感じたお話でした。


良いクリスマスを迎えられますように。


P.S.
元カレにだってワクワクしながら選んであげればよかった。
そんな後悔があの時の私のモヤモヤ。


おわり

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