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初めまして。おぬきのりこ です。

私のお仕事は歌を歌うことです。

ジャンルはジャズという、一般的には難しいという印象を持たれている音楽です。ジャズは確かに大人の音楽として単純ではない側面もありますが、ジャズボーカルは一般の印象よりもずっと身近です。

例えば、ビールのCMで“On the sunny side of the street”を耳にしたことがある人もいるかもしれません。最近では、朝の連続ドラマで耳にした人も多くいるでしょう。あるいは、集合住宅のCMで“Someone to watch over me”が使われていたこともあります。

ジャズは既存の曲の世界観にとらわれず、新たな世界観を作り上げられる自由度があり、その点が「難しい」と言われてしまう原因となっている気がします。このあたりのことは、いずれこのnoteに詳しく書き記す日が来ることでしょう。

私は小さな頃から、歌手を目指し、文筆家を目指し、画家を目指していました。

中学生の時に美術部に入部した初日、先輩の描く油絵の精巧さを目の当たりにした私は「画家は諦めて絵は趣味でいこう」と悟りました。

19歳の時、親に内緒でクラブ歌手のオーディションを受けに行こうとし、それが見つかり、こっぴどく叱られたことがありました。その日私は「まずは文筆家を目指そう。歌手になるのはもっと大人になってからでもきっと叶う」と計画を立てました。

大人になり、私は「人生はネタ作り」をモットーに就職します。社会を知りたかったし、給料をもらいながら人生のネタが作れるなんて最高だからです。人生のネタは、もちろん今後書くであろう文章のネタのためです。

しかしその会社で私は思わぬ頭角を表します。

持って生まれた社交性が開花し、あちこちで“飲み会要員”として声がかかるようになります。当時、私を知る人はたぶん全員が私と飲食を共にしたことがあるはずです。歌の上手さも重宝され、営業部長が私を接待要員として指名することもありました。

しかし、およそ8年の月日が経ち、私のネタ作りもそろそろ“会社編”から次のステージへ進む時期が来ていました。私は惜しまれながら退職し、旅人へとステップを進めました。

単身でニュージーランドへ渡り、そこを拠点にアメリカ一周一人旅も敢行しました。このあたりの旅日記もいずれnoteにアップしたいと思っています。

旅をして回った私は、帰国後、縁があって広告記事を書く仕事を請け負うようになりました。夢にまで見た、文筆業です。文章に携われるし、なんならインタビュー記事を書かせてくれることもあるし、なにこれ最高じゃん!と思っていましたが、定期的に収入を得る頃、はてこれでいいんだっけか?という疑問が頭をもたげました。

そうだ!歌手になろう!

と思い立った私はきっぱりと広告代理店を辞め、歌手活動を始めることにしました。しかし、何を歌ったらいいかわかりません。そもそも、わたしはアイドルやらテレビに出る大物歌手になりたいわけではありません。どちらかというと、薄暗い空間の中、グランドピアノの横でお客様の顔のシワまで見える距離感のところで歌いたいのです。

そうだ!ジャズやろう!

と安易に思い立った私は、ジャズ歌手の名前のひとりとして知らないくせにジャズ歌手を目指しました。

しかし、ここから不思議な運命の力が働き始めます。

ジャズが何たるかも知らない私に、丁寧にジャズとはと教えてくれる方とめぐりあい、その方の演奏するライブを聴きに行き、そこで歌う歌手の方に一目惚れします。すぐさま彼女に弟子入りを申し出たところ、彼女はいとも軽く「イイヨー」と応えてくれました。そう、彼女はノリのいい外国人だったのです。

それから、あれよあれよという間に私はステージに立たされることとなり、歌手としてのキャリアが始まりました。しかし、雀の涙ほどのギャラでは全く生活できません。しかたなく私は、専門学校に通って“音楽療法士”の勉強を始めます。

音楽療法の対象は、大まかに分けると児童、大人、老人の三分類です。私は何故か大人、それも精神科に縁があり、都内の精神科病院で音楽療法の勉強をする傍ら、歌手活動も行っていました。

精神科での活動は貴重な経験でした。いずれ、こちらもnoteに書き記したいと思っています。

専門学校に通っていた秋、私はジャズ界の『新人賞』を受賞します。それから急に忙しくなり、音楽療法士になることなく、歌手活動を生活の中心に置くことになります。音楽療法はボランティア活動としてその後10年ほど続けました。

それから私は、都内を中心に活動しながら、地方で歌ったり、台湾公演をしたり、時にはドイツ公演を経験しつつ、キャリアを重ね、ついに念願だった『優秀歌唱賞』という栄誉ある賞を頂き、今に至ります。

あ、私の著書が出版された時のことを書き忘れました。それはまた後日noteに書き記すと致しましょう。

このnoteでは、過去の自分の体験談の他、Facebookの投稿で好評だったエッセイを再アップしたり、日々思うことを書き記していこうと思っています。

私の文章のモットーは「エロに勝つオモロ」です。

クスッと笑えていただければ本望です。


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