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バレンタインデーという命日

2018.2.14
その美しい愛のひとは、この世を去りました。

その日から、バレンタインデーは、愛の日であり命日になりました。

なぜかその方のことを偲び目を閉じると、自然と涙が流れてくる。愛の人だった。まさに、美人薄明というのはこういうことか。46歳という若さで2回目のがん再発ののち、彼女は緩和ケアを始める中、大切なひとに見守られながら静かに息をひきとったそうです。

私が彼女から当時、業務の引き継ぎを受けたのは、たった2週間のことでした。ある日人事より突然の電話があり『秘書の方が急遽入院が必要になったので、部署異動してほしい』木曜日に電話を受けとってから、4日後の月曜日に私は新しい部署に赴任となった。

それから、とにかく必死で業務を覚えました。どこかで"命の引き継ぎ"のような感覚を持っていたのかもしれません。

たった2週間のこと、しかし彼女から教わったことは計り知れない。女性が美しくあること、社長に対する姿勢と愛情、会社や社員に対する考え方や的確かつ迅速な対応、彼女自身の生き様、ごめんなさいよりありがとうを多くすること、など、業務に留まらず本当に多くのことを教わりました。

それから、1年と3ヶ月が経ち2月14日のバレンタインの日、彼女はこの愛の日を選ばれたのでした。

今でも思い出す、凛とした姿と温かなぬくもり。あの時私は彼女の元で働けたことを今でも本当に感謝しています。ありがとうございます。

そして、ハッピーバレンタイン。


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