『安いニッポン』

非常に興味深い本であった。

ディズニーランドやマクドナルドを例に出し、日本のモノやサービスがいかに安いかを解説。また、物価だけではなく給与も低水準である、との論を解説している。

以前から思っていたことだが、海外ではスタバもマックも5ドルくらいするので、今の為替レートだと日本は割高ということになる。この書籍の論はそれを裏付けてくれた。

『デフレ』は、日本経済の長年の課題と言われ、アベノミクスではデフレ克服のため『大胆な金融緩和』が実施されてきた。

一方で、『物価が安いのはありがたい』という考えもある。私もどちらかというとそちらの考えであったが、この本を読んで考えが変わった。

特に印象的だったのは労働生産性の話。
労働生産性 = 生み出した付加価値 / 労働量
で計算されるが、日本はこの労働生産性が低いとの指摘が多い。

私はてっきり長時間労働で分母が大きいための結果だと思っていたが、この書籍では、デフレにより分子が低く抑えられていることも要因であると指摘する。目からうろこであった。

デフレにより『日本が買われる』『優秀な人材は引き抜かれる』などの弊害がある、という指摘も印象的であった。

デフレは克服すべき社会の課題であることはよくわかったが、経済全体が低迷する中、いきなり物価だけを上げるのは難しいだろう。

果たして『デフレスパイラル』を抜け出すことはできるだろうか。

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