212. 学童期における0.01%アトロピン点眼中止後の近視リバウンド効果の評価

Assessment of myopic rebound effect after discontinuation of treatment with 0.01% atropine eye drops in Japanese school-age children

Hieda O, Hiraoka T, Fujikado T, Ishiko S, Hasebe S, Torii H, Takahashi H, Tanaka S, Kinoshita S; ATOM-J Study Group. Jpn J Ophthalmol. 2023 Aug 7. doi: 10.1007/s10384-023-01012-8. Epub ahead of print. PMID: 37548816.


目的:以前、0.01%アトロピン点眼薬が小児近視の進行抑制に有効であることを証明したが、今回、治療後の近視進行の変化を評価するために追加解析を行った。

研究デザイン方法:混合効果モデルを用いて、167名の学童を対象に、アトロピンまたはプラセボによる2年間の治療を中止してから1か月後および12か月後の等価球面値(spherical equivalent:SE)と眼軸長(axial length:AL)のグループ間変化を比較した。

結果:治療中止1か月後に149人、治療中止12か月後に51人の追跡測定が可能であった。治療後1か月の時点で、SEとALの最小二乗(least squares:LS)平均変化におけるアトロピン群とプラセボ群の24か月からの差は、それぞれ-0.06D(95%CI:-0.21、0.08;P = 0.39)と0.02mm(95%CI:-0.05、0.08;P = 0.60)であった。治療後12か月時点での、SEとALのLS平均変化における群間差(アトロピン vs プラセボ)は、それぞれ-0.13D(95%CI:-0.35、0.10、P = 0.26)と-0.02mm(95%CI:-0.12、0.09、P = 0.75)であった。治療中止からのSEとALのLS平均変化量は、治療後1か月または12か月では両群間に差はなかった。

結論:眼軸伸長はアトロピン群でプラセボ群より有意に少なかった。2年後に得られた抑制効果は治療中止12か月後も維持された。治療中止以降、近視進行に群間差がなかったことは、近視のリバウンドが起こらなかったことを示唆している。

※コメント
ATOM-Jから、0.01%アトロピン点眼後のリバウンド効果についての報告です。
Japanese dataとして重宝したいですね。

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