231. 小児の近視コントロールにおけるオルソケラトロジー vs. アトロピンとオルソケラトロジー併用の比較: 系統的レビュー

Orthokeratology vs orthokeratology combined with atropine for the control of myopia in children: Systematic review

Peralta PZ, Quito MO, Ortiz FG, Anaya LC. Arch Soc Esp Oftalmol (Engl Ed). 2023 Aug 22:S2173-5794(23)00127-5. doi: 10.1016/j.oftale.2023.08.001. Epub ahead of print. PMID: 37619667.


この調査の目的は、オルソケラトロジー(orthokeratology:OK)とアトロピンとオルソケラトロジー併用(orthokeratology combined with atropine:AOK)を比較し、小児の近視コントロールの有効性を検討することである。PubMed、Web of Science、Scopus、Cochrane Library、ProQuest、Taylor & Francis、Science Directの各データベースを用いて、メタアナリシスを含むシステマティックレビュー、無作為化対照臨床試験、およびマニュアル検索を行った。Scimago Journal & Country RankのQ1-Q4ジャーナルのうち、過去5年間に出版された英語とスペイン語のジャーナルである。適格基準を満たした18の研究が検討された。その結果、オルソケラトロジーと0.01%のアトロピンを併用した方が、近視の進行と眼軸の伸びを抑えることができ、より効果的であることがわかった。われわれの調査では、軽度の近視患者において、0.01%アトロピンとオルソケラトロジーの併用は、1~2年の治療期間において相加的な効果がありうると判断された。しかし、近視の進行、結果に影響を及ぼす可能性のある遺伝的および環境的要因を正しく評価することが考慮された、より多くの民族の研究が実施されるべきである。

※コメント
本文より抜粋-
アトロピン0.01%とオルソケラトロジーの併用は、軽度の近視患者において1~2年の治療期間にわたって最も効果的であることが判明した。眼球に対する正確な作用機序はまだ不明であるが、眼軸延長に影響を与える相加的効果が得られると考えられている。中等度の濃度でのアトロピン使用はまだ研究中であるが、中等度から高度の近視患者に有益である可能性がある。ただし、高濃度での副作用の多さを考慮する必要がある。
ほとんどの研究はこれら2つの治療法の併用に向けられているので、アトロピンとAOKを直接比較する研究をもっと行うのが理想的である。将来的には、調節麻痺下での等価球面による近視の進行、近視進行を助長する遺伝的・環境的要因の影響、この治療で起こりうる合併症などを評価するために、より多くの多民族研究を実施し、その有効性と安全性を裏付けるより正確なデータを得る必要がある。


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