日本語教師・コトハジメ

コトハジメは英語圏(英語話者)向けのオンライン日本語レッスン、日本居住者&ビジネスパー…

日本語教師・コトハジメ

コトハジメは英語圏(英語話者)向けのオンライン日本語レッスン、日本居住者&ビジネスパーソン向けの日本語学校Coto Japanese Academyの日本語教師によるブログ。日本語教育に関する記事、イベント、求人情報などを随時配信。https://cotohajime.net/

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日本語教師募集@Coto World 株式会社

1.Coto World 株式会社の日本語教師登録に登録する 日本語教師応援サイト コトハジメの運営会社であるCoto World 株式会社の日本語教師登録制度をご案内します。 ご登録いただいた方には、オンラインレッスン、企業派遣を中心にお仕事の案件をご案内します。お仕事は首都圏を中心に日本全国、またはオンラインですので、お住まいの場所に関わらずご登録いただけます。応募条件などの詳細はこちらをご覧ください。 ※ 教師登録される方は登録フォームにお進みください。 2.Co

    • 「苦手」と「下手」の違いをどう教える?

      「苦手」か「下手」か、誤用はどこから? 初級の学習者からよく「苦手と下手の違いは何ですか?」と質問を受けることがあります。また、「わたしは辛い食べ物が下手です」「わたしは勉強が下手です」といった誤用も耳にします。 英語に訳すと「苦手」も「下手」も「be bad at doing」や「be poor at doing」などになりますが、これだけだと説明が足りませんね。 また「〇〇さんは、人前で話すのが下手です」「同僚の△△さんは、英語が下手です」など、使い方を間違えると意図

      • 日本語レッスンでの、楽しく学ぶ会話練習のコツ

        時間が余ったらどうしよう…という不安日本語教師であるみなさんにとって、いちばん怖いものは何でしょうか。学生のつまらなそうな顔?学生からの質問に答えられなかったらという不安?準備が間に合わないというあせり?… 私は昔から一貫して怖いのは、授業中に「時間が余ること」、「やることがなくなってしまうこと」です。 というわけで、その不安をぬぐうために、私は時間が余りそうなときにくりだせる練習の引き出しを増やそうと思い立ちました。これは、学習者のため、というより、自分自身が不安なく授業

        • 選ばれる日本語教師になりたい!

          日本国内で暮らす外国人が増え、日本語教育の需要が高まり、日本語を学ぶ目的やニーズが多様化する昨今ですが、皆さんはどんな日本語教師でありたいですか。 学校講師でも企業派遣講師でもオンライン日本語講師でも、やっぱり「選ばれる」日本語教師でありたいですよね。そして、働く場所は自分で「選びたい」ですよね。そんな日本語教師であるためのキーワード、私は「専門性」かなと思っています。 皆さんは日本語教師ですから、「専門性がある人」というと、「日本語教育の関する専門知識をもっている人」を

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        日本語教師募集@Coto World 株式会社

          日本語文法「〜とき」:こんなところにトラップが!?

          みなさんはこれまで「〜とき」を教えるときに、困ったことってありませんでしたか? 学習者の中には「When=とき!じゃあ言葉を置き換えれば簡単だよね!」と思っている学生もいるのではないでしょうか。でも、実際に勉強してみると「あれ?うまく作れないじゃん・・・」と、がっかりしている学生を何度か見かけたことがあります。 日本語ネイティブの私たちはこのテンス(時制)の微妙な違いを自然に使い分けることができますが、学習者は混乱することがあります。一見単純そうに見えますが、「〜とき」が

          日本語文法「〜とき」:こんなところにトラップが!?

          グラウンドデザインを描こう (初級学習者編)

          学習者にとって「日本語教師」とは、なんぞや? 「学習者にとって『講師』とは、なんぞや?」とシンプルな問いをされたとして、みなさんは何と答えますか。 私はたぶん「船頭さん」かな。目的地を知り、そこまでの最適に辿り着く方法を知り、舵取りをする、そんな役目をするのが講師なのでは、と私は思っています。また、そうでありたいと日々思っています。 そこで経験豊富な先生方には釈迦に説法な話ではありますが、今日は初級学習者を迷子にさせない、学習者とともに描くグラウンドデザインについて話し

          グラウンドデザインを描こう (初級学習者編)

          婉曲表現の今昔〜回りくどい表現は「攻撃」になる??〜

          先日、cotoのコミュニティ・チャットにご自身の経験をシェアしてくださった投稿がありました。 中級学習者と日本語の文末表現について勉強していたときのこと。次のようなご意見をいただきました。 婉曲的な表現は、昨今よく聞くようになった言語運用における”passive aggressive(受動的攻撃性)”だと考える人もいるというのです。 その先生は、日本語教師として、学習者が他の日本人から誤解されたり下手な軋轢を生んだりしないように、またある程度社会生活をスムーズにスマート

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          「〜つもりだ」だれが、どんなとき、どう使う?

          実は、3年前「〜つもりだ」の記事を書いていたのですが、これがあまりにあっさりしていた・・・(自分で書いておきながらビックリ)。 突然ですが、、、『困難は分割せよ』これはデカルトの有名な言葉です。 ざくっと「難しいものは小さく分けて解決していこう」という意味ですが、これって日本語の文型や語彙を理解する時も一緒なんですよね。AとBが違うということを分ける。分けるときには理由が必要で、それを考える過程で理解が深まるんですよね。そして、そのための材料(例文)はあればあるほどいい。私

          「〜つもりだ」だれが、どんなとき、どう使う?

          日本人との会話における「印象の良いあいづち」とは?

          突然ですが、会話中にこのように思ったご経験はありませんか? (この人、私の話にかぶせてくる~。話しづらいな…) (私の話、聞いてる??さっきからほとんど反応してくれないんだけど…) (ただ共感してほしいだけなのに、必ず自分の意見を言い返してくるなぁ…) これらは相手側の聞き方に問題があるケースと言えます。 日本人同士の会話でもこのような「聞くスキルの欠如問題」にときどき遭遇しますが、難しいのは異文化間のコミュニケーションの場合です。 「日本人は話を聞くときにうなづ

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          「やさしい日本語」は本当にやさしいのか検証してみた

          分かりやすさが重視された地震報道 2024年1月1日夕刻、能登半島地震発生。お正月にダラダラとTVを見ていた私に飛び込んできたのは、避難を促す目立つテロップと「津波からの一刻も早い避難」をとの女性アナウンサーの力強い呼びかけでした。一気に緊張が走りました。 その後もTV画面には日本全国の地図テロップ、津波の到達予想時刻の表が表示され続けました。 「にげて!」「TSUNAMI」「EVACUATE」などの大きなテロップからは、日本に住む日本語が不自由な方々への配慮も感じられ

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          JLPT N3までの道

          先日「N3合格への道」と題して、中級レベルのテストに挑む心構え、学習計画の立て方、対策本の紹介などについて勉強会を行いました。私もつい先日、ゼロ初級の学生に言われました。「帰化申請したいけど、2年でN3レベルまでいけるか」と。まあ2年間毎日学校に来て勉強できるならね…という感じですが、いやあ、フルタイムで働きながらというのは非常に厳しいっす。このように、ある日突然の学習者からの告白、「先生、わたしN3受けてみたい!」に面食らってしまわないために(笑)、まずはN3とは何ぞや?を

          レッスン準備のコツ:語彙編

          レッスン準備って導入の場面を考えたり、例文考えたり、練習考えたり…とまあ盛りだくさん。私も毎日試行錯誤の連続です。 実は私、日本語教師を始めて5年経とうとしているのですが、「準備大変だな…」「休日返上かぁ…」と思いながらレッスン準備をすることがちょいちょいあります。気持ちがノッてきて楽しいと思うこともありますが、「もう少し手っ取り早い準備の方法ってないのかなぁ」と、ときどき考えてしまいます。 そんな中、最近は中上級を担当させていただく機会が多くなり、その準備に充てる時間が

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          日本語レッスンで英語をどう使う

          先日のMs.Hidariの勉強会は「日本語レッスンで英語をどう使う?」でした。Cotoのレッスンは基本「直接法」で行います。が、実際のクラス運営では、Cotoの学習者はほぼ英語話者なので、最小限の英語(英単語)を用いたほうが有効な場合もあります。そんなおいしいとこどりなんてできるの?と思う皆さん、今回は、Ms.Hidariが有効な英語での指示や英語の使用場面、文法用語などなどを紹介してくださいましたので、そちらの様子をシェアします。 「日本語レッスンで英語をどう使う?」の論

          日本語レッスンで英語をどう使う

          レベル差のあるクラスのハンドリング

          「クラス内で日本語力に差が大きくて、どう授業を進めればいいのか困っている」「レベル差が激しくて教えにくい」「できる学習者がつまらなそう」「口が重い学習者がいて、なかなか授業が進まない…」「どのレベルの学習者に合わせればいいのでしょうか」・・・ このような質問を講師から受けることが多々あります。これといった正解はないかもしれませんが、皆さんは自分ならこうするという対処法、お持ちでしょうか。 どんなクラスにもレベル差は必ずある! 日本語学習経験ゼロの学習者でないかぎり、どん

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          すみません vs Sorry

          学習者(とりわけ英語圏)が授業中に言いよどんだとき(「この文を読んでください」とこちらが指示を与えた場合など)、「すみません、すみません」を連発するのがずっと気になっていました。 英語の「Sorry」を直訳して言っていることはわかります。が、なぜそこまで謝る必要があるのか、習い始めたばかりのひらがな表記なのだから、小さすぎるフリガナなのだから、ましてや新しい言語を習っているのだから、たかが読み間違えにそんなに非を感じなくてもいいのにぃ~、しょっちゅう謝られるとこちらも恐縮し

          初級のスター的文型「~んです」って、どんな時にどう使う?

          「~んです」は、初級のスター的文型です。ただ、この「~んです」の教え方にお悩みの先生も多いのではないでしょうか。ということで、今回はちょっとだけイレギュラーな活動をやってみました。 ★ 例文トレーニングのお題 以下の場面において、(   )内に入る文(平叙文、疑問文、なんでも可、語彙コントロールなしでOK)を考えてください。どちらかの場面だけでも結構です。 <場面1> A:(     )。 B:19歳なんです。 A:(     )。 → 回答例 A:(お子さんって、

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