「〜つもりだ」だれが、どんなとき、どう使う?
実は、3年前「〜つもりだ」の記事を書いていたのですが、これがあまりにあっさりしていた・・・(自分で書いておきながらビックリ)。
突然ですが、、、『困難は分割せよ』これはデカルトの有名な言葉です。
ざくっと「難しいものは小さく分けて解決していこう」という意味ですが、これって日本語の文型や語彙を理解する時も一緒なんですよね。AとBが違うということを分ける。分けるときには理由が必要で、それを考える過程で理解が深まるんですよね。そして、そのための材料(例文)はあればあるほどいい。私たちが「例文トレーニング」を開催している理由はここにあるなと思います。
今回、校内で勉強会をファシリテートするにあたりもう一度整理整頓しました。実際の勉強会でも先生方から新たな学びを得ることができたので、まるっと記事を書き直すことにしました。
「〜つもりだ」で分析スタート!
ワークショップに参加した皆さんには、はじめの5分間で例文を一人10個以上作ってもらっています。語彙コントロールは全くなし。それをばばーっと書き出して、みんなで例文を眺めながら分析スタート!!
ちなみに、『げんき』では「Verb(short, present)+つもりだ」は第10課で出てきます。教科書の例文はこんな感じです。
どんな場面で使うことが多い?会話のなかでどう使う?
「〜つもりだ」は会話のやりとりの中で使われますので、「〜つもりだ」と答えたくなる質問をまず考えてもらいました。
「卒業したら、どうしますか。」「今度、国から両親が来るんです」「GW(や夏休みなど)の予定は?」などがあがりました。
さっそく、あげてもらった場面でサクッと例文を作ってみてもらいました。今回は語彙コントロールありで。
①「卒業したら、どうしますか?」:国に帰るつもりです。大学院に行くつもりです。弁護士になるつもりです。・・・「なる」が多い。あまり動詞にバリエーションがないですね。しかも、Cotoの学習者は大人でお仕事をされている方がほとんどなのでCotoのレッスンでは不向き。❌
②「今度、国から両親が来るんです?」:空港に迎えに行くつもりです。浅草に連れていくつもりです。富士山を見に行くつもりです。・・・パッと思いつく文の動詞はなぜか「行く」ばかり。動詞が1個じゃ練習にならないのでNG❌
③「今度のGW、どうしますか?」:掃除するつもりです。うちでゆっくりするつもりです。どこにも行かないつもりです。サッカーの試合を見るつもりです。友だちと出かけるつもりです。京都に行くつもりです。どこにも行かないつもりです。・・・「する」が多いけれど、『日本語教育のための文法コロケーションハンドブック』でも圧倒的に「する」が多いので、これは致し方なし。いろんな動詞がたくさん出てきました!「ない形」が出てきたのもgoodですね。採用⭕️
ということで、導入場面は「休みの予定を聞く」のようなものがよさそうです。こんな感じでそれぞれの場面で例文をだしながら導入場面を決定していくといいと思います!
以下、分析の2〜4はぜひコトハジメのブログ記事でご覧ください。下記のヒントを見て、自身でちょっと考えてから記事を読まれると良いかもしれません!
2.機能は?
上の③の場面の答えって、「ハワイに行くつもりです」以外にどんな文が出ることが予想されますか。
3.質問文で使える?
「どうするつもり?」なんて問い詰められているシーンしか思いつかないですね。言われた方は心穏やかにはいられません。笑
4. 主語は誰?
自分がだした例文をざざーっと見てください。主語をつけましたか。つけていたとしたら何?つけていないのならどうして??
「山下先生は明日学校に来ないつもりです。」違和感を感じますか?
このようなプロセスで例文を考えていくと、誰がどんな時どう使うかが見えてきます。「教えるべきところ/今は教えなくていいところ」「質問されたら/誤文があったらどう対応するか」がクリアーに見えてきます。「わかる」 ことは「分ける」ことです。たーくさん例文を出して、ぜひ検証してみてください!
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