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新規就農のための農家研修の内容(当園の場合)

藤沢市で新規就農するには、行政が指定する「技術習得」をする必要があります。

https://note.com/cotomofarm/n/n8c366e61d2e5

当園では、新規就農するための「技術習得をするための研修」を提供できる認定農業者です。

研修を受けたいという問合せが多いので、当園の「技術習得のための研修」の内容や参加条件をここにざっくりまとめました。

(1)研修内容をざっくりと。


当園の場合は、実際の運営に携わってもらいながら学ぶスタイルとなります。
経営・マーケティング・接客・近隣の農家さんとのつながり作り・農業機械の使い方・農作物生産・出荷・土壌分析・栽培に必要な基礎的な理科の知識(高校レベルの生物・化学)・農地を借りる際の手続きや空いている農地の探し方など、割と幅広く学べるような感じです。

農作業中心では全然なく、どの分野も万遍なく、って感じです。

就農はある意味、総合格闘技(?)みたいなものだと思っていて、自分の得意な部分を駆使して農園の構造を作るような作業だと思っております。

なので、“どれが強いか”を知るためには万遍なくやってみる、というのは大事だと思っています。

※就農準備部の問合せが多いのと、自分が提供する学びの場は、自分の納得のいくクオリティーで提供したいため、
現在は、就農準備部に関しては、「コトモ上級者コース(100時間)」+「就農準備部(半年コース600時間/1年コース1200時間)」の2層構造のカリキュラムを組んでいます。

参考:コトモ上級者コース卒業生の声


(2)当園の研修の内容が、(1)の内容である理由


私が農業をスタートした時の状態は、ないない尽くしで、“リソースなさすぎ”という点では、結構やばい条件の人に入るんじゃないかなっていうところからのスタートでした。

①地元じゃない(実家は九州…)ので、地元の人たちとのつながりがない
②もちろん、農地も農家的な納屋付きの家もない
③女性(筋力では男性に勝てない)
④資金も技術もない

というような状況…。

でも何とか、10年以上農業を続けていけているのは、自分に“足りないもの”と“できること”にきちんと向き合って、“できること”を自分の農園の構造に組み込んできたから続けてこられたのかなと思います。
例えば、
①地元の人たちとのつながりがない→地元の農家さんたちの協力を得ながらつながりを作っていったり。
②農地も農家的な家もない→まずは①で協力をしてくださっている農家さんから農地を借りるところからスタート。
③女性→筋力・体力が足りない部分は、筋トレしたり、農業機械をうまく使いこなせるように練習したり。
④資金はいまだに悩み中ですが(笑)、技術面は、自分にできないことができるスタッフを採用して支えてもらったり。

といった方法で、生き延びております(笑)

また学校ではないので「教えてもらって当たり前」という考えではなく、
「これは自分の事業。だからこそ、自分が主体となって学び、そのために今、何をしなきゃいけないのか、何を質問するべきなのか」
と考えながら行動してきたように思います。

(3)当園の研修に向いている人

「研修」=「教えてもらう」と考えるのではなく、「研修」=「自分が学び取る」という考えで、学びを進められる人、かなと思います。

「教えてもらってないからできない」と考えるのではなく、「ここが分からないから質問しよう」と考える人でないと、当園の研修に来ても時間を無駄してしまう可能性があり、申し訳ない形になってしまうかと思います。

また、がっつり初期投資して、大規模農業を目指す方も、当園では学べることはあまりないかと思います。当園で学べることはあくまでもうちのスタイルのやり方なので、

「1人で少ない自己資金でスタートする方法が分からない」「女性1人でも始められるのか」という不安の声は、私の農園の研修では割と払拭できるんじゃないかなと思います。
私が歩いてきた道での“農園の立ち上げ方”“生き延び方”だったら伝えられるかと思います。

2024年1月現在、どんな研修生を受け入れているかというと、45歳以上の女性が2名と、以前当園で正社員で働いていた若い男性(30歳前後)の3名で、2024年春に独立就農の予定です。

(4)研修の受入れ条件

半年から一年、毎日のように顔を合わせるわけですから、相性とか、ある程度同じ方向性かとか、当園のやり方を理解して行動してくださる方であるかどうかを研修受入れ時の基準としています。

研修を開始してからというもの、研修をしたいというご連絡を想像以上にいただいているものあって、研修初めて現在まで、2022年12月以降のコトモ上級者コースの卒業生および現受講生の中からのみ受入れるようにしています。(すみません…。)


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