にしだひろみ

手紙をしたためるように詩や散文を綴っています。第26回金子みすゞ賞優秀賞。 ❁著書『い…

にしだひろみ

手紙をしたためるように詩や散文を綴っています。第26回金子みすゞ賞優秀賞。 ❁著書『いのちへ』(南の風社) /『ちいさな箱』

マガジン

  • ひみつの本棚

    ずっと共に生きたい本と 生涯忘れることはないと思う本をめぐるお話し。

  • 自己紹介

    わたしのこと、お仕事のこと、詩集のこと

  • 詩集『ちいさな箱』ものがたり

    ちいさな箱に入った詩集が できるまで。

  • 『ちいさな村の ちいさな愛しい物語』

    ちいさな村をめぐる ささやかだけど ほんとうのこと。

  • 詩集『たまゆら』

    魂が触れ合う 微かな音の記憶。

最近の記事

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わたしのお仕事のこと/はじめまして ②

高校生の頃 何かが心に溢れてきて 言葉に翻訳してみたら それはそのまま詩のようで 深々と嬉しくなりました それからは そっと言葉をさがしながら 暮らすようになりました わたしを“ママ”と呼んでくれる 小さな息子がやってきた頃 はじめての詩集ができました 本を通し たくさんのお母さん そして 親子を支えている人に 出会うことができました みなさんに会いに行き お話しをしたり 一緒に泣いたり笑ったり みんな 素敵なお母さん 素敵な方々でした 出版社さん 雑誌の編集者さ

    • 願いを叶える魔法のことば /『七いろのはなびら』

      幼い頃に 物置で見つけたこの絵本は わたしの宝物でした あれからどんなに 七いろの花を探したでしょう 七つだけの願いを 幾度考えてみたでしょう 花もおばあさんも 見つけられませんでしたが そういうことも あるかもしれないと思うことが 人生を豊かにしてくれました あの呪文は忘れられず ふとした時に 心のなかで唱えてきました 叶えられなかった願いと同じく 叶えられた願いもあったから 七いろの花ではないけれど それに近いものを わたしも持っていたのかもしれません

      • 2冊目の詩集『ちいさな箱』が発売になりました

        箱に入った小さな詩集は 箱以外すべて手作り 箱入りなのにも理由があって 蓋を開けた時の小さなサプライズも😌 完成までの物語はこちらです 『ちいさな箱』WEBサイト 素敵なご縁がありますように😊

        • ふしぎな約束/詩集『ちいさな箱』ものがたり(最終話)

          『ちいさな箱』を作る過程で 製作者のさくらちゃんと びっくりしたことがあります わたしたちは以前から お手紙のやり取りをしていました さくらちゃんは ふとお手紙を送りたくなる人で ふとお手紙をくれる人でした それから何年もたち ちいさな箱を作り始めた時 わたしがさくらちゃんに送った 過去のお手紙類の中から ひとつの詩が見つかりました それは 「秘密の箱」というものでした もちろん 未来のことは何も知らずに綴った詩 それを さくらちゃんにお渡ししていたこと あの

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          そんな空間も贈れたら/詩集『ちいさな箱』ものがたり⑤

          ものごとを コンパクトにできる時代だから かたちあるもの 手間のかかったものが かえって大切に思えます たとえば 幼い子どもからの手紙 折り紙の裏にクレヨンで  「ままだいすき」と書いてある クレヨンの字ははみ出てて 平仮名はちょっとオリジナル まだ覚えたての文字を いっしょうけんめい描いた跡 母のよろこぶ顔が見たくて いっしょうけんめい描いた跡 母にはそれは 掛け替えのない宝物 時々見ては感動したり 反省したり またがんばろうと思うのですね 『ちいさな箱』

          そんな空間も贈れたら/詩集『ちいさな箱』ものがたり⑤

          ひとつひとつ手作りで/詩集『ちいさな箱』ものがたり④

          詩集『ちいさな箱』は 箱以外 すべてが手作りです 詩に添えられたモチーフは 製作者さんの手作りスタンプ 製本も手作業で 味わいのある糸綴じです 箱のおめかしも手作業 ひとつひとつ すべてが手作業です 蓋の裏に付けられる 小さなドライフラワーは その時々で変わるので わたしの箱は何かしら?と 楽しみに開けてくださいね そんなわけで ちいさな箱は たくさん作ることはできません たくさんではありませんが ちいさな箱と暮らしてみたいと 思ってくださる方に ゆっくり

          ひとつひとつ手作りで/詩集『ちいさな箱』ものがたり④

          詩集が箱に入った理由/詩集『ちいさな箱』ものがたり③

          さて詩が決まりました デザインはどうしましょう どんな風に 持っていてほしいかな できたら お守りみたいになりたい 暮らしの隅っこにあって 時々開いてホッとしたり うれしくなったり そうだ 箱に入っていたらどうでしょう ちいさな箱に 箱の中に小さな詩集と あと何か大切なものを入れられる すき間があるような 大切な手紙とか写真とか たからものを入れて 部屋の隅っこに仕舞っていたら ちょっと心強いような こうして詩集は ちいさな箱に入ることになりました (続く

          詩集が箱に入った理由/詩集『ちいさな箱』ものがたり③

          15編の詩をえらぶ/詩集『ちいさな箱』ものがたり②

          これから作る詩集に どんな詩をおさめよう あれこれ考えました 初めは 子育てをめぐる お母さんへの詩集を考えました でも さくらちゃんとお手紙交換しながら 思いが変わって行きました お母さんに限らないで もっと広く いろんな人への詩集を たとえば 一緒に作ってくれる さくらちゃんが 持っていたいと思ってくれる そんな詩集にしたい そうしてわたしは 詩を選び直しました これまでの詩のなかから いちばん大切なものを いちばん のこしたいと思うものを 選ぶことにしまし

          15編の詩をえらぶ/詩集『ちいさな箱』ものがたり②

          お手紙から始まりました/詩集『ちいさな箱』ものがたり①

          詩集『ちいさな箱』は お手紙から始まりました 2012年に詩集を作り それ以降もゆっくり 詩を書きとめながら また詩集を作りたいな 今度はどんな風にしようかな ぼんやりと考えていました その時浮かんできた人が 友人の さくらちゃんでした 以前からお友だちだった さくらちゃん その人柄と作っておられる作品に この人と何かを作れたら··· と思ったのです わたしはお手紙を書きました さくらちゃんも お手紙を書いてくれました こうして わたしたちの間を何度も 郵便

          お手紙から始まりました/詩集『ちいさな箱』ものがたり①

          この春の花/ちいさな村の ちいさな愛しい物語④

          息子とふたり 近くの森を歩いていました 春を見つけよう 森はかぐわしく 始まりの希望に満ちています あ、桜だ もう咲いてる 山桜だね 蕾がいいね 咲こうと頑張ってる この白いのは キクザキイチゲだ こっち 紫のもあるよ 嬉しそうに写真を撮る息子の その横顔を見ながら 思い出していました わたしが2年前 お医者さんに言われた言葉 「見えなくなることも  あるかもしれません」 あれからしばらくは とても深い静寂の中に いたような気がします でも、あの日から

          この春の花/ちいさな村の ちいさな愛しい物語④

          お母さんに会いたい/「天からのたより」が生まれた日

          ✾ noterさんから素敵なコメントをいただき、「天からのたより」が生まれた時のことを、懐かしく思い出していました。

          お母さんに会いたい/「天からのたより」が生まれた日

          天からのたより〜娘へ〜/詩

          ↓この詩が生まれた日のこと

          天からのたより〜娘へ〜/詩

          紙ヒコーキ/詩

          紙ヒコーキ/詩

          遺影/ちいさな村の ちいさな愛しい物語③

          仲良しのおばあちゃん(102歳)から お電話がありました 何かご用があるようですが いつもの声と少しちがいます 伺ったわたしに おばあちゃんは言いました 「遺影を選んでほしいの」 おばあちゃんは 自分らしい最期の時のために ひとつひとつ 支度を始められたのです 遺影は、もちろん ご家族の皆さんで 決められることですが せっかくのお気持ちだから 用意していてくれた写真を 一緒に拝見 きれいな晴れ着に 澄まし顔のおばあちゃん 地元出身の政治家さんの隣で 直立不動の

          遺影/ちいさな村の ちいさな愛しい物語③

          微笑み/ちいさな村の ちいさな愛しい物語②

          あれっと思ったのは その人が去った後でした その郵便配達員さんは たまたま玄関先にいたわたしに 郵便物を手渡して下さったのですが 何かが違いました その人は 微笑んでいたのです お忙しいであろうに 静かな動作で 郵便物を届けることに よろこびを感じておられる そんな微笑みでした それ以来 自宅のポストを覗くことが 以前にも増して楽しみになりました 郵便物を見つけるたびに その人の微笑みを思いました 何年かして 配達員さんが変わり さみしく思っていたのですが 先

          微笑み/ちいさな村の ちいさな愛しい物語②

          ふたつの瞳/詩

          ふたつの瞳/詩