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算出したミニクロワッサンのレシピで実際に作ってみました

算出したミニクロワッサンのレシピはこちらです

ミキシング

折り込み用バター以外の材料を、$${10}$$分こねます。

今日から君たちはクロワッサンです

一次発酵

$${30}$$℃で$${30}$$分発酵させます。

こねこね

冷却

$${14\times14\,[\mathrm{cm^2}]}$$にのばして、冷凍庫で$${30}$$分休ませます。

びよーん

折り込み用バターの準備

クッキングシートを$${14\times14\,[\mathrm{cm^2}]}$$にして、折り込み用バター$${112.2\,[\mathrm{g}]}$$を薄くのばしておきます。

ぐにょぐにょ

シーティング

生地を$${20\times20\,[\mathrm{cm^2}]}$$にのばします。

ぺたぺた

折り込み用バターを包んで、四つ折りにします。このとき、長さは$${40\,[\mathrm{cm}]}$$を目安にのばします。両端を$${1\,[\mathrm{cm}]}$$ずつ切ってから折り込むことで、綺麗な層を作れるようにします。

幅出しをしてから、冷凍庫で$${30}$$分休ませます。

$${90^\circ}$$回転させて三つ折りにします。このとき、長さは$${30\,[\mathrm{cm}]}$$を目安にのばします。先に折りこむ一端を$${1\,[\mathrm{cm}]}$$切ってから折り込むことで、綺麗な層を作れるようにします。

ぷにぷに

幅出しをしてから、冷凍庫で$${30}$$分休ませます。

$${90^\circ}$$回転させて二つ折りにします。

少しのばして、冷凍庫で$${30}$$分休ませます。

成型

バターを折り込んだ生地を$${24\times32\,[\mathrm{cm^2}]}$$にのばします。ちなみに、このときの厚さは約$${0.42\,[\mathrm{cm}]}$$であるはずでした。

ぐいぐい

底辺の層が出るように切り落として、$${24\times30\,[\mathrm{cm^2}]}$$にします。底辺$${6\,[\mathrm{cm}]}$$かつ高さ$${15\,[\mathrm{cm}]}$$の二等辺三角形を、$${14}$$個切り出せるでしょう。

そして、それぞれ高さ$${20\,[\mathrm{cm}]}$$までのばして成型します。

ホイロ

表面が乾かないようにして、$${30}$$℃で$${90}$$分発酵させます。

すくすく大きくなってね

焼成

全卵とその半量の牛乳を混ぜて濾したドリュールを、断面につかないように塗ります。

いってらっしゃい、クロワッサン。

$${180}$$℃で充分に予熱をしたオーブンで、$${15}$$分~$${20}$$分焼きます。$${10}$$分したら一度向きを入れ替えます。$${15}$$分したら焼き色を確認し、焼き加減を調整します。

おかえりなさい、クロワッサン。

課題点

生地はそう都合よくきれいな直方体にのびてくれません。ですので、綺麗な直方体にするために、ゆがんだ部分を余計に切り落としてしまったようです。また、一様に薄くできなかったこと(特に端の部分が分厚くなってしまったこと)から、切り落とす生地の量が増えてしまったように思います。

切り落とす生地の量の想定は、$${431.1\times(1-0.753)\simeq 106.5\,[\mathrm{g}]}$$です。しかし、実際には$${150\,[\mathrm{g}]}$$もの切り落としが生じていました。

今日はクロワッサンになれなかった生地たち

にもかかわらず、最後ののばしでは狙った大きさにまで広げたため、生地が計算よりも薄くなり、クロワッサンにボリュームが出ませんでした。

切り落としが増えたということはすなわち、クロワッサンの量が減ったということです。ここでの生地の量の想定は、$${23.2\times14=324.8\,[\mathrm{g}]}$$です。しかし、実際には$${298\,[\mathrm{g}]}$$しかありませんでした。$${1}$$個あたりのクロワッサンの大きさが$${\dfrac{298}{324.8}\times100=91.7\,[\%]}$$にまで縮小してしまったのです。

生き残ったエリートの生地たち

測定した質量から歩留まりを計算すると、$${\dfrac{298}{298+150}=0.665}$$になります。想定の歩留まりは$${0.753}$$でしたから、無駄がかなり多かったと言えるでしょう。

また、ここでもう一つ想定と大きく異なる点がありました。それは、作業の途中で行う霧吹きや打ち粉です。多くのレシピでは、それらの量をほとんど誤差の範囲であるとみなし、考慮に入れていないようです。しかし、今回の結果から考えると、それらは無視できないかもしれません。

切り落とした生地と切り出した生地の和は、$${150+298=448\,[\mathrm{g}]}$$でした。しかし、想定では$${431.1\,[\mathrm{g}]}$$のはずです。つまり、霧吹きや打ち粉を$${448-431.1=16.9\,[\mathrm{g}]}$$ほどしていることになります。その重さは練り込み用バターより多く、グラニュー糖に匹敵するほどです。

これらのことから、霧吹きや打ち粉の回数を想定することによって、より正確な計算を行えるはずです。

まとめ

理論は実際にクロワッサンを作るときの目安になり、より良いクロワッサンづくりを手助けしてくれます。しかし、実際にクロワッサンを作ることはまた、理論と実践の違いを再認識させ、より実用的な計算の手助けをしてくれます。そうして理論と実践が相互に高めあって、最高のクロワッサンに導いてくれることでしょう。

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