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ミニクロワッサンのレシピを算出してみました

はじめに

二等辺三角形の大きさを底辺$${6\,[\mathrm{cm}]}$$かつ高さ$${15\,[\mathrm{cm}]}$$にしながら、$${1}$$個の生地の重さを$${23.2\,[\mathrm{g}]}$$にして、$${14}$$個作りたいと思いました。ここから、レシピを算出してみます。今回のベーカーズ%は以下の通りです。ただし、インスタントドライイーストを$${IDY}$$と略記しました。

ベーカーズ%

$$
{
\begin{array}{|c|c|}
\hline
材料 & ベーカーズ%\\
\hline\hline
強力粉 & 86 \\
\hline
薄力粉 & 14 \\
\hline
グラニュー糖 & 10 \\
\hline
塩 & 2 \\
\hline
IDY & 1.6 \\
\hline
水 & 32 \\
\hline
牛乳 & 20 \\
\hline
練り込み用バター & 5 \\
\hline
折り込み用バター & 60 \\
\hline\hline
合計 & 230.6 \\
\hline
\end{array}
}
$$

歩留まり

今回は$${24}$$層のクロワッサンを作りたいと思いました。ですから、四つ折りと三つ折り、二つ折りをそれぞれ$${1}$$回ずつ必要とします。ここで、折り込む際に切り落とす量の割合を、$${p_{four}=1/20}$$かつ$${p_{three}=1/30}$$かつ$${p_{two}=0}$$と定めました。よって、折り込みまでの歩留まりは、$${(1-p_{four})(1-p_{three})(1-p_{two})\simeq 0.918}$$です。また、$${7}$$個分のクロワッサンを切り出せるような長方形を$${2}$$個用意することにしたので、クロワッサン$${2}$$個分の生地が切り落とされるでしょう。ここで、底辺の層を出すために切り落とす生地の割合を$${p=1/16}$$とすると、求める歩留まりは$${0.918\times\left(1-\dfrac{2}{14+2}\right)\left(1-\dfrac{1}{16}\right)\simeq 0.753}$$となります。

必要な小麦粉の量

以上のことから、必要な小麦粉の量は$${\dfrac{100}{230.6}\times 23.2\times 14\times \dfrac{1}{0.753}\simeq 187\,[\mathrm{g}]}$$であることがわかります。

必要な材料の分量

同様にして、他の材料の分量もわかります。四捨五入して小数点以下$${1}$$桁まで求めると、分量はそれぞれ次のようになります。

$$
{
\begin{array}{|c|c|}
\hline
材料 & 分量\,[\mathrm{g}]\\
\hline\hline
強力粉 & 160.8 \\
\hline
薄力粉 & 26.2 \\
\hline
グラニュー糖 & 18.7 \\
\hline
塩 & 3.7 \\
\hline
IDY & 3.0 \\
\hline
水 & 59.8 \\
\hline
牛乳 & 37.4 \\
\hline
練り込み用バター & 9.3 \\
\hline
折り込み用バター & 112.2 \\
\hline\hline
合計 & 431.1 \\
\hline
\end{array}
}
$$

(バターを折り込んだ)生地の密度

簡単のため、小麦粉の重さを$${100\,[\mathrm{g}]}$$とします。また、バターを折り込んでいない生地の密度を$${1.39\,[\mathrm{g/cm^3}]}$$、バターの密度を$${0.911\,[\mathrm{g/cm^3}]}$$とします。このとき、バターを折り込んでいない生地の重さは$${230.6-60=170.6\,[\mathrm{g}]}$$、折り込むバターは$${60\,[\mathrm{g}]}$$です。よって、バターを折り込んだ生地の体積は$${\dfrac{170.6}{1.39}+\dfrac{60}{0.911}\simeq 189\,[\mathrm{cm^3}]}$$となります。バターを折り込んだ生地の重さは$${230.6\,[\mathrm{g}]}$$ですので、求める密度は$${\dfrac{230.6}{189}\simeq1.22\,[\mathrm{g/cm^3}]}$$です。

生地の厚み

底辺$${6\,[\mathrm{cm}]}$$ かつ高さ$${15\,[\mathrm{cm}]}$$の二等辺三角形に厚みづけすると、$${1}$$個の生地の重さが$${23.2\,[\mathrm{g}]}$$ということです。バターを折り込んだ生地の密度$${1.22\,[\mathrm{g/cm^3}]}$$を用いることによって、その厚みは$${\dfrac{23.2\times 2}{6\times 15\times 1.22}\simeq 0.422\,[\mathrm{cm}]}$$と求められます。

まとめ

作りたいベーカーズ%のクロワッサンについて、二等辺三角形の大きさと生地の重さと個数があったとき、歩留まりを設定することによって、それぞれの材料について必要な分量がわかります。また、(バターを折り込んだ)生地の密度を設定することによって、最終的にのばす生地の厚みがわかります。

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