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ひとりぼっちの不安

東京の会社から内定が出て、今の職場に退職の意思を伝え、受理された。
これにて転職で上京することが確定した。

進学で上京した時は、周りもみんな同じ立場(進学で地方から出てきた)だったし、住まいは寮の3人部屋で寂しくなかったし、同じ階に同じクラスの友達がたくさんいた。学校に行けばもちろんもっとたくさんの同年代の友達がいる。
高校で仲の良かった友達も数人東京の大学に進学していたので、それも心強かった。

今回は完全にひとりぼっち。
ひとりで東京に出てきて、ひとり(と猫1匹)で住んで、会社もひとりの中途採用(面接のときに数か月違いで入社した人がいたとは聞いた)。

関東には学生の頃の友達がいると言っても、会わなくなって10年以上経つし、これまで連絡もほとんど取っていない。
特に、家庭を持っている友達などは、未だに独身で学生気分が抜けない自分には想像もつかないような遠いステージにいる気がする。
今さら向こうに戻って、彼女たちがわたしと過ごす時間を捻出してくれるのかな。

そんな不安や心細さがじわじわと湧き上がってきた。

いくら、自らの希望での上京とはいえ、きっとホームシックになってしまうような気がしている。

大学進学で上京した時も実はそうだった。
東京の大学に行きたくて、それが叶っての上京だったはずなのに、やっぱり最初は寂しかった。
入寮日に寮の入り口まで付き添ってくれた祖父母に対してぞんざいな態度のまま別れてしまった後ろめたさも重なって、最初の数日は気を抜くと涙が出そうだった。

今思い出すと、毎晩誰かしらに電話をしていた気がする。
高校の友達、地元の友達、家族……

寮生活でまわりに人がたくさんいたあの時でさえそうだったのだから、今回のわたしはどうなってしまうのだろう。
あの頃と違って友達はみんな社会人や家庭持ちだから、さすがに毎晩電話するわけにもいくまい。


先日、SNSで転職と上京の予定を報告したところ、「こっち来たら会おう」とコメントしてくれた友達がいた。「引越し手伝うよ」と連絡をくれた友達もいた。

そのコメントや連絡は本当に心強かった。
わたしのことを憶えていてくれて、会いたいと思ってくれている人がいる。
寂しい時に頼っていいと言ってくれる人もいる。
それだけで、心細さが少し軽くなった。

一緒にライブ行って、一緒に帰れるね。
近くにおすすめの珈琲屋さんがあるから、連れていくね。

そう言ってくれた彼女たちの言葉を支えに、できるだけ楽しい想像をしながら、春になるのを待ちたいと思う。

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