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「働く」の変化

 いちどひとつの意識が変わったら、周りの意識も変わる。
 意識が変わると、流れが変わる。意識は生ものだから。
 そして今回の意識の変化は大きい。

 今、行動が制限される中で、多くの人が自分と向き合う形になっている。
 生存、住む場所、お金、家族、パートナー、人間関係、稼ぎ方、持ち物、心、身体、大切なもの…。
 自分にとってそれらは何なのか。どういう形のものが欲しいのか。どうやって得るのか。そのために何を手放すのか。どうやって育てていくのか。どう変化させていくのか…。

 そして、向き合って、今まで持っていた価値観や深く考えずに行っていた習慣などに湧いて出てきた疑問や思いが、「個人」の意識や行動を変えている。
 その流れで、「経営者」「企業」の採択や行動もどんどん変わってきている。

 「経営者」「企業」も「個人」が基礎になっている。「個人」である「経営者」が経営や「企業」の運営を行っているからだ。
 なので、「働く」に属することもすべて変わるだろう。

1. 世の中の変化

 今、個人も企業・経営者も「生きる」こと、「生き残る」ことに強くフォーカスしているように感じる。
 もちろん「生きる」「生き残る」ことはずっと意識されていることだが、今はより「生」に対する真剣さ・真摯さが強い、と様々な方と話すたびに感じる。

 変化は、
 「個人」としては
 ・仕事=出社と思っていたのが、出社しなくても自宅でもできるのか
 ・やっぱり会社に行かないと落ち着いて仕事ができない
 ・自分や家族と向き合える時間が増えたら、今までの生き方・働き方でいいのかな?と疑問が出てきた
 ・仕事そのものができなくなり、どうしよう
 ・職場に出勤したくないのに出勤せざるを得なくて、もうムリ!と思う
 ・激務になって、ギリギリの状態にいる
 ・人間関係がつらくて会社を辞めたいと思っていたけど、リモートワークで気が楽になり、やっぱり仕事自体は好きだな、と気づいた
 などなど

 「経営者」「企業」としては
 ・今までだったら回せていたものが、体力(資金・仕組み)が足りなくて今後は回せなくなるかも…と危機感を持っている
 ・優先順位をつけて事態に対応しているうちに、不要なことが多くあったことに気づいた
 ・当たり前だと思っていた仕組みが、実は非合理的だった
 ・勤務形態や配置を暫定的に変えてみたら、生産性が上がった
 ・金銭面だけでは解決できない事情が出てきた
 ・取引相手とのやり取りについて、考え直す点が出てきた
 ・あらたな事業が始まった
 などなど

 現在の状況はそれぞれで、今できることを各々がしている。
 まだまだ多くの変化が出てくるだろう。
 変化が多く、大きく、コロナウィルス禍が終息しても、今年1月と同じには戻らないだろうなぁ…と思う。

2.「働く」の意識の変化

 いちど浮かんだ思いや気持ちはすぐに消えない。
 忘れたとしても潜在意識に残り、少しずつ自分の現実として現れてくる。
 「個人」としての変化は少しずつでも、人口分の変化は、大きい。
 諸事情により働き方を変えざるを得なくなった方とともに、今後、働き方・生き方を自発的に大きく変える「個人」も多くなるだろう。

 「経営者」「企業」の意識も大きく変化するだろう。
 体力(資金)やリソースによって、変化のスピードは企業ごとに異なる。
 だが、生き残るために、ほとんどの「経営者」「企業」は、今年度後半に集中して売り上げを回収する必要が出てくる。
 1年で回収していた売り上げを、半年で回収するとなると、今までの思考や手法が通用しない。
 急激に変化を求められる。
 また、場合によっては、取引先の事情など外的要因で仕事量・仕事内容に大幅な変更も出てくるだろう。
 ターゲットやマーケット、手法、事業内容、組織、仕組み…状況に合わせて何を変えるか、早急に考えなくてはならない。
 「企業」の体力や考え方によっては、雇用の調整も検討されるだろう。

3.採用の変化

 「経営者」「企業」の変化にともない、採用側の採用・雇用に対する考え方も変わってくる。
 採用の基準や求められる人物像が変わり、今までのような価値観が通じなくなるだろう。
 今まで「良し」とされていたことが、変わらず「良し」となるとは限らない。
 反対に、マイナスポイントと思われていた性質や経験が、大きくプラスに転じることもありうる。
 「優れている部分」「長所」の概念や認識も変わるだろう。

 いわゆる「採用情報」には、その変化はほぼ載らない。
カラーや「軸」の明確な企業からは、変化や変わらない部分を、ある程度は読み取れる。
 だが、大きく転換を迫られている企業は、読み取りにくい。
 経営の仕方を模索中だったり、事業や組織を変化させている最中だったり、一時的に現場が機能しなくなっていたり…するからだ。
 こういう人に来てほしい、と思っても、しばらく後に、真逆の人の方が適任かもしれない、と変更する可能性もある。

 本来、採用側企業と求職者には、どちらが上も下もない。
 ただ、需要と供給が合わない場合は、採用側企業が立場的に上位になりやすい。
 たぶん、今後はしばらくそうなるだろう。
 そのため、今まで以上に企業側に寄せて自分をアピールできるかが重要になる。
 表に現れていない企業の変化も想像することも必要になるだろう。

 だが、「自分軸」がはっきりしてない場合、企業側に寄せると、どうなるか?
 採用に結びつきにくい。
 採用に至っても、入社後にミスマッチになる可能性がある。
 自分も企業もおたがいにハッピーにはならないだろう。

 なので、緊急に仕事が必要な場合にも、少し転職活動に時間を使える場合にも、今回向き合って出てきた「自分」を正直に「軸」にしよう。
 自分を生きるために、どういう姿勢・理想を持っているのか(条件ではない)。いくら必要なのか(希望ではない)。自分の何を使って何を提供できるのか。何時間使えるのか。どういう環境で才能を発揮できるのか。緊急に金銭が必要な場合はいつまでにいくら必要なのか。
 特にこれらを明確にしたうえで「軸」をつくり、企業側に寄せる。
ブレが生じにくく合理的で、そして今まで以上に必要だと思う。

4.「働く」

 採用の方にも踏みこんだが、「働く」は今後概念自体も大きく変わるだろう。
 長年いろんな方から概念をうかがっているけど、細かい部分まで見ると、ひとりひとりでちがう。
 そして、ひとりの方の中でも、年を経るごとに変化をしている。
 特に大きな変化のときなので、今まで以上に変わるだろう。

 私自身は今のところ「働く」=「自分を生きるために必要なリソースを得ること」だと思っている。
 そのリソースは、お金だけでなく、物、経験、スキル、思い…など様々。

 「働く」は生活から切り離されたものではく、生活の中のひとつに「働く」というパーツがある。
 だから、「働く」目的は「お金を稼ぐ」ことでも、「人生を楽しむ」ためでも、「するべきことがある」でもよいと思う。それが「自分」なのであれば。

長くなってしまったので、書きたかった「才能」は次回書きます。

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