小野真嗣

臨床心理士と公認心理師をもつ心理職です。相談業務経験15年以上、相談件数7000件以上…

小野真嗣

臨床心理士と公認心理師をもつ心理職です。相談業務経験15年以上、相談件数7000件以上。 noteでは①心理職を目指す若手の方が参考になる情報、②業界に対して思っていること、③プライベートなことを書きます。

最近の記事

実現の不安:「いつかうつになる」と言われた予言が現実に

仕事に没頭していた私ですが、 30代前半に訪れた、どうしても頑張れない時期がありました。 朝、起きようとしてもできないのです。 本来は朝型人間で、起床に苦労したことがほとんどなかったため、 これは異常だと感じました。 仕事を1日休んでも、 翌日も体調は回復せず、 仕事のパフォーマンスは顕著に低下しました。 記憶が定かでなく、過度のストレスを感じると、 「死にたい」という思考が絶え間なく巡ります。 寝ようとしても眠れず、朝を迎えるたびに、 地獄のような心境に苛まれました。

    • 三度の肩たたきとその真意:カウンセリングの現場から独立への道

      教育相談関係の機関やスクールカウンセラーとして勤めていた頃、 私は全力で仕事に打ち込んでいました。 早く一人前になりたい一心で、 目の前の親子にどのように貢献できるかを常に考えて行動していました。 その甲斐あって時折、顕著な成果を上げることもありました。 これは上司にも認められていたと感じています。 しかし、当時の環境に強い愛着を持っていた私とは異なり、 何人かの上司や先輩たちは異なる意見を持っていました。 彼らは私の熱意と努力を評価しつつも、 「君は他の場所でさらに大きく

      • 文字との戦い:国語が苦手な私の成長物語

        小学生のころから、私は国語が苦手でした。 特に作文は手が付けられず、 テストの成績も芳しくありませんでした。 しかし、中学生時代の模試で国語の偏差値が38という結果を受け、 高校受験を控えて家庭教師をつけることになりました。 初めは抵抗がありましたが、 先生の励ましを受けながら少しずつ努力を重ねるうちに、 偏差値は大幅に向上し、読書の楽しさにも目覚めました。 この経験が、後に心理学の専門書を読む基礎となりました。 臨床心理士としてのキャリアをスタートし、 業務の一環として研

        • 心理職の新境地: 個性が光る瞬間の発見

          社会人生活が始まってから4年間、 私は自分をごく普通の心理職だと思っていました。 しかし、時間が経つにつれ、 認知行動療法を使いこなせるようになり、 不登校の子どもたちへの支援における その有効性と限界を見極めることができるようになりました。 その頃の私は、周囲に目を向ける余裕もなく、 より良い支援者になることに全力を尽くしていました。 社会人5年目に入ると、 私はあるNPO法人の代表となりました。 そこで気付いたのは、 実は「カウンセリングを行いたくない」と考える 心理職

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          挫折の連続?資格試験に挑んだ受験に弱い男の壮絶な戦い

          はじめまして、私は資格試験に挑む受験に弱い男です。 挫折の連続と言っても過言ではありません。 高校受験も大学受験も失敗し、メンタルはズタボロでした。 そして、臨床心理士試験への挑戦は、 私にとってはまさに壮絶な戦いでした。 何度も失敗してきた中で、 臨床心理士試験は特に恐ろしかったです。 仲間たちと一生懸命勉強しても、私だけが落ちました。 その理由がいくつかあります。 ① 仕事に燃え過ぎていたこと。  充実した仕事に没頭し過ぎて、エネルギーを削ってしまいました。 ②

          挫折の連続?資格試験に挑んだ受験に弱い男の壮絶な戦い

          驚異の才能か、それとも…?新卒がSCに採用された理由の秘密

          今ではごく一部の地方を除いて、 新卒でSCに採用されることは考えにくいと思いますが、 私はその幸運な一人です。 同期の中には採用されなかった人もいましたが、 私が成功した理由について考えてみます。 ① 私は教育委員会関係の ボランティア活動や訪問支援を行っていましたので、 その経験をアピールすることができました。 これは、何もない新卒よりも強みになったと考えています。 ② 教員免許を取得していた経験から、 現場の感覚を持っていました。 教育実習の経験もありますが、それは短

          驚異の才能か、それとも…?新卒がSCに採用された理由の秘密

          元校長先生が熱心に臨床心理学の勉強をしていて刺激を受けた話

          私が勤務していた教育相談機関は、 退職した校長先生達が何人か勤務をしていました。 その中にいた1人の先生が臨床心理学を熱心に学んでいて、 本当に驚きました。 その先生はある口座に行って勉強したことや、 そこで学んだ様々な心理支援の方法を学んでいました。 退職して全く違う分野に来たとはいえ、 ここまで熱心に勉強をしていた元校長先生は数人いましたが、 この先生は本当にすごかったです。 社会人1年目でとがっていた私でも、 「こんなに熱心に勉強している専門外な人がいるのに、 専門

          元校長先生が熱心に臨床心理学の勉強をしていて刺激を受けた話

          カウンセリングで行き詰った時に、学び、自分の内面に向き合い、目の前の子ども達のことを考えた

          大学や大学院で学んできた臨床心理学が 全然通用しないじゃないか‼ 心の中でそのことに気づいている人は多いと思います。 万能な支援方法なんてありません。 弱点があるから、新たな支援方法が開発され続けているのです。 大学で応用行動分析学や認知行動療法を学んだ私。 現場で使えるようにと思って、 懸命にワークショップにも通って学びました。 学生時代の実習やボランティアで受けていた仕事が 案外うまくいったので、 「現場に入ってもイケるんじゃない?」 と思っていました。 ところが、こ

          カウンセリングで行き詰った時に、学び、自分の内面に向き合い、目の前の子ども達のことを考えた

          資格取得や学会発表をして、個性的な心理職を目指す

          「臨床心理士です」、「公認心理師です」 と言ってもあまり珍しくもない時代になった気がします。 まだまだ一般的には珍しい職業なのかもしれませんが、 業界内にいるといずれかの資格を持っていることが 必須なケースもあるためです。 特に就職する場合はそうだと思います。 臨床心理士を取得した後に、 「次は何をすると自分の個性を出せるのだろう?」 と考えたことがありました。 臨床心理士をしていて、SCをしている方。 どこにでもいますからね。 そこで考えたのは、 「認知行動療法をやって

          資格取得や学会発表をして、個性的な心理職を目指す

          スクールカウンセラーのイメージを覆す!新世代が活躍する理由と未来へのチャンス

          スクールカウンセラー(SC)の給料設定は、 ベテランが担当することを想定している聞きますが、 多くの声が「若手には負担が大きすぎる」と指摘しています。 確かに、ベテランは安定感があり、 多くの教員は経験豊富なカウンセラーを求める 傾向にあるのは理解できます。 しかし、私はスクールカウンセラーとして ベテランだけが適任だとは思いません。 以下にその理由を説明します。 若手の信頼関係の強さ: 若手カウンセラーは子どもたちとの年代差が少なく、彼らの文化を理解しているため、信頼関

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          カウンセリングにつながるには、雑務ができるかどうか

          若手の心理職がカウンセリングをできるのは、 時間がかかると思います。 どんな現場でもそうですが、 「この人に仕事を頼んでみようかな」 と思ってもらえる仕事ができることが大切です。 SCでも教育相談機関でもそうだったのですが、 若手の時には仕事を任せてもらえないこともありました。 SCの場合は、 先生方の仕事のお手伝いできることが案外大切です。 私は自習になっている教室に入って、 騒いでいる子どもの対応をしたこともあります。 後で担任の先生に、 「私の判断で勝手に対応してし

          カウンセリングにつながるには、雑務ができるかどうか

          カウンセリングの経験値を上げるなら、SC、教育相談機関、EAP、カウンセリング重視のクリニック

          公認心理師の仕事も多岐にわたります。 一般の方は相談業務のイメージをもちますが、 業界の方だと、心理検査を行うイメージもありますよね。 最近であれば心理教育とかも含むでしょうか。 相談業務のスキルを上げるなら、 SC、教育相談機関、EAP、カウンセリング重視のクリニックだと思います。 以下に詳細を書きます。 ①SC いうまでもなく、相談業務の筆頭はSCでしょう。 多くのSCさんが仕事をしています。 単年契約ですが、時給が5000円近いのは魅力でしょうか。 SCで生活費を稼

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          就職するために、学生のうちから実践経験を積み、ボランティアで学校領域とのつながりを作っていました

          大学院卒の時点では何の資格もなかった私。 ただ若くて勢いがあるだけの人間では、 さすがに採用は厳しいと思っていました。 2024年現在、臨床心理士も公認心理師も3万人以上いる状況ですよね。 そんな中で競争をしなければならないのはハードだと思います。 厳しいのは確かなのですが、私なりにやっていたことを公開します。 ①行動療法や行動分析学を使えるレベルまで引き上げた 大学院の実習だけでは現場で仕事にならないと感じた私は、 行動療法や行動分析を使えるような練習をしていました。

          就職するために、学生のうちから実践経験を積み、ボランティアで学校領域とのつながりを作っていました

          心理職になるなら、やりたい仕事を目指そう

          心理職になってやりたいことは何か? これを考えることがあると思います。 大学や大学院時代に考えたことがあるでしょうか? あるいは転職の機会の時でしょうか? 私の場合、 大学受験に失敗して浪人している間に、 人生に行き詰まりました。 ひきこもっていた時期に見えてきた答えが、 ・臨床心理士になりたい ・スクールカウンセラーになりたい ・困っている子どもに、カウンセリングでサポートをしたい の3つでした。 そのため就職する時に最優先することは、 「カウンセリングができる仕事を選

          心理職になるなら、やりたい仕事を目指そう

          スクールカウンセラーの仕事を増やしたいなら、「同じ釜の飯を食べる」

          スクールカウンセラーの仕事を9年やっていました。 今までに小学校と中学校に行っていましたが、 仕事を増やそうと思っても、できることと難しいことがあります。 東京の学校では全員面接をさせてもらえる動きがあるようですが、 他のエリアでは教育委員会が「やってください」と指示が出ない限り、 難しい話でしょう。 よほどSCを認知してもらいたい と思って下さる管理職がいれば別ですが、 残念ながら、そんな先生はめったにいません。 私なりに7年間やってみて一番効果があったのは、 「同じ釜

          スクールカウンセラーの仕事を増やしたいなら、「同じ釜の飯を食べる」

          若手の心理専門職が参考になる情報、業界の動きについて、個人的なことを書いていきます

          私は臨床心理学を学んで、臨床心理士という資格を取得しました。 実務経験は15年以上、相談件数はこれまでに7000件あります。 教育現場でのスクールカウンセラーや教育相談機関で 相談業務を行ってきました。 医療機関、放課後デイの経験もあり、大学での実習指導経験もあります。 現在はカウンセリングルームμという神戸と倉敷で 開業カウンセリングを行っています。 不登校の子をもつ親向けにYouTubeチャンネルを開設しています。 noteでは次の3つのことを書いていこうと考えています

          若手の心理専門職が参考になる情報、業界の動きについて、個人的なことを書いていきます