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Razorlight配信ライブ感想

 本当はEasy Lifeのアルバムがいいって話を書きたかったんですけど、書きながら自分の語彙の乏しさに絶望したので、日本に現存する数少ない(多分)ファンとして、Razorlightの配信ライブの話でもしようと思います。まったく根本の解決になっていませんが。

 上のTwitterにあるとおりライブは6月2日に配信され、現在もアーカイブのチケットを3000円強で買うことができます(購入後1ヶ月何回でも視聴可能)。洋楽好きとしては配信ライブはアフターコロナでも定着してほしいところですが、そのくらい払うなら期限付きとか言わないで欲しいなと思ったり思わなかったり。ライブ動画のダウンロード版とかもっと安かったような気が。この辺は一期一会のライブ感の演出と思って割り切るしかありません。
 以降はセットリストをがっつりネタバレしますので、これから観ようかなという奇特な方はご注意ください。

仲直りは今だ!

 Razorlightの得意技と言えばメンバーチェンジですが、今回も得意技を発動し、新ラインナップでの初ライブとなります。しかし今回のメンバーチェンジはファンとしてはテンションが上がります。なんせ黄金期のラインナップが復活したのですから!つまり、

Johnny Borrell (Vo./Gt.)
Björn Ågren (Gt.)
Carl Dalemo (Ba.)
Andy Burrows (Dr.)

の4人です。Björnが復帰した時にもしや、という期待はありましたが、最大のヒット曲"America"のソングライターでもあり、そのクレジットを巡って遺恨を残して脱退していったAndyも戻ってきたのは意外でした。
 因みにここ最近正式メンバーとして名を連ねていた、故Adam SchlesingerとのFever Highでもお馴染みのReni Lane(Key.)も引き続きサポートで参加しています。

 Johnny Borrellのファッションは初心に帰って白くなるのか等々気になるところは多々ありますが、やはり一番は何を演奏するのか。結論から言うと、セットリストはこんな感じです。

In The Morning
Stumble And Fall
Golden Touch
Vice
Get It And Go
Los Angels Waltz
Hold On
In The City
You And The Rest
Before I Fall To Pieces
Up All Night
Which Way Is Out
Who Feels Love?
Rip It Up
Somewhere Else
America

(ボーナストラック)
Blood For Wild Blood
Wire To Wire
Kirby's House

 1st〜3rdの曲のみでJohnny以外の3人が関わっていない2018年の復活作は見事に無視されていますが、久々のリユニオン、その初ライブなのでこれは仕方ないでしょう。Andy Burrowsが叩く"Olympus Sleeping"とか聴いてみたかったですけどね。

 さて、肝心のライブですが、上の写真のとおりお馴染みのクソダサロゴライトの前で歌うシンプルなスタジオライブで、グレイテスト・ヒッツなライブであることも相まって飛び抜けたものとか新しさみたいなものは皆無ながら、やっぱりロックンロールっていいなと感じる熱くていいライブでした。本人達も楽しそうで何よりです。

 やはりこのバンドの肝はAndy Burrowsの抜けが良くパワフルなドラム。1曲目の"In The Morning"イントロのあのドラムが始まった瞬間から、再始動後のライブ映像を観た時の物足りなさの原因はここにあったのかと、まざまざと見せつけてくれます。完コピではあれチューニングなのかなんなのか、アレはモッタリしてて正直イマイチでした。
 そこに薄くディレイのかかったBjörnのギターが爽やかな風を運んできて、気分はザッツ・2000s(ここも再始動後はただ軽く歪んだ、いかにもなガレージロックギターで良くなかった)。瞬間脳内に溢れる3年間の青い春、って感じです。

 ドシャドシャと輪郭がよく分からないままポップさと勢いだけで突き進んでいく"Rip It Up"、その中盤のギターソロ以降、グダグダになりそな所でドラムの力業で軌道修正してサビに突入する瞬間こそまさにバンドのケミストリー、ライブの真骨頂で、ハイライトはここです。

 あと、リユニオンにありがちな刺激のなさ/同窓会感に一石を投じる異物感を放つReni Laneの存在はやはり特筆すべきかと思います。 元々別に鍵盤が必須じゃないシンプルなガレージロックの彼らにあって、やることがない時はパーカッションに徹したりはけたり、ドラムの前に座り込んで休んだりドラムを叩きつけたり(冒頭の写真)、と目が離せません。
 佇まいにも華があり自身も結構いい曲を作るソングライターですし、この後どのくらいバンドに絡むのか分かりませんが、要注目です。

 最後に。Johnny Borrellのファッションは全身白づくめでこそないものの安心の残念さでした。

剃刀光絶対応援宣言

 次はいつ得意技が発動するのかという不安もありますが、夏頃から復活するイギリスのフェスにも次々出演が決まっており、このラインナップで新作の製作も進行中のようです。それを伝えていたAndy BurrowsのTwitterが最近非公開になったのが悪い前触れではないといいのですが。

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