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「強み論文100本ノック」はじめます

こんにちは。紀藤です。数日前に”「強み論文」について100本読んでnoteにまとめる"をプロジェクトとしてやろうと思いつきました。
題して、『強み論文100本ノック』。

完全に思いつきですが、その背景には色々思うところもありまして。今日はその背景について言葉にしてみたいと思います。

「なぜ強みが大事なのか?」を深く説明できないもどかしさ

今から6年前、2018年に人材開発・組織開発の会社を起業しました。当初の理由は崇高な目的があるというより「営業だけではなく人前で話したり、経営的な目線を持ちたかった」みたいな、そんな理由です。

ただ当たり前ですが、売るものがないとお仕事になりません。ということで「ストレングス・ファインダーの認定コーチ」を取得しました。今はものすごい数の認定コーチがいますが(毎年100-200人ずつ増えていっている模様)、当時はまだ少なく、これを軸に企業研修を展開しようと思ったのでした。

実際研修をやると、実に高評価で、手応えもありました。しかし困ったことがありました。それはストレングスファインダーの魅力を伝えても「なぜ強みが組織において大事なのかを説明できない」のでした。強みに基づいた対話が大事といっても「強みもそうだし、そもそもなぜ対話が必要なのかすら説明することができない」。この現実を突きつけられたのでした。

成果に厳しい人には「それで会社が儲かるの?」「それで営業成績伸びるの?」で一蹴されてしまいます。ゆえに、営業活動をしていても「強みや対話が好きな人探しの旅」になってしまうことをもどかしく感じていました。

強みの意義を「科学的」に伝えたい

ですが、強みの研修の参加者の声を聞いてみると「自分の強みを意識するようになってから、仕事をするのが楽になった」とか「強みについてお互い対話をすることで、お願いがしやすくなった」と役に立っている手応えはあるのです

「「強み」なるものが経営的な観点でどの様に役に立つのか?」これをもっと研究などのアカデミックな知見から語れたら、説得力を持つのに。。。物語ベースだけではなく、科学的な根拠を持って伝えたい。その思いが強くなっていきました。

武器を与えてくれた立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)

そんな中、ひとつの出会いがありました。それの出会いが立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)です。ホームページでは、

「豊かな経営学知識」に基づきながら、「次世代のリーダーシップ開発(人材開発・組織開発)」を企業・組織で推進することのできる高度専門人材を育成することを目的にした、まったく新しい大学院です

https://ldc.rikkyo.ac.jp/

とありました。説明会を聞くと、自分が求めていた「経営学とアカデミックな視点」が手に入るようだぞ。。。勢いで受験、ありがたいことに無事入学でき、2年間の濃厚な学びを経て、あっという間に卒業となりました。

そこで手に入れた武器が何か?と言われると、仲間・知識・自信などなどたくさんあるのですが、その中でも「巨人の方に乗る(Stand on the shoulers of giants)」という姿勢は、この曖昧な人と組織という海を旅する大いなる武器となりました。

自分が知らないと思っていることも、実は「世界中の研究者たちが、その人生を捧げて数々の研究をしている」という事実を、大学院の2年で知りました。

例えば、強みについても「強みに注目した対話によって、上司と部下の関係が改善される」という研究もありました。Google scholarを調べれば、そこには「強み」がエンゲージメント、生産性、組織市民行動、従業員のウェルビーイングなどに影響を与えたとする論文が、いくつもありました。

自分が知りたかった「科学的根拠」なるものは、確かにそこにありました。そこにアクセスする方法を知れたことは、大きな大きな収穫でした。

「強み」について調べていく中で、自信と確信が生まれていった

それからその世界の研究が面白く。「強みの活用」についても論文を調べ、メルマガとして発信してきました。2023年11月時点では、約50本ほどの記事になっていました。(以下URLその内容をまとめています)

このプロセスを通じて疑問をぶつけられても、「強みに関してある程度のことなら自分なりに答えられるという自信」や、「自分は大切なことを届けているのだという確信」が高まったと思います。

しかし、まだまだ理解できていないこともたくさんあります。同時に「強みに関する論文」は2010年代前半ごろから経営と接続された文脈での増えてきたように見えますが、そうした論文は日本の人事や経営の中ではまだまだ知られていないようにも思えます。

 一方、日本では今「強みの活用」について萌芽期からだんだんと成長期に向かっているようで、勢いづいています。しかし、一方まだまだそれらは一部の人しか理解していません。日本は謙虚の文化の裏返しなのか、承認や強みに目を向けることが、とても苦手な国民でもあるように感じます。

「強み活用」の科学的根拠をまとめてお届けしたい

こうした背景を全てひっくるめて「自分が読んだ強みの論文を、何かしらの形でお届けできたら、日本社会の役にも立つし、自分がこの分野で専門性を高める上でも良い経験になるだろう」と思いました。

「受け取る人」から「届ける人」になっていきたい、と思います。私が読んだものをおすそ分けする形でも、何かしら、誰かの役には立てるように思います。

これから100本目指して、強み論文の探求の旅を続けて参りたいと思います。ということで、よければお付き合いいただけますと大変うれしいです。

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