見出し画像

金星とアフロディテ:ギリシャ神話で理解する西洋占星術

ギリシャ神話原初の神である「ウラノス」の男根から生まれたアフロディテ。
"切られた男根"から生まれた「女神」は一体どんな性格なのか。

また、その女神は占星術の「金星」とどう結びつくのか。

今回は金星とアフロディテをテーマに見ていきましょう!

■アフロディテの特徴

・ウラノスのちょん切られた男根から生まれた
・とにかく美しい
・豊かな金髪
・美の象徴
・多くの男を魅了
・男性神や英雄たちとの数多くのロマンス
・アレスとの不倫

・愛の神
・美の神
・魅力の神
・性的魅力の神
・生殖の神
・魅惑の神
・情熱の神
・豊作の神
・大地の神

■ボッティチェリから見る金星の「美」

アフロディテと金星を理解するのに、「ボッティチェリ」という絵からまずは理解していきましょう。

※ボッティチェリに描かれているヴィーナスとアフロディテは厳密には別とされてもいますが、今回は西洋占星術における金星の理解が主題なので同じと見ていきます。

真ん中の女性がアフロディテ(ヴィーナス)。

このボッティチェリが、金星の要素を端的に表しています。

右側:季節と時間の神が表す「地」

まずは絵の右側。
木々が描かれている場所にいるのは、季節と時間の女神、ホーラです。

きれいな織物をアフロディテにかけてあげようとしています。

このきれいな織物は、エレメント「地」的な労働の結晶です。
織物というのは、"地道な労働"があって出来上がるものです。

ここでは金星の、美しい「地」要素を感じてください。

地道に美しいものを追求する。

星座で言うと、牡牛座的なエレメント地の「美」を象徴しています。

左側:西風の神と精霊が表す「風」

次は反対に左側。
西風の神ゼフィロスと風の精霊が描かれています。

目を凝らすと、可愛らしい花が舞っているのも見えます。

花は「風と美」を象徴しています。

織物と比較すると、花は長い時間の労働で作り上げるものではありません
言うならば、その辺に綺麗に咲いているのが花です。
それをとってきてひょいっと渡すイメージ。

美を味わう、美を消費する、が左側のイメージ。

エレメント「風」的な美です。
牡牛座的な美と比較すると、「天秤座のような美の消費感」を象徴しています。


まとめると、このボッティチェリは、金星の美の要素(風、土)が描かれた一枚の解説図みたいなものなのです。

・天秤座の「風的な美」→ファッション
・牡牛座の「地的な美」→名作、時代を超えていくクラシック



■アフロディテのエピソード


アフロディテの代表的なエピソードを見て、どんなキャラクターなのか掴んでいきましょう。

①ウラノスの男根から誕生

世界を創った原初の神ガイア。
その次に生まれたウラノスという二人の神がいました。

ガイア(母)とウラノス(父)は子どもを作ります。
ウラノス(父)は子どもを恐れ、生まれてきた子ども次々と地獄に閉じ込めます。

そしてある日、一人の子どもに、ウラノス(父)は男根を切り落とされてしまいます。(恐怖

その切り落とされた男根が、海に落ちて、湧き出た泡から生まれてきたのがアフロディテです。

繰り返しますが、アフロディテは男根から生まれてきたのです。

「男根から生まれてきた女性」
→このことから、アフロディテは「男の理想の女性像」の象徴と解釈できます。

・美的
・誘惑的
・魅力的
・性的
・情熱的

が特徴のアフロディテには、男根から生まれたという背景があるのです!
(おぉ…

実際も西洋占星術における金星は、男性の「理想の女性のタイプ」ともされますよ。

まさに男の理想をそのまま具現化したような存在アフロディテ。

②トロイの黄金のリンゴ

もっとも美しい者へ渡される「黄金のリンゴ」というものがありました。

その黄金のリンゴをゲットすべく、

ヘラ、アテナ、アフロディテという3人の女神が「私が最も美しい」と主張し合いました。

誰に黄金のリンゴを渡すか決定権を持つ男性に対し、3人の女神はそれぞれ以下のように打診しました。

ヘラ「お前を王にしてやる」
アテナ「お前を無敵にしてやる」
アフロディテ「お前に一番の美女をあげる」※ヘレネ

その結果、「一番の美女をゲット」という提案に惹かれ、アフロディテに黄金のリンゴを渡しました。

ただ、その一番の美女(ヘレネ)は既に、ある王国の妻であったため、奪った国VS奪われた国で戦争になってしまったのです。

このエピソードの象徴は
・欲望
・誘惑
・争い
です。

金星は自分の「楽しいこと、美しく感じるもの」を表します。
それらは美の誘惑と欲望を象徴しているとも解釈できます。

人は欲望を満たすためなら争いも厭わないこと、
そして欲に飲み込まれると、不幸にもなりかねいことを暗示しています。

③アレスとの不倫

美の女神アフロディテは、ヘパイストスという"不細工な男"と無理やり結婚させられました。

無理矢理結婚させられたのもあるし、美しくて欲望に忠実なアフロディテは、戦争の神アレス(火星)と不倫をしてました。

夫ヘパイストスは怒って、二人が不倫している姿をそのまま捉え、公衆の面前に晒したのです。

このエピソードは、金星の"肉体的な欲望"を象徴しています。
そして欲望が引き起こす混乱。

みんなの前で裸で二人が晒されたのですから涙

占星術において「結婚は月」「金星は恋愛」となっているのは、恋愛は結婚に比べて欲望と快楽の要素が大きいからですね。

アフロディテのエピソードはまだ他にもあります。
気になる人はググったり、書籍をあたってみてください^^

金星が表す「融合」

金星を理解するため、「融合」というキーワードを一つ抑えておきましょう。

愛、美、調和、恋愛、欲望、性といった金星のイメージを、抽象化すると「融合」という言葉に繋がります。

金星は「楽しみたい」星です。

では、楽しみたいとは何か。

・好きな音楽、映画、ライブ
・美しい自然、芸術
・友達との会話、飲み会
・時間を忘れて没頭する趣味
・好きな人と一緒に過ごす時間

上記のような「楽しんでいる」瞬間は、余計な雑念から解放され、"この世界と一体化"している感覚があると思います。

「この世界に溶け込んでいる感覚」と言ってもいいでしょう。

金星的「楽しい」という感覚は、まさに融合なのです。

この融合感覚(楽しみたい感覚)は、この世界で一人ぼっちの不安と孤独からの、逃走と見てもよいでしょう。

それもあって、人々はお金を求めたり、貯め込んだりする。
だから金星はお金を象徴する天体だ、という解釈もできますね。

(※アフロディテは大地・豊作の神でもあるので、豊かさの象徴でもあります)

繰り返しますが、金星が表す融合欲求
・恋愛
・芸術
・自然
・友達
・趣味

これら我々に美を感じさせるものは、融合を味あわせてくれるのです。

■金星の年齢域

金星の年齢域は15歳~24歳。

ちょうど恋愛や仲間を意識する時期ですね。

水星期(7~14歳)は、色んな友達との交流がメインでした。

今度は、自分の価値観に合う人を見つけ、そういった人たち過ごす時間を増やす時期。
また自分の価値観を見定める時期でもあります。

「自分は何が好きか」価値観を育む時期。

金星期に好きになった音楽を一生聴き続けるのも、納得ですね。

金星が示す
・好きなもの
・楽しいもの
・美しいもの
・豊かな気分にさせてくれるもの

金星のイメージが段々はっきりしてきました。

■あなたの金星は?

最後までお読みいただきありがとうございました。

金星は自分の「美の価値観」とわかって、どうでしたか?

自分のサイン、ハウスと照らして気づきはありましたか?

よければ、あなたの

──────────
●金星サイン(もしくはハウス)
●しっくりくるかどうか
──────────
の2点を教えてください^^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?