HekA「S.M.O.G.」全曲解説
愛知のラッパー、agulがリリースしたシングル「echo!」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。
名古屋のクリエイティヴチームのTripRoomは1月21日(土)、チームでプロデュースする新鋭ラッパーのagulのデビューシングル「echo!」をリリースする。同曲にはTripRoomからラッパーのHekAが客演に参加。また、リリースにあわせてTripRoomのYouTubeチャンネルからMVも公開する予定だ。
TripRoomは、ビートメイクも行うラッパーのHekA、ビートメイカーのGenef、デザインや映像を手掛けるRyo Tokiyoshiによる三人組クリエイティヴチーム。agulはHekAの出演イベントにリスナーとして訪れたことをきっかけにTripRoomと繋がり、その後周囲からの刺激に後押しされてラッパーとしての活動をスタートしたという。
今回リリースするシングル「echo!」は、agulが初めて制作した楽曲。ビートはHekAが2021年にリリースしたEP「S.M.O.G.」にも参加していたkotaro.が手掛け、UKドリルの要素を取り入れたエモーショナルなものに仕上がっている。メロディアスなフロウで揺れ動く心境を描くagulに対し、HekAは落ち着いたフロウで強い意志を覗かせるようなラップを披露。息の合った掛け合いを聴かせつつも、二人のスタンスの違いを強調するようなアプローチを見せている。
ミックスとマスタリングはHekAが担当し、アートワークとMVはRyo Tokiyoshiが手掛けた。MVは自然や街の風景にゲーム画面を思わせる映像が挿入される、現実と仮想空間を行き来するようなものとなっている。
また、リリースぺージ用の紹介文も担当しました。
プレスリリース中でも触れましたが、今回のシングルでは同じく愛知で活動するラッパーのHekAを客演に迎えています。そこで、HekAのEP「S.M.O.G.」を全曲解説します。なお、「S.M.O.G.」も私がプレスリリース文章を担当したので、あわせて是非。
1. FLY
セルフプロデュース。
落ち着いたギターと手数の多い808を用いたトラップ路線の曲です。エモーショナルになりすぎない歌フックが印象的。
2. marble
先行シングルとしてリリースされたBill Jake Beats制作曲。
フューチャーベースっぽいモコモコしたシンセや、枯れたストリングスを用いたポップな曲です。Ryo Tokiyoshi制作のMVもあります。
3. 248
HekA自身で手掛けたダークなトラップ。
メロディアス成分は削り、粘着質なラップらしいラップを聴かせる曲です。ヘヴィなシンセを使ったビートに上手く馴染んでいます。
4. esclavo
引き続きセルフプロデュース。
幻想的なシンセに軽めのドラムを合わせたダウナーな曲です。ここではメロディアスなフロウで挑んでいます。
5. Time.
「echo!」と同じくkotaro.制作。
エレクトロニック・ミュージック文脈っぽい、機械的な質感のトラップです。粘っこく歌心のあるラップも好相性。
Jochiプロデュース。
ふうわりとしたシンセや女声ヴォーカルのサンプリングが目立つシリアスな曲です。ふらつくようなラップがエモーショナルに響きます。
7. kemuri Pt. 2
2020年作「Twisted」収録曲のセルフリメイク。
ビートは自身で制作し、浮遊感のあるポジティヴな空気の曲に仕上げています。歌うようなフロウで力強さも見せるラップも強力。
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