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Die, No Ties, Fly「SEASONS」全曲解説

poivreVOLOJZALEXUZ YENの三人による日本のヒップホップグループ、Die, No Ties, Flyにインタビューしました。WebメディアのSpincoasterに掲載されています。

Die, No Ties, Flyとはこれまでにも2021年のEP「THE FLY」のほか、同年のVOLOJZAのソロ作「其レハ鳴リ続ケル」、同じくVOLOJZAの昨年リリースのソロ作「割れた鏡が見た何か」、poivreの昨年リリースのソロ作「So Far So Good」でプレスリリース文章を担当してきました。

今回のインタビューは、昨年リリースされたグループとしては初のアルバム「SEASONS」のリリースにあわせて行ったものです。アルバムはエレクトロニカやゴスペルなど多彩な要素を含みつつ、そのどれでもないような奇妙な仕上がり。ラッパー二人とのコンビネーションも抜群で、これまでの集大成と呼べるような傑作となっています。インタビューでは結成の経緯や三人で活動することの魅力、アルバムについてのエピソードなどを聞きました。

そこで今回はインタビューにあわせ、「SEASONS」を全曲解説します。


1. 03 (feat. OMSB)

オルガンが印象的なヘヴィな曲。

ブーンバップをエレクトロニックな質感で作り上げたようなビートでもあり、OMSBの武骨なラップとも見事に合っています。少し力の抜けた側面もあり。


2. このまま (album mix)

甘いメロディアス路線。

美しい歌声のサンプリングやピアノの音が目立つ、柔らかな曲です。フックでのLEXUZ YENの歌とVOLOJZAのラップの掛け合いもばっちり。


3. SWIM

隙間を活かしたエレクトロニカ的な曲。

ドラムパターンには少しジュークの名残のようなものがあります。アグレッシヴなLEXUZ YENに脱力感のあるVOLOJZAと、乗せ方の違いも楽しく聴けます。


4. 明るい夜 (album mix) (feat. Neibiss)

poivreが「So Far So Good」で聴かせたようなリラックスした曲。

ファンキーなギターやポコポコしたパーカッションが、トロピカルなムードを出しています。Neibissの二人のラップとも好相性。


5. 颱風

ちょっとJ Dilla的なゆるさがある曲。

ピアノやサックスを使いつつ、軽めのドラムをしっかりと鳴らして心地良いグルーヴを生んだ暖かい曲です。LEXUZ YENの歌フックの職人芸も光ります。


6. トレイン・トレイン (feat. hikaru yamada)

LEXUZ YENはラップでは不参加の曲。

ワブルベースを使ってIDMとヒップホップの中間を作ったような怪曲です。hikaru yamadaのサックスも強烈。


7. 貪るように (album mix) (feat. butaji)

ゴスペル的な神々しさのある曲。

オルガンが効いた美しく穏やかなビートで、メロディアスなLEXUZ YENとbutajiの歌が堪能できます。VOLOJZAの優しいラップとの絡みも美味。


8. 燃えかす

優しさと不穏さが同居した曲。

綺麗なピアノが目立ちますが、ヴァースの途中からテクノみたいな低音が忍び寄ってきます。ラップはメロディアス。


9. FOMA (feat. Lil' Leise But Gold)

音数少なめなR&B系の曲。

オルガンやギターを使った柔らかいビートで、Lil' Leise But Goldのラップっぽい歌も交えてメロディアスに聴かせる曲です。ラストのVOLOJZAヴァースではビートの変化もあり。


10. Feel The Pain

トランペット(?)の音が印象的な曲。

スペイシーなシンセと優しいピアノも用いた、美しくエモーショナルな曲です。二人でヴァースを交換していくような作りで、息の合ったコンビネーションが楽しめます。

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